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コロナに打ち勝つ「トラック・バー」がアメリカで大人気!

「ローリング・ゴールド」と名付けられた、バー「ザ・ラスト&ゴールド」のビールトラック

クレジット:Amanda Villarosa

コロナ禍によって閉店を余儀なくされた飲食店の数は少なくありませんが、起業家精神に溢れたオーナーたちは路上に繰り出して新たなビジネスを始めています。

ニューヨーク州ハンティントンにあるバー「ザ・ラスト&ゴールド」が手がけたビールトラック「ローリング・ゴールド」

2020年3月、新型コロナウイルスが原因で、ロングアイランドにあるバー「ザ・ラスト&ゴールド」を休業することとなったフランク・アントネッティ氏は、1967年製シボレーの配送トラックにビールの樽生サーバーを取り付け、ニューヨーク州ハンティントンの街で地元産のクラフトビールと缶カクテルを売り始めました。このアイデアが大当たりだったことはすぐに実感したそうです。

「ビールトラックが近づいてくると、アイスクリームのトラックを見て興奮する子どもたちと全く同じ反応を、大人たちが見せたのがとても面白かったです」とアントネッティ氏。「誰もが目を輝かせました。その場に立ち尽くして『ビールのデリバリーか……』とつぶやく人もいました。それを見て、自分たちは何か特別なことを始めたんだなと思いました」

移動販売を始めたのはアントネッティ氏だけではありません。新型コロナの世界的な大流行により商売のやり方を大きく変えざるを得なかったオーナーはたくさんいます。今回はアメリカで増えているお酒の移動販売をご紹介しましょう。

ローリング・ゴールド

アントネッティ氏のビンテージトラックは、マンハッタンからロングアイランド東端のモントークまでニューヨーク中を縦横無尽に走り回り、ロングアイランド産のビールや、「ウッドフォードリザーブ」のバーボンで作ったオールド・ファッションドなどのカクテルを販売しています。ニューヨーク州の酒類規制が改正され、酒類のみではなく、フードも提供することが義務付けられたため、美味しいハンバーガー、薄切りステーキのサンドイッチ、ボリューム満点のバッファローウィングなど、質の高いパブ料理も一緒に楽しむことができます。

ブーズ・ポップス

「コロナの始まりと共に売上が60%増加しました」と語るのは、退役軍人のウッディー・ノリス氏。サウスカロライナ州チャールストン周辺で、お酒を凍らせた「ブーズ・ポップス」の移動販売を展開しています。「コロナで大変な世の中ですが、皆さんにひと時の幸せを提供したいと思っています」。ストロベリーミモサ風味や、ザクロのサングリア風味など、アルコール度数の低いワイン・ポップス(ワインのアイスキャンディー)のほか、甘い紅茶、新鮮なピーチ、高級バーボンなどのフレーバーを加えたアイスクリーム「サザン・ベル」のように、15度とアルコール度数がちょっと高めの商品も取り揃えています。

ボヴァイン&バーレイ

2020年3月に、ヒューストンに展開する4店舗のレストランのうち半分に当たる2店舗の廃業を余儀なくされたルイス・ヴィレガス氏は、トラック4台を購入し、フローズン・ドリンクとクラシック・カクテルの移動販売を始めました。「スタッフ全員の雇用を維持するための苦肉の策でしたが、おかげで誰一人解雇せずに済みました」とヴィレガス氏。大人のアイスクリーム・トラック「ボヴァイン& バーレイ」は、ヒューストン全域で展開するまでに拡大し、スモーキーなメスカルをベースにしたマルガリータや、クリーミーなピニャコラーダのほか、テキーラ、炭酸水、ライム、タヒン(シーズニングソルト)で作ったテキサス風メキシカン・カクテル、ランチウォーターなどのオリジナルカクテルも販売しています。

サラズ・マーケット・オン・ザ・ゴー

アメリカ西部イースト・ロサンゼルスのグルメ生鮮食品店「サラズ・マーケット」は、カリフォルニア州で最初に移動販売を開始した店舗のひとつです。地元産のビール、西海岸産のワインに加え、少量生産の高級サルサやチョリソなども販売しています。「コロナの打撃を受けているビジネスオーナーたちと手を組み、お互いに助け合いたいと考えたのです」と語るのはオーナーのサラ・ヴェルデス氏。夫のスティーブン氏とトラックを運転して商品の配送を行っています。ヴェルデス夫妻の努力により、「ハイランドパーク・ブルワリーIPA」や「フォッシル&フォン」のロゼワインが自宅に居ながら手に入るようになりました。

この記事は最初に「Travel + Leisure」誌 の2020年10月号に「Let the Good Times Roll」として掲載されました。

この記事はTravel & Leisureのデイビッド・ラフタが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまで。

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