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サッポロのルーツ、ドイツ醸造法と独自製法の追求【サッポロビールのこだわり】

サッポロのおいしさを、あなたのもとに

サッポロビールは、ただひたすらに理想のおいしさを追求しています。また、「お酒は、人生を楽しく豊かなものにできる。」と信じ、新しい発見をお届けすることで、お客様を笑顔にする一番身近な存在であり続けたいと考えています。

そんな“サッポロ”が、おいしいをお届けするために辿ってきた「サッポロビールのこだわり」をご紹介します。

テーマ9|サッポロのルーツ、ドイツ醸造法と独自製法の追求

今回は、ドイツの醸造技術とサッポロの技術の躍進をご紹介します。サッポロビールの前身「開拓使麦酒醸造所」より受け継がれる独自製法の追求から、今日の技術まで、過去からの足取りについて注目したいと思います!

 

▼「サッポロビールのこだわり」の過去の記事はこちら

 

サッポロのルーツ、ドイツ醸造法と独自製法の追求

サッポロビールの前身「開拓使麦酒醸造所」をつくった一人、中川清兵衛は、かつてドイツのベルリンビール醸造会社でビール醸造を学んでいました。帰国後に開拓使に迎えられ、1876年に「開拓使麦酒醸造所」が完成します。そして翌年、ドイツ醸造法の技術を使って北海道初のビール、冷製「札幌ビール」を発売。開拓使のシンボル「北極星」がラベルに描かれたビールは評判となります。

その後も、おいしいビールをつくるために徹底して原料にこだわり、自ら大麦、ホップの品種改良を行います。こうした取組みは大変珍しく、世界のビール会社でもほとんど例がありません。原料へのこだわりを最大限にいかすため、ビール酵母を中心に1,000株を超える酵母を収集し、日々さまざまな製法を追求しています。

ドイツでビール醸造を学ぶ

後に、開拓使で「麦酒醸造人」という職を与えられる17歳の青年、中川清兵衛は1865年(慶応元)、故郷の新潟を後にし、横浜から国禁を犯してイギリスに渡りました。その後、ドイツへ移りそこで出会った留学生総代の青木周蔵(後の外務大臣)の薦めで、ベルリンビール醸造会社での修業が始まります。当時のビール職人の労働は厳しく、土曜、日曜もなかったといいます。

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(中川清兵衛が修行したベルリンビール醸造会社)

 

ビール醸造技術の修業証書

1875年(明治8)5月、2年2ヶ月に及ぶ中川清兵衛の修業は終了。会社から贈られた修業証書には「旺盛な興味と熱心さで、ビール醸造及び製麦の研究に励み全部門にわたり知識を習得。有能で勤勉な他国の一青年を教育し得たことは大きな喜びであり、心から前途に幸多かれと祈る」と記されていました。中川は8月、10年ぶりに帰国しました。

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(ベルリンビール醸造会社から贈られた修業証書)

 

【一緒に読みたい!関連記事はこちら】

▼これぞビールファンが唸る美味しさ!本場ドイツの醸造所も認めた樽生「エーデルピルス」の魅力に迫る

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▼「SORACHI1984」をつなぐ者たちの物語<エピソード3~「醸造家」という仕事 前編~>

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開拓使麦酒醸造所の開業

開拓使は1876年(明治9)6月、青木周蔵から推薦された中川清兵衛を迎え、醸造所の建設に着手し、9月に「開拓使麦酒醸造所」が完成。サッポロビールの歴史はここから始まります。総工費は8,348円程で現在のお金に換算すれば約1億円。開業式では、積み上げたビール樽に「麦とホップを製すればビイルとゆふ酒になる」と白字で大きく書かれており、記念写真として残っています。

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(「開拓使麦酒醸造所」開業式での記念写真)

 

ドイツ醸造法による北海道初の冷製「札幌ビール」発売

北海道初のビールは、冷製「札幌ビール」と名づけられ、1877年(明治10)9月に発売されました。「冷製」とは、ドイツ醸造法による低温熟成させたビール、という意味のようです。開拓使の依頼でホップやビールの成分分析を行っていた札幌農学校の教師ペンハローは札幌ビールについて、苦味がほどよく、なにより芳醇な香りが心地よい、と絶賛。ラベルに開拓使のシンボル「北極星」が描かれたビールは評判となりました。

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(1877年(明治10)の冷製「札幌ビール」ラベル)

 

大麦とホップを育種する、世界でも珍しいビール会社

開拓使に始まるサッポロビールの歴史は、おいしいビールをつくるためのこだわりの歴史でもあります。その一つは徹底した原料へのこだわり。サッポロビールは1876年(明治9)の創業以来、自ら大麦、ホップの品種改良を行いビールに適した品種を開発してきました。大麦とホップの両方を育種しているビールメーカーは、世界でもほとんど例をみません。

 

世界的にも貴重なサッポロビール「酵母バンク」

ビールづくりに欠かせない酵母にはいろいろな種類があり、酵母の選び方がビールの品質を決定するほど重要なものです。サッポロビールは長年の歴史を通じて世界各地からビール酵母を中心に1,000株を超える酵母を収集し、「酵母バンク」として保存しています。これは世界的にも貴重な財産と言えるものです。求められた特性を備えた酵母を迅速に選び提供することで、新商品開発にも役立てています。

 

ビールの鮮度を守る独自の「フレッシュキープ製法」

ビールの品質劣化は、ビール中に微量に存在する酸素分子が活性酸素となり、さまざまな成分が酸化されることが主な原因です。そこで、品質劣化を防止するために、ビール自体の酸化に対する抵抗力、抗酸化力(還元力)を強化することが有効であり、これを可能にしたのがサッポロビールが開発したフレッシュキープ製法です。この製法は、社団法人日本農芸化学会平成12年度大会において、日本農芸化学会農芸化学技術賞を受賞しました。

フレッシュキープ製法では麦芽・ホップ等の原料に由来するポリフェノール類などの還元力を有する物質を仕込工程で酸化させずに、ビール中にできるだけ多く温存させることが重要です。そのために、ビール工場では麦汁が冷却される前の比較的高い温度での仕込工程において、

  1. 粉砕麦芽と醸造用水を混合して仕込槽へ投入する際の空気の巻き込み防止
  2. 仕込槽・仕込釜での撹拌速度の適正化による空気の巻き込み防止
  3. マイシェ(麦芽をお湯に浸して粥状にしたもの)を各仕込設備へ移送する際の空気の巻き込み防止

を中心とした仕込設備と工程管理の最適化を行い、原料の持つ自然の力を最大限に引き出すことによるビール自体の還元力の強化に成功しました。

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(「フレッシュキープ製法」が日本農芸化学技術賞を受賞)

 

お客様の手元まで品質を守る「サッポロ品質シート」開発

サッポロビールは、東レ(株)、岸工業(株)と共同で「サッポロ品質シート」を開発。お得意先様に斡旋することにより、お客様の手に届くまで直射日光を防ぐとともに、ビールの異常高温を防止するよう働きかけています。

 


 

まとめ

開拓使に始まるサッポロビールの歴史は、おいしいビールへのこだわりの歴史であることが分かりました。おいしいビールをつくるため、今日までに様々な技術革新があったのですね!

「サッポロビールのこだわり」はまだまだ続きます。

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