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本家・フランスに迫る勢い“イタリア産ロゼ”の魅力とは?

ワイン市場を席捲しているフランス産ロゼに挑戦し、イタリアの土着品種を使った「ローゼ」を世界に広める動きが活発化しています。

フレンチ・ロゼに負けない!イタリア産のブーム到来?

ワイン市場を席捲しているフランス産ロゼに挑戦し、イタリアの土着品種を使った「ローゼ」を世界に広める動きが活発化しています。

ここ数年の間に、ロゼにまつわる誤解が少しずつ解けてきました。ワイン愛好家たちは、ロゼ作りにも細心の注意が必要であり、実際、注目に値する素晴らしいワインが各地で作られている事実を理解するようになったのです。また、ひと口に「ピンク」といっても50を超える色調が存在し、プロヴァンス以外を産地にする幅広いぶどうの品種から製造されている点も、愛好家たちは評価しています。

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例えばイタリアには、独特のピンク色が特徴のロゼワイン「ローザ」があります。歴史的にロゼをあまり好まないイタリア人にとって、ロゼワインブームは遠い世界の話でした。しかし、この10年間でフランス産ロゼの人気が高まったことを受けて、今ではイタリア人もこのトレンドにあやかろうとしているのです。こうして、イタリア最高のローザを世界に知らしめるため「ローザウトクトーノ・イタリアン・ワイン協会」が誕生しました。

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ローザウトクトーノとは「土着のピンク」という意味で、使われるぶどうの品種は、コルヴィナ・ヴェロネーゼグロッペロモンテプルチャーノボンビーノ・ネロネグロアマーロガリオッポのイタリア由来の6種類です。この協会が目指すのは、イタリアのワイン生産者が行っている土着品種の栽培方法を保護・保全し、フランス産ロゼに負けないイタリア産ローザの認知度を高めることです。

ローザの産地は、バルドリーノ・キアレットヴァルテネシチェラスオーロ・ダブルッツォカステル・デル・モンテサリーチェ・サレンティーノ・ロザート、チロ・ロザートの6カ所です。石灰質の土壌とぶどうの古木が多いことで知られるこれらの地域は、昔から最高品質のローザを生み出してきたのです。

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アメリカ・ボストンにある「ザ・アーバン・グレープ」のファウンダーで、ワインに関する教育を広めているTJ・ダグラス氏は、ローザの大ファンとして知られています。「ローザウトクトーノは、ロゼブームに火をつけた “イエス・ウェイ・ロゼ“とは全く逆の方向性を提示しています。インスタグラムで『いいね!』を数多く稼ぐだけの目的で、名前も産地もよく分からないロゼを飲むのではなく、テロワールに関する知識を深く掘り下げ、なぜイタリアで世界に通用するワインが作られているのかを理解することが目的としています。たまたまその多くがローザだったというだけの話なんです」

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ストロベリージェラートのような色合いからサンマルツァーノ種のトマトに似た赤色まで、ローザは幅広い色調と、香ばしさ、風味、ボリューム感のある香りが特徴です。では、ローザを生産する6つの地域とお薦めのワインを紹介していきましょう。

バルドリーノ

キアレットは「軽い」とか「澄んだ」といった意味で、このエリアの醸造家たちは、古代ローマ時代から連綿と受け継がれてきたぶどう圧搾技術を用いて、ヴェネト州とロンバルディア州にまたがるガルダ湖の岸辺でローザを生産してきました。ロンバルディア州のキアレットは軽やかな塩味で、アルコール度数は低く、酸味が強いのが特徴です。ローザに使われる土着品種としては、バルドリーノの東岸ではジューシーなコルヴィーナ種とハーブの香りが魅力的なロンディネッラ種、ロンバルディア州西岸ではブラックチェリーのような香りで知られるグロッペッロ種が好んで使われています。

お薦めの1本:2018ツェナート・バルドリーノ・キアレット(14ドル=約1500円)

 

ヴァルテネシ・キアレット

ヴェネト州のキアレットには、ガルダ・クラシコ種やヴァルテナシ種など、北西部の小さなエリアで栽培されたブドウが含まれています。土着品種のグロペッロの配合割合が高いことから、これらのローザは、深みのある色合い、フローラル系の香り、そしてネクタリン、イチゴの種、チェリーの皮の風味が特徴的です。

お薦めの1本:2019 コスタリパ・ヴァルテネージ・キアレット・ロザマーラ(19ドル=約2000円)

チェラスオーロ・ダブルッツォ

アブルッツォ州の透き通ったチェラスオーロは、真っ赤なキャンディーのような色味と芳醇なチェリーの香りが特徴です。土着品種のモンテプルチャーノが、赤紫の色調とバルサミコ酢のような酸味を醸し出しています。

お薦めの1本:カンティーネ・ムッチ “ヴァレンチノ” チェラスオーロ・ダブルッツォ・ロゼ (18ドル=約1900円)

カステル・デル・モンテ・ボンビーノ・ネーロ

プーリア州カステル・デル・モンテ産のワインは、太陽の光がふんだんに降り注ぎ、海からの涼しい潮風が吹くこの州ならではの土着品種、ネグロアマーロ(「黒くて苦い」という意味)のおかげで、ローザブームの主役に躍り出ました。ローストしたパプリカを液体にしたような赤く色づいたジューシーなワインは、酸味のあるモレロチェリーに微かなタバコの香、甘草、コーヒーの風味を感じさせる味わいが特徴です。

お薦めの1本:2019 ピエトレジョヴァニ・ネグロアマーロ・ロザート(20ドル=2100円)

サリーチェ・サレンティーノ・ロザート

カステル・デル・モルテと同じくサリーチェ・サレンティーノも、なめし革のような香りが特徴で、ジューシーな味わいのネグロアマーロを使用したプーリア州のD.O.C.(統制原産地呼称ワイン)です。サレントは、イタリアの“ローザ生産の中心地”を自認しています。平坦な地形に、銅色の粘土質という土壌が広がる恵まれた環境にあるため、イタリアでもっとも暑い地域にありながら、ぶどう栽培に必要な水分量を地中に保つことができるのです。

お薦めの1本:2019 カラフリア・ロザート・サンレント IGT (15ドル=約1600円)

チロ・ロザート

イタリアのブーツのつま先に位置するカラブリア州のイオニア海岸沿いで生産されているチロ・ロザート。オレンジ系の色合いが特徴のロザートには土着のガリオッポ種が使われ、レッド系ベリーのアロマと、高いアルコール度数、ほどよい強さのタンニンが特徴です。

お薦めの1本:リブランディ・チロ・ロザート(12ドル)

この記事はFood & Wineに掲載され、 Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまで。

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