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9月5日に開催されたソラチエースの誕生日を祝う
「おうちオクトーバーフェスト」 の模様を現地リポート!!<後編>
ソラチエースが品種登録されたのは1984年9月5日。それを記念したオンラインイベント「おうちオクトーバーフェスト -ソラチエースバースデーVer 2021-」が9月5日に開催されました。「SORACHI 1984」が発売された2019年からはじまったソラチエースの生誕を祝うこのイベントも、今年で早3回目。新型コロナウイルスの影響から、昨年同様、オンラインで開催での開催となりましたが、今年は登壇者も増え、その内容が大きくパワーアップ!! その模様を前後編の2回に渡ってお伝えします。
後編となる今回は、第2部からエンディングまでをまとめています。
前編:https://blog.sapporobeer.jp/knowledge/14823/
■使い道はビールだけじゃない! 第2部は「ホップ」がテーマ
すでにご存じかもしれませんが、ホップは全世界あわせても年間約10万トンしか生産されず、その99%がビールに使われるという、ちょっと特殊な作物です。ほとんどがビールに、でも100%ではないところが、トークショー第2部のテーマ。ホップを使ってさまざまな取り組みにチャレンジするかたたちが登壇しました。
岩手県遠野市を舞台に日本産ホップの生産現場に寄り添う活動をされているBrewGoodの代表であり、ディレクターでもある田村さん。同じく岩手県遠野市でパドロンという作物やホップの栽培や販売、加工食品の販売を行っているBEER EXPERIENCEの取締役副社長高間さん。古くからある日本酒の製法を用い、お米とホップからスタウトの美味しさを再現した「おこめのスタウト」や、どぶろくの製法とビールのドライホップ製法をかけあわせて生み出したクリアなお酒「はなうたホップス」などを福島県南相馬市で生み出しているhaccobaの代表取締役社長佐藤さん。そしてハーブとしてのホップが持つ可能性に光を当て、ホップを使ったグミやチョコレート、シロップといった商品を開発/販売するINHOPの代表取締役社長金子さん。そうそうたるメンバーです。
なかでも話題になったのは、INHOPやBEER EXPERIENCEのホップを使った商品。1袋に缶ビール数本分のホップが用いられているINHOPのグミ「ホップイングミ」は、キリンビールの熟成技術を用いてホップの味を子どもにも味わえるようにしたお菓子です。また、キリンが契約栽培で生み出した日本産ホップ「IBUKI」を使って作ったBEER EXPERIENCEの「ホップシロップ」は蜂蜜代わりにヨーグルトやホットケーキにかけたり、あるいは炭酸水で割ったりして楽しむことができるそうです。また、ビールだけでなく、お酒が好きなら誰もが気になるのが、haccobaのホップを使った日本酒。しかし、残念なことに人気が高すぎてどれも売り切れとのこと。再販が待たれます。
BrewGoodの田村さんは、日本産ホップに注目が集まりつつある今の状況を喜びつつも、これを産業として見た場合には、従事者の高齢化などさまざまな問題があることを指摘しました。これは同社がビールの里構想を具現化しようと活動する岩手県遠野市だけでなく、日本の農業全体の問題でもあります。ただ、ホップ自体はグローバルな需要がある作物ですし、秘めた可能性は大きく、「未来につなげられないかと模索しつつ、生産者といっしょに盛り上げていきたい」と、田村さんはその抱負も語ってくれました。
お菓子などへの活用、日本酒の醸造をはじめとする多彩な日本の発酵技術や文化などとのマリアージュ等々、第2部は世界的な需要も含めてホップが持つ可能性について知見が深められる内容となりました。
【各社サイトはコチラ】
BrewGood:https://brewgood.jp/
BEER EXPERIENCE株式会社:https://www.beerexperience.jp/outline.html
INHOP株式会社:https://inhop.co.jp/
株式会社haccoba:https://haccoba.com/
■「カンパイ★ファンディング」とバースデーメッセージ
さてさて、「ソラチエースバースデーVer 2021」もいよいよ後半戦となってきました。ここで「SORACHI 1984」を使って北海道を元気にしたいという活動「ほっとけないどう」を紹介するビデオが流れました。
北海道で何かに挑戦したい人と、それを応援したい人。両者をつなぐのが、「カンパイ★ファンディング」です。これは「ほっとけない缶」と言われるドリンクの購入額の一部、それに「ほっとけないBAR」と呼ばれる提携店やプロジェクトが開催するイベントで飲んだドリンク代の一部がその活動支援金となる仕組み。実はここでいう「ほっとけない缶」こそが、まさに「SORACHI 1984」なのです。プロジェクトのページ( https://hottokenaido.com/ )を通じて「SORACHI 1984」を購入することが、北海道を舞台に頑張る人を応援することになるんですね。
ビデオのなかでは、今までこのプロジェクトが50人くらいのチャレンジャーを応援してきたことが語られます。継続する活動のなかで、プロジェクト自体が成長したり、変化したり、あるいはチャレンジャー同士につながりが生まれ、そこからコラボが誕生したりといった歴史がどんどん紡がれているとのこと。たとえば当時高校生だったチャレンジャーが、今や二十歳を過ぎ、「SORACHI 1984」が飲めるようになった、といったエピソードも紹介されます。
北海道で生まれ、世界で認知されて凱旋をはたしたソラチエースのように、ほっとけないどうの活動が世界へ向けてはばたけるよう、これからも活動は続いていくとのこと。「SORACHI 1984」がこんな活動のキーとして飲まれているなんて、ご存じでしたか?
さらに、「ソラチエース」が生まれ、栽培される上富良野町の斉藤町長やパリコレへの出品も果たしたTAAKKのデザイナー森川さん、クラリネットやサックスの奏者として知られる辻本さんからのソラチエースへ寄せられたバースデーメッセージもビデオで紹介されました。
■第3部は「おうちオクトーバーフェスト」
今回の「ソラチエースバースデーVer 2021-」につけられたメインタイトルは「おうちオクトーバーフェスト」。つまり、オンライン開催で家にいながらにしてオクトーバーフェストの雰囲気を楽しもうというのがその主旨です。オクトーバーフェストには欠かせないのが音楽。アルプス音楽団はその名の通り、モーツァルトやベートーベン、ブラームスといった偉大な音楽家たちのルーツであるアルプスの民族音楽を広く紹介していこうと結成された楽団で、管楽器やアコーディオンでオクトーバーフェストの定番音楽「トランペット・エコー」を皮切りに、楽しい演奏を次々と披露してくれました。
1曲目が終わったところで、ドイツ式の乾杯です。ドイツ語による「ジョッキを!」のコールを受けて、みんなは「hoch(高く)!!」とレスポンス。さらにドイツの乾杯の歌「Ein Prosit」のあとに「Oans, zwoa, drei, g’suffa!!(1、2、3、飲み干せ!)」「Prost!(乾杯!)」と唱和するのだそう。これは南ドイツの方言だそうで、最後に「SORACHI!(ソラーチ!)」と続けるのが、ソラチバースデー流。
その後も「バイエルン分列行進曲」「ヨーデル大好き」「Oberkrainer slivowitz」「雪のワルツ」「アルプホルン三重奏」「アヒルのダンス」「クフシュタインの歌」、そしてアンコールとして「ビヤ樽ポルカ」と全9曲もの楽しい演奏は続きました。
アルプス音楽団のビデオが終わったところで、時刻は19時3分30秒。ソラチエースが品種登録された1984年にちなんで、19時8分4秒に乾杯をするのもまた、ソラチエースバースデー恒例です。
■そして乾杯へ!!
上富良野町で生まれ、アメリカで火が着き世界で人気を博し、そして日本で生まれたのが「SORACHI 1984」。つまりソラチエースは帰国子女的なプロフィールを持ったホップです。そこで「ソラーチ!!」と“ラ”を強めて、語尾を上げて発音するのがここでの流儀とのこと。
ついにその時がやってきました。新井のカウントダウンが響き、会場では「ソラーチ!」と配信スタッフ一同が唱和。見事? 無事? 乾杯を終えるとともに、アルプス音楽団の「ハッピーバースデートゥーユー」がオーバーラップし、なかなか感動的な雰囲気のなかで「ソラチエースバースデーVer 2021-」はクライマックスを迎えたのです。
今年はたまたま9月5日が日曜日でしたが、来年が何曜日でもソラチエースバースデーを開催するとのこと。そして、「今日のイベントで終わりではなく、これをきっかけとしておもしろいことをこのメンバーからはじめていければ」と、ソラチエースや「SORACHI 1984」だけでなく、国産ホップを盛り上げていきたいという意気込みも語っています。
ビールをつくるかたがただけでなく、さまざまな活動を展開されるかたがたをつなぐソラチエースと「SORACHI 1984」。ここからさらに化学反応的なコラボが生まれ、より大きく多彩な動きへと発展していきそうな予感がビシバシと感じられるイベントになりました。
そしてやっぱり最後の最後は乾杯で閉会です。
「ソラーチ!!」
来年は新型コロナウイルスの影響も落ち着いていること、そして、上富良野町からこのバースデーイベントの模様をお届けできることを願いつつ、「ソラチエースバースデー Ver 2021」のレポートを終わります。
【イベントアーカイブはコチラ】
SORACHI1984ブランドサイト:https://bit.ly/3tJOVGU
文=稲垣宗彦 写真=志田彩香