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10年続くロングヒット商品「男梅サワー」 ブランド担当者インタビュー

マーケティング本部
ビール&RTD事業部
高原務
(2019年 ビール&RTD事業部に異動。RTDのブランド戦略立案を担当。男梅サワーのブランドマネージャー 。)
マーケティング本部
ビール&RTD事業部
岩佐拓幸
(2021年 ビール&RTD事業部に異動。RTDの全体戦略及び商品開発を担当。)

ノーベル製菓の人気商品「男梅」とのコラボで生まれた「男梅サワー」は、なんと今年で10周年を迎えたロングセラー商品。その記念すべき今年の戦略について、ブランド担当の2人に語ってもらいました。

(2人会話シーン)P5296578.jpg

組織改編で担当者2人体勢に

――お二人で「男梅サワー」を担当されているとのことですが、それぞれに役割分担は決まっているのでしょうか?

岩佐拓幸(以下、岩佐):基本的に開発など、商品周りに関する部分は私が、それ以外を高原が担当しています。たとえば期間限定品が出るとなった場合、技術者といっしょに中味開発を行うのが私で、広告の展開や、「男梅」を出しているノーベル製菓さんとの窓口を高原が担当しています。

高原務(以下、高原):以前から商品開発とブランドマネージャーはチームを組んでいっしょに仕事をしていたんですが、所属する部署は別だったんですね。それが2年半くらい前に組織改編があって、開発を担当する者も同じ部署になりました。開発を終えたらそこで終わり、ではなく、ブランドマネージャーとともに、そのブランドを育てて行く、という考え方がベースにあってのことですね。

――やはり部署が同じだと動きやすい面はあるのでしょうか?

高原:やはり年間を通した戦略のなかで、プランを立てやすくなりました。「なぜ新しい商品を出すのか、ブランドとして本当にそれが必要か」といったことを緻密に考えられるようになったことがいちばんの違いですね。

すでに世にあるブランドの場合、ブレてはいけない部分があります。ブランドとしてより筋の通った商品開発ができるようになったと思います。

P5296653.jpg

「そういえば梅干し味のサワーってないよね」が誕生のきっかけ

――ブランドという点に関して言うと、そもそも男梅サワーは「男梅」というお菓子とのコラボで生まれた商品ですよね。どういう経緯で実現したコラボなのでしょうか?

岩佐: 10年前というとサッポロビールとして缶チューハイの商品企画を考えていた際に、流行っていたノーベル製菓の男梅を食べながら当時の担当者が「そういえば梅干し味のRTD商品ってないよね」と。

焼酎のお湯割りに梅干しを入れたりと、居酒屋では梅干しを使ったお酒のメニューをよく見かけるわりに、缶チューハイにはそれがなかったんです。

――なるほど。そんなきっかけだったんですね。

高原:RTDに関しては、ポッカサッポロさんの「キレートレモン」を使った「キレートレモンサワー」とか、不二家さんの「不二家ネクター」とのコラボで「ネクターサワー」なんていう商品も出してきました。これらはすでに販売を終了していますが、南日本酪農協同さんの「スコール」とコラボした「愛のスコールホワイトサワー」は今も販売しています。

すでにあるブランドと協力してわかりやすい商品をお届けすることが弊社の戦略のひとつなんですね。「男梅サワー」もそうしたもののひとつと言えます。

――コラボ商品は味をイメージしやすいのは確かですね。

岩佐:お客様にブランドを知っていただくというのはかなり大変なことで、RTDとしては後発だったからこその戦略でしたね。

(商品ずらり)P5296671.jpg

この10年でさまざまな商品を展開

――今年で11年目となる男梅サワーですが、缶入りだけでなく、飲食店での提供もされていますよね。

高原:ノーベル製菓様の男梅の知名度の高さ、それと、「唯一無二の梅干し感」がご好評いただけて、10年も続くことになりました。この間、飲食店様にもお取り扱いいただける商品を展開してきました。

次にやはり一般のお客様向けにさらに炭酸水で割るだけで男梅サワーがつくれる「男梅サワーの素」が発売されました。

男梅サワーの素は最初は500ml入りのびんだけだったのですが、ご好評いただいた結果、今では1800ml入りのペットボトルも人気ですね。

――この10年で飲食店への展開だけでなく、家でも缶入り以外の男梅サワーを味わえるようになっているんですね。

岩佐:飲食店様で扱っていただく場合、男梅の関連商品は生ビールのお取り扱いがないお店でも出していただけているケースがけっこうあるんです。

高原:やはりそれだけ「唯一無二の梅干し感」を持つ男梅サワーをご愛顧してくださっているお客様がいらっしゃるということだと思うんです。

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「唯一無二の梅干し感」を生み出す粉砕浸漬酒

――ご家庭でも飲食店でも、やはり「唯一無二の梅干し感」こそ、10年以上に渡って男梅サワーをご愛飲いただけている理由だと思います。飲んだときに感じるこの「梅干しっぽさ」は、どこから来るのでしょうか?

高原:「梅干しまるごと粉砕浸漬酒」を使ってるからこそ、ですね。「ふんさいしんせきしゅ」と読みます。

――それが「唯一無二の梅干し感」の秘密なんですね? 具体的にはどういうものなんでしょう?

岩佐:梅干しから種を取り除いて、それ以外の部分を細かく砕き、余すところなくすべてを漬け込んだお酒を原料に使っているんです。

果肉を砕いていることと、種以外のすべての部分を入れることで、梅干しのうまみや香りが引き出されているんです。これを作る技術は弊社独自のものではないのですが、梅干しで粉砕浸漬酒を作っているのは、男梅サワーだけしかありません。

――これにはどんな梅干しが使われているんですか?

岩佐:梅サワーで使っているのは、塩だけで漬けた、昔ながらの塩っぱい梅干しです。これもやっぱり男梅サワーの個性に一役買っています。

高原:男梅サワーは「男梅」という立派なブランドネームをお借りしている商品ですから、きちんとそれと味のイメージがリンクしていることが大事ですし、それを守ってきました。だからこそお客様から「替えの利かない商品」とか、「やっぱりこの商品でしか味わえない味」とおっしゃっていただけるのだと思います。

岩佐:お客様から「唯一無二の存在と言われる」ようなお言葉をいただくたびに、独特のブランドに育ったという実感が湧きますね。

(2人楽しそう)P5296683.jpg

趣向を凝らした数量限定の味も男梅サワーの魅力

――男梅サワーは定期的に「数量限定」の商品が発売されますよね。

高原:通年販売されているのが男梅サワーと、アルコール度数を9%に高めた「超男梅サワー」の2種です。これに数量限定の味を折々に発売してきました。

毎年1月にはお店で梅干しを潰しながら飲んでいるような濃厚な味わいと飲み応えが特長の「梅つぶし」という商品を出すのが恒例になっていまして、

また、5月にも男梅サワー 追いレモン極(きわみ)」を限定販売しています。

岩佐:だいたいこんなペースで年に3つか4つくらい数量限定の商品を出していますね。

――年に3~4種類って、多いですね。しかも、定番の男梅サワー、超男梅サワーも毎年少しずつリニューアルされるんですよね? 結果的に合計で5~6種類の味を作ることになるわけですが、すごく大変じゃないですか?

高原:RTD商品って本当に種類が多いので、定期的に話題を提供していかないと埋もれてしまうんですね。だから定番商品も定期的にリニューアルしています

岩佐:男梅はあくまでも「唯一無二の梅干し感」から外れるわけには行かないですし、梅干しってただでさえ味が独特でしかもはっきりしているので、新しい味を開発するのはいつも大変ですね(笑)。

このあいだも高原といっしょに梅干しの専門店を回って情報収集をしてきました。新しい味のヒント探しは日常的にやっていますね。

(2人無糖を指す)P5296706.jpg

数量限定だったあの味が定番化!! 第3の男梅サワーとは!?

――数量限定の楽しさはお客様も期待されているところだと思うのですが、定番商品が増える予定はないのでしょうか?

高原:実は昨年10月に限定販売した「男梅サワー ウメェ無糖」が今年の8月29日から通年販売、つまり3つめの定番商品となります。

――ウメェ無糖が定番化した理由はなんでしょうか?

岩佐:近年は食中酒としてハイボールが人気です。その理由として、甘さがないことが口の中をさっぱりさせる効果につながっていることも無視できないと思っています。

高原:「男梅」というキャンディーとのコラボ商品ということもあって、男梅サワーにはある程度の甘味がつけてあります。これがお客様の年代や飲んでいただくシチュエーションに影響しているんじゃないかと思ったんですね。

特に年代について言うと、40代、50代と年代が上のお客様ほど、甘くないお酒を好まれる傾向が見られるんです。実際に昨年、ウメェ無糖を限定販売したときに、年齢層が高めのお客様にかなりご好評をいただけました。

――甘さを取り除いてバランスを取るだけなら、梅干し感を損なう心配もないですよね。

高原:そこもひとつのポイントですね。何かを加えて違う味にしたわけでも、梅干し感を薄めたわけでもないんです。

高原:お弁当を考えても、梅干しって口直しとしての効果が大きいですよね。あくまでも甘味のある男梅サワー、超男梅サワーを軸としながら、そこに無糖が加わることで、より幅広い年齢層、より多彩なシチュエーションで男梅サワーを楽しんでいただけるのではないかと期待しているんです。

――男梅サワーはどんなお料理といっしょに飲まれることを想定しているんですか?

岩佐:たとえば焼き鳥ならば塩よりもタレだったり、あるいは中華料理だったり、味がはっきりした料理に合わせやすいと思っています。その一方、ウメェ無糖はお刺身をはじめとする和食など、繊細な味付けの料理の味も引き立てるものとして作っています。

男梅サワー、超男梅サワーにこのウメェ無糖が加わることで、より食中酒としての幅広く楽しめるようになったのではないでしょうか?

高原:ウメェ無糖の通年販売は、11年目を迎えた男梅サワーの新たな挑戦と言っていいかと思っています。

今年も開催!! 「梅ぇ横丁夏祭り」

――今年は横丁イベント以外のキャンペーンは何か企画されていますか?

高原:“体験”を重視した横丁キャンペーンだけでなく、商品を購入して応募する形式で、の10周年記念の「特別な男梅サワー」が当たるプレゼントキャンペーンも企画しています。

――特別って、どんな風に特別なんですか?

高原:毎年1月に梅つぶしという味を出していると言いましたけど、それの特別版ですね。梅つぶしには、居酒屋さんで梅をつぶして飲むときにように、小さく刻んだ梅の果肉を入れているんですね。それを缶入り飲料として量産できる限界の量まで増やしているんです。

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10周年記念プレゼント企画も実施!! 賞品は「夢の梅まみれ」

――賞品の特別版梅つぶしはそんなに濃いんですか?

岩佐:毎年発売されるふつうの梅つぶしでさえ、お客様からは「こんなに梅干しの味が濃厚とは思わなかった」と驚きの声をいただくくらい、果肉の効果で梅干しの味が強いんです。今回のプレゼントでは、その梅の量を2倍に増やしています。

高原:飲食店さんで男梅サワーにさらに梅干しを入れて出してくれるところがあるんですよ。沈んでる梅干しをつぶしながら飲む男梅サワーはそれこそ梅干し感が極まっていて、これを再現するのが岩佐と私の夢だったんです。今回のプレゼントでは、その夢がついに実現しました。

岩佐:限定版の商品名は「夢の梅まみれ」と決定しています。市販されるものではなく、プレゼントの賞品として配るだけの超限定アイテムです。梅干しの濃厚な味わいを楽しめるよう、ぎりぎりを攻めてとにかくおいしい男梅サワーを作ろうというのがコンセプトでした。

高原:実は中味は入っていませんが、缶のデザインサンプルはできあがっていて、今日は特別にここに持ってきているんです。

――これがその缶ですか。赤をベースに金で文字が入っていて、高級感あるデザインですね。

高原:夢という字をよく見てください。ちょっとした仕掛けがあるんですよ。

――あ、そのまま「夢」と読んでしまいましたが、よく見ると漢字じゃないんですね!

岩佐:お客様への感謝の気持ちを込めた特別限定品ですし、どうせ限られた数しか作れないからできることはなんでもやろうと、缶のデザインにも凝ってみました。

――プレゼントキャンペーンはいつからはじまるのでしょうか?

高原:7月3日からです。男梅サワーの缶についているシールが1枚あれば、その場で応募できるので、ふるって応募していただきたいですね。

岩佐:この缶をお届けするときの箱のデザインにも力を入れて凝ったものを作る予定でいます。ぜひ楽しみにしていてください。

(2人ガラス前)P5296550.jpg

男梅サワー、これからの10年を見据えて

――1年に数種類の限定版を出したり、いろいろなキャンペーンを企画されたり、いろいろ努力されているんですね。男梅サワーが10年続いた理由がわかった気がします。

高原:RTD、特に缶チューハイは毎月のようにいろんな商品が出て、お客様にとっての選択肢も多い。そのなかでブランドとしてお客様にしっかりと定着するのはスゴいことだと思っています。

新しいファンを獲得するための努力は大事なんだな、って思っていますし、商品開発だったり、キャンペーンだったり、お客様に新鮮さと魅力を感じていただく何かを続けていかないとならないって強く感じますね。

――大きな節目を超えた男梅サワーですが、これからの10年を見据えた抱負を聞かせていただけますか?

高原:新にウメェ無糖という定番商品が加わりました。数量限定として昨年作ったときは「本当に無糖で作れるのか?」という大きな挑戦だったんです。また、7月4日に数量限定発売される「男梅サワー通のしょっぱ梅」では、AIを使ってレシピを考えるような最新技術を用いた取り組みも行っています。変化の大きいRTD市場ですが、新たなことに挑む姿勢が大事じゃないかと思います。

ただの「古いブランド」になってしまわないよう、これからもお客様から「なんかおもしろそうなことをやってる」って思われるような、新しいことに挑戦する姿勢を続けたいですね。

岩佐:10年経ったとはいえ、まだまだ男梅サワーをご存じないかたがたくさんいらっしゃいます。数量限定商品やキャンペーンなどをきっかけに、もっともっと多くのかたに知っていただきたいし、飲んでいただきたいですね。

梅干しのお酒と言ったら「男梅サワーしかない」と誰もが思うようなブランドを目指したいですね。

高原:そのためには、お客様との接点をもっと増やしていく必要があると感じております。期間限定の居酒屋を開いてみたり、キッチンカーみたいなもので、日本全国に出かけていくのもいいかもしれません。ブランドを広めるためにやれることはまだまだいろいろありそうですね。

(文・写真=稲垣宗彦)

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