CATEGORY : 知る
ビールを通して刀剣文化継続の啓発を。日本刀を表現したビール「刀剣キラリ」が発売。開発秘話と刀剣の魅力に迫る!
「刀剣キラリ」の誕生が刀剣文化を守る活動の一助になればいい—OK間——
8月1日に発売した新商品「HOPPIN’ GARAGE刀剣キラリ」。
「刀剣キラリ」の主人公は、刀剣育成シミュレーションゲーム『刀剣乱舞ONLINE』のライセンス管理を担当する(株)ニトロプラスのOK間さん。仕事を通して刀剣文化を広める活動を行っています。 そこで、今回はOK間さんが愛する「刀剣」をイメージしたビールをホッピンおじさんとともにつくりました。その名も「刀剣キラリ」。さて、どんな味わいのビールになったでしょうか。
今回は、「刀剣キラリ」の誕生につながる「刀剣文化」について深く聞いてみたくなり、OK間さんとともに、OK間さんの上司で刀剣コレクターであり、『刀剣乱舞ONLINE』原作プロデューサーでもある、でじたろうさん、2人が信頼を寄せる刀鍛冶石田四郎國壽さんの3人で座談会を開催し、お話を伺ってきました。
——「刀剣キラリ」は、どのような思いから誕生したのでしょうか。
OK間さん 僕は、『刀剣乱舞ONLINE』の原作を担当するニトロプラスという会社で作品のライセンス管理を担当している一人として、普段は他社さんと商品化やコラボレーションの窓口を行っています。また、ゲームが日本刀(刀剣)の付喪神から生まれた刀剣男士が活躍するストーリーというご縁から、刀剣を扱う美術館や博物館、神社さんからコラボレーションのお声を多くいただいています。当初は刀剣業界のこともよくわかりませんでしたが、学芸員や刀鍛冶の皆さんなど刀に関わる方とも親しくなり、いろいろと業界を取り巻く環境の理解が進みました。でじたろう(※)とは、ゲームとは別に我々だからできることがあるかもしれないと話をしていて、刀を自ら保有して展示したり、現代刀匠さんに作刀を依頼したり、刀を見ながら飲食ができるお店をつくったり、刀の番組をつくったりしてきました。今回の「刀剣キラリ」は、HOPPIN’ GARAGEさんにこうした活動にご賛同いただけたことにより、実現しました。
——ビールづくりに挑戦していかがでしたか。
OK間さん 日本刀をビールで表現するというのは、刀剣に携わっている方からは怒られるかもしれないですが、我々だからこそこういう機会で貢献できることがあるのではないかと思っています。あと僕自身、お酒が好きでちょっと詳しいという自負もありまして(笑)。ぜひ、ビール好きには飲んで欲しいですね。
日本刀の魅力は 機能性・精神性・芸術性
——でじたろうさんは、刀剣を40振りほど所有しているそうですね。
でじたろうさん はい。『刀剣乱舞』をつくるためにいろいろと調べるうちに、日本の刀剣文化にはまりました。刀剣とはいつ生まれて、どんな種類があって……とわかってくればくるほど、これはすごい世界だと思いました。千年の歴史があり、戦禍や災害をくぐり抜けて残ったものがある。名刀には「号」と呼ばれる名前が一振り一振りについていますが、後世の人が刀の謂れや逸話などから付けたもの。世界で見ても一つの武器に名前を付けるという文化はなかなかないですよね。
石田さん 日本刀の定義は特にないのですが、一つ目は「機能性」です。切れないと意味がない。二つ目は「精神性」。神社に奉納して信仰の対象になったり、守り刀として厄除けを願ったり、畏怖の念を抱けたりするものでなくてはだめ。三つ目は「美」。装飾ではなく刃そのものが美術品として美しいことも重要です。
「刀剣キラリ」のこだわりは切れ味と副原料の「米」
——今回のビールはOK間さんのどのようなイメージから生まれたのでしょうか。
OK間さん 会社の刀を手入れしていると、一振りだけ不思議と重さを感じさせずに持ってしっくりくる打刀があります。きっと長さや重心が、僕の腕の長さや筋肉量にぴったりなんだと思います。この刀は量産型の実践向きで決して高価なものではないですが、以来反りが低い直刃の打刀が好きで、今回はブルワーの方にこの刀のイメージを、切れ味や澄み渡る味わいで表現していただきました。
また、現代において刀の原材料となる「玉鋼(たまはがね)」を生み出す「たたら製鉄」の現状が厳しいと伺っていました。普段は完成した刀の展示に対するアクションが多いですが、今回は後世への継承にもつながる現代の技術に貢献したいと思い、同じく古くから日本の食文化である米の中から、たたら製鉄とゆかりの深い奥出雲の地で生まれた「たたら焰米」を副原料として使用していただきました。
刀剣キラリ ロゴ入りグラス付き6本セット。HOPPIN’ GARAGEストアにて限定発売。
記事の続きはHOPPIN’ GARAGEストアをチェック!
こちらは“ホッピンガレージ”の記事です。