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ついにリニューアルされた「サッポロ ニッポンのシン・レモンサワー」 一新された松重豊さん出演TVCMの裏側を制作スタッフが語る!

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本記事の登場人物(写真左から)

✓布田雄帆(読売広告社 マーケットデザインユニット 統合クリエイティブセンター 第3クリエイティブプランニングルーム コピーライター/プランナー)

✓黒柳真莉子(サッポロビール株式会社マーケティング本部 ビール&RTD事業部RTDグループ)

✓外山毅(読売広告社 マーケットデザインユニット 統合クリエイティブセンター センター長代理シニアクリエイティブディレクター)

 迷わず選べるレモンサワーの「シン・定番」を目指して世に送り出され、大きな話題を呼んだサッポロビールのヒット商品「サッポロ ニッポンのシン・レモンサワー」。発売から1年が経ち、リニューアルを実施し“真ん中を突くうまさ”にさらに磨きがかかりました。TVCMも一新し、昨年に続き俳優の松重豊さんが再び熱演します。今回はニッポンのシン・レモンサワーのリニューアル、そしてTVCMについて、ブランド担当の黒柳真莉子と、コミュニケーション戦略のパートナーである読売広告社の外山毅さん、布田雄帆さんにお話をうかがっています。※文中敬称略

絶好調だった1年目

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――レモンサワーの「シン・定番」を掲げ“ど真ん中”に斬り込んで行ったニッポンのシン・レモンサワーですが、1年を経過して手応えはどんなものでしたか?

黒柳真莉子(以下、黒柳):自信をもって世に送り出した商品でしたが、想像以上にお客様から高い評価をいただけた実感があります。特に味わいの部分でご満足いただけたことがうれしかったですね。

お客様からは「どんなときに飲んでもおいしい」「バランスが良い」といった、私たちが思い描いていた通りのコメントをいただきました。お客様自身に感じ取っていただくために、こういった味わいについての直接的な表現をあえて発信してこなかったので私たちのイメージ通りにお客様に感じ取ってくださったことが嬉しかったです。

――大きな手応えを感じた1年だったんですね。

黒柳:そうですね。老若男女問わず幅広い層の多くのお客様に手に取っていただき一定の評価を頂戴したと思います。

――一方で課題に感じている点はありますか?

黒柳:ニッポンのシン・レモンサワーの「シン」には“真ん中”や“新しい”、“信頼できる”、“芯がある”などいろんな意味を込めているのですが、まだまだお伝えしきれていないので今後はコミュニケーションを通して発信していきたいですね。

――そして今回リニューアルが敢行されたわけですが、具体的にどういう点が変わったのでしょうか?

黒柳:味わいもご好評いただいていますし、パッケージ、つまり缶のデザインについても店頭でとても目立つものに仕上がっていて、実は商品についての大きな課題はありませんでした。良くない部分を変えるというよりはお客様から評価いただいている部分をさらに伸ばした、ポジティブなリニューアルをしています。

具体的にお話すると、味わいについてはジューシーな果実感と飲み口のスッキリさのバランスをさらに追求し、パッケージデザインはインパクトのある商品ロゴをひとまわり大きくするとともに中央の文字を“新”から“真”に変更して、レモンサワーの“ど真ん中”を追求している点を象徴的に表現しています。

TVCMの松重さん続投は満場一致!?

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――ほかにパッケージで大きく変えた部分はありますか?

TVCMなどのコミュニケーションのなかで“発見”という単語がひとつのキーワードになっています。今までありそうでなかった“ど真ん中”のレモンサワーを“発見”していただきたいという意味合いです。パッケージもコミュニケーションと連動し“真”の文字だけでなく、この“発見”という文字を入れています。

――こうしたコミュニケーションは新発売の時点でもかなり考えられていましたが、それをさらにブラッシュアップした形なんですね。

黒柳:23年の発売前から24年のブランド全体の戦略について、今回同席されている読売広告社のチームとともにディスカッションを続けてきました。

外山毅(以下、外山):23年新発売の時はパッケージどころか商品名も確定していないうちから戦略の検討に参画しました。ゼロから考える分、難しい部分はありましたが、その分モチベーションは高かったですね。

黒柳:24年における戦略の検討も、パッケージが決まる前のかなり初期段階から始まっていました。皆さんといっしょに議論しながら、TVCMなどのコミュニケーションとパッケージの連動を意識し、全体の一貫性を持たせながら進めていきました。

――TVCMのお話が出ましたけど、昨年は松重豊さんが羊の格好をして出演され、かなり話題になりました。今回のTVCMもまた松重さんが出演されていますね。

黒柳:松重さんに継続してご出演いただくことは満場一致で決まりました。前回のTVCMは非常にインパクトがありましたし、やはり松重さんが言うとおいしさに確信が持てるような、強い納得感があって。こちらとしては無くてはならない部分だと思っていました。

布田雄帆(以下、布田):「“ど真ん中”を追求する」といったメッセージは当初から黒柳さんや僕らのなかで明確だったんですが、でもメッセージは時間とともに世間の受け取り方が変わっていくという予想もありました。そこで1年目は自己紹介に徹し、ど真ん中を行くニッポンのシン・レモンサワーが出た以上、「もう迷わなくて大丈夫ですよ」と呼びかけたんですね。

1年が経って、そのメッセージを受け取った人たちがどういう感情になるかを考え、何を伝えるか、伝えたいかは打ち合わせを重ねるなかでどんどん明確になっていきました。それを松重さんに体現していただいたのが、新しいTVCMですね。

黒柳:前のTVCMは「レモンサワーに迷える日本人へ」という呼びかけでした。今回は視点を変えて、よりお客様目線を意識していて、ニッポンのシン・レモンサワーに出会ったときの喜びのシーンを表現したコミュニケーションになっています。

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一見奇抜なキャラクターも松重さんが演じると……

――CMのなかでは松重さんがそれこそ老若男女、いろんなキャラクターを演じられていますね。

黒柳:8通り、松重さん本人を含めると9通りのキャラクターを演じていただいています。

――撮影は大変だったんじゃないですか?

布田:それはもう大変でした(苦笑)。松重さんでなければできなかったと思うくらいです。

――それはどういう意味ですか?

布田:衣装やヘアメイクを変えて、カメラの前に立たれた瞬間からそのキャラクターになりきっていて、もうスタジオに入ってきた瞬間に万全な状態だったんです。たとえば女性の衣装を着たら、もう歩いている姿から女性になりきってました。

ほぼ全部のキャラクターについて1テイクでOKを出していたくらいです。あれだけスムーズに撮影が進んだのは松重さんだからこそですね。

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――どんなキャラクターを登場させるか、やはり議論されたんですか?

布田:SNSを見ていて飲んだ人の感想がみんな違うっていうのもニッポンのシン・レモンサワーの特徴で、真ん中を突いているからこそいろんな感想が出てくるという話をしていて。「それぞれ違う価値観を持っている人たちから、いろんなリアクションが出てくるのはおもしろいね」と、今回のTVCMにつながっていきました。

単なる老若男女というよりも、レモンサワーにこだわりを持った人、流行りを追いかけている人、ふだんはレモンサワーを飲まない人、そういうどんな人が飲んでもおいしいと伝えたくて、キャラクターに幅を持たせているんです。

――たとえば老齢の男性は俳句を詠むようなスタイルをしていたり、ぱっと見て裏に物語が感じられるようなキャラクターが揃っていますよね。

黒柳:キャラクター設定は最後まで揉めましたよね(笑)。私としてはキャラクターの個性が強すぎるというか、奇抜になりすぎることでメッセージが伝わりきらないことを最後まで少し不安に思っていました。

でも、実際に松重さんに演じていただいたらまったく違和感がないというか、見たら納得したというか、「これならいける!」と感じました。

外山:松重さんが楽しんで演じてくださったのが大きかったですね。ニッポンのシン・レモンサワーを本当に好きになっていただけていると感じました。

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TVCMの制作の裏にはこんな葛藤が

――TVCMの制作にはどれくらいの時間をかけられたんですか?

黒柳:今回は「これが、なかった!」というキーコピーを採用しているんですが、これは戦略を考えはじめたいちばん最初の段階でいただいていたものなんです。でもそこからかなり議論を重ねて、結局は最初に戻ったという感じで。そこまでに議論を尽くしたこともあって、コピーが決まってから比較的スムーズに進行し撮影までは3~4カ月くらいでしたね。

外山:ニッポンのシン・レモンサワーはレモンサワーの真ん中を行く商品なんですが、ともすれとそれは「普通」みたいな表現になってしまいかねないんです。訴えるべきポイントはなにか議論を重ねに重ね、7周回っていちばん最初の「『これ、がなかった!』がいちばんだな」って最初に戻ったという。

布田:やっぱり言葉先行でもビジュアル先行でもなく、絵と言葉がセットでないとわからない部分があるんですね。「これが、なかった!」は確かに初期から提案していましたけど、松重さんがいろんなキャラクターに扮装した絵といっしょに合わせてみたのは、それこそ7周目近くになってから。言葉と絵をあわせてみて、ようやくみんなが「これでいこう」となりました。

――ビジュアルと文字、それに音と。これらのうち2つ以上が合わさってはじめて理解できることってわりとありますよね。

黒柳:そうなんです。「これ!これ!これ!これ!これがなかった!」って声として聞こえることも大事で、3つがセットなんですよね。いろんなところからいろんな人の声が聞こえることが、お客様が本当に確信して言ってくれているイメージにつながる。全体として綺麗にはまったというか、TVCMを見るとひとつも欠けてちゃいけなかった感じもしています。

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外山:布田が絵を用意して初めて黒柳さんの反応が変わったんですよね。言葉の論理だけではお互いにわからなくて、いっしょになって視覚的なところも共有することこそが戦略のパートナーなんだって、僕らもすごく勉強になりました。

――それだけ議論を尽くしても最初に戻ったということは、やっぱり皆さんのなかで「これが、なかった!」というコピーがずっと頭に引っかかっていたんでしょうね。

黒柳:前述のように、ローンチの前から読売広告社さんといっしょに戦略を練ってきましたから、この商品に関する前提とか考え方、方向性に対して全員ブレはないんです。ただ、それでもみんな確固たるプロとしての意見を持っているから、ときに議論が長引いたりすることはあります。

――そこのところが“なあなあ”になってもいいものは作れないですし、譲れないところが双方にあるからこそ議論は高みへと進んでいくものだと思います。

黒柳:こちらが要望を出したとして、きちんと自分たちの意見を加えて投げ返していただけてる感じはありますね。

松重さんの演じる人物が半減していた可能性も?

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――それにしても7周も続く議論ってすさまじいものを感じます。

外山:それぞれが違う角度から向き合っているだけで、各自が意見に固執しいてるわけじゃないんですよね。だから議論が成り立っているし、「これが、なかった!」というコピーも、そのニュアンスなどには7周分の議論がきちんと加味されて変化が生まれています。

松重さんが演じるキャラクターも、予算やスケジュール、撮影の際に衣装替えに要する時間など、いろんな事情があって、パターンを減らすべきじゃないかという議論もありました。でも布田が「絶対に9人いたほうがいい。そうでないと『どんな人が飲んでもおいしい』というメッセージがきちんと伝わらない」と頑張ったんです。

そこにみんな納得して、「いいTVCMを作るため」と何度も打ち合わせを重ねるなどみんなが奔走し、諸事情をひとつひとつ解決していきました。

黒柳:結論から言うと、パターンを減らさなくて本当に良かったですね。9種類あってはじめて生まれる説得力が感じられました。

布田:パターンを減らせばみんなが楽になることはわかっていたんですけど……。撮影現場でも多分誰か1人でも何かをミスったらうまくいってなかったですね。もう撮影前日はホントに眠れなくて、朝を迎えたくないって思っていたくらい。

松重さんの演技、監督をはじめスタイリスト・ヘアメイクなどのスタッフの努力と技術、そしてクリエイティブを全面的に信じ、任せてくださった黒柳さん、チーム一丸となったことで結果としてすべてがうまくいきました。

黒柳:飲んでいるカットの撮影では缶の正面が綺麗に見えるように、角度にとても気を使うんです。TVCMではいつもその調整に時間がかかるんですけど、周りのスタッフの方々もどんどん精度と速度が上がっていって、こちらが指示する前に完璧な角度になってましたね。だからNGカットが本当に少なくて済みました。

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――そうしたプロフェッショナリズムの結晶とも言える映像があんな短い時間にまとめられてしまうのはもったいない気もしますね。前回と同じように、今回もメイキングの映像がYouTubeなどで公開されるんでしょうか?

黒柳:今回も公開します。ほかに松重さんのインタビューなども動画でお届けする予定です。ぜひ期待していてください。

ニッポンのシン・レモンサワー これが、なかった!篇 を見る

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(文・写真=稲垣宗彦)

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