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本場イタリア人も顔負けのアぺロール・スプリッツの作り方
イタリア・アマルフィ海岸にあるラグジュアリーホテルのヘッドバーテンダーに人気のイタリアンカクテル、アぺロール・スプリッツの作り方の秘訣を教えてもらいました。
アマルフィ海岸の街、ポジターノで地中海スタイルの陶器のテーブルに置かれたアペロール・スプリッツとスナック @Getty Images
ディナー前につまみを食べながら一杯を飲んで過ごす。夕食の時間が遅いイタリアならではのこの習慣をアペリティーボといいます。この時間にバーに入ると、赤々と燃える太陽のように鮮やかなオレンジ色のカクテルが目に留まることでしょう。イタリアのアマルフィ海岸にオープンしたばかりの瀟洒な5つ星ホテル「ボルゴ・サンタンドレア」の海が見えるバー「ラ・テラッツア」と、よりカジュアルな「ビーチクラブ・バー」では、美しい夕焼けと明るい色合いが特徴のカクテル、アペロール・スプリッツの双方を楽しむことができます。イタリアでは一年を通じて飲まれているこのカクテルは、甘みと苦味を併せ持つリキュール、アペロールとイタリアのスパークリングワイン、プロセッコを組み合わせたアペロール・スプリッツです。
ボルゴ・サンタンドレアのイヴァン・スタンコヴィッチ氏に、アペロール・スプリッツが人気な理由についてお聞きしました。30年ほど前にミラノでバーテンダーの修行を始めたスタンコヴィッチ氏は、様々な高級ホテルで経験を積み、ボルゴ・サンタンドレアにヘッドバーテンダーとして迎え入れられた経歴の持ち主です。
スタンコヴィッチ氏お薦めのアペロール・スプリッツのレシピは当記事後半でご覧いただけます。スタンコヴィッチ氏はこのレシピについて「アペロール・スプリッツを作る時は、本来のレシピを忠実に守っています。バランスが取れた爽やかなカクテルに仕上がるので、変更を加える必要がないからです」と語ってくれました。
また、続くQ&Aでアペロール・スプリッツに対する想いもお聞きしました。
アペロール・スプリッツは夏ならではのドリンクだとお考えですか?
スタンコヴィッチ氏:「アペロール・スプリッツは今では一年中楽しめるドリンクになりました。その人気だけでも、このカクテルを一年中提供する十分な理由です。アルコール度数が低いので節度を持って楽しめるし、ご家庭でも簡単に作ることができます」
アペロール・スプリッツには、どんなタイプのグラスを使いますか?
スタンコヴィッチ氏:「ドリンクを冷やすのに必要な量の氷を入れることができる、大きなワイングラスですね」
氷といえば、大きなキューブアイスとクラッシュドアイス、どちらが最適ですか?
スタンコヴィッチ氏:「アペロール・スプリッツに最も適しているのは、適切な温度に冷やすことができる、大きくて透明度の高いアイスキューブです。軽くて飲みやすいのがアペロール・スプリッツの魅力ですが、氷が原因で味や爽快感が薄まってしまうと全てが台無しになってしまいます」
アペロール・スプリッツといえばオレンジのスライスがトッピングとして定番ですが、他のものを使うことはありますか?
スタンコヴィッチ氏:「確かに伝統的なガーニッシュはオレンジ・スライスですが、庭で採れる香りのよいハーブ、エディブルフラワー、シトラスピールなどを飾りつけるのも好きです」
スパークリングウォーターとセルツァーで違いはありますか? またプロセッコについてはどうでしょう?
スタンコヴィッチ氏:「最高のアペロール・スプリッツを作るには、このカクテルの爽快感を保てるセルツァーやソーダが必須です。また個人的にスパークリングウォーターはあまり好みではないので、種類は何でもいいのでプロセッコを使うことをお薦めします」
アペロールを別のカクテルに使うことはありますか?
スタンコヴィッチ氏:「クラシックなサワーなどのカクテルに使ったり、ベルモットとビターに合わせたりします。アペロールは何にでも合うので、いろんなカクテルに使えます」
アペロール・スプリッツに一番合う食べ物はなんでしょう?
スタンコヴィッチ氏:「バッファロー・モッツァレラや、ゴルゴンゾーラ、ブルーチーズ、羊乳のペコリーノといった濃厚なチーズ。それ以外にも塩漬け肉や、人参、ズッキーニ、ドライトマトなどの野菜を使ったおつまみとペアリングするのもいいですね」
スタンコビッチ氏の話を聞いて、アペロール・スプリッツを今すぐ作ってみたくなった方も多いのではないでしょうか。ですが、レシピを紹介する前にこのカクテルについて簡単にご説明します。アペロールの独特で爽やかな味わいと色味は、リンドウ、ルバーブ、キナの皮など様々な薬草や根茎を秘伝の配合で組み合わせることから作り出されています。イタリアの都市、パドヴァを拠点に活躍したルイジ&シルビオのバルビエリ兄弟が、7年間に及ぶ開発を経て1919年にアペロールを完成させました。
アペロール・スプリッツのカクテルは1950年代に生まれ、美味しい食前酒としてイタリアで人気を博し、その後世界に広まりました。このカクテルは、イタリアの食文化には欠かせないアペリティーボで、軽食と一緒に楽しむのにぴったりです。アルコール度数が11%と低いことも、低アル・ノンアルという昨今のトレンドにマッチしてといえるでしょう。
アペロール・スプリッツの作り方
- 大きめのワイングラスにたっぷりの氷を入れる。
- プロセッコを60mlを入れる。
- アペロールを40mlを入れる。
- クラブソーダやセルツァーなどの炭酸水を少々加える。
- 最後にオレンジ・スライスを飾る。
この記事はTravel & Leisureのパトリシア・ドハーティが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまで。