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伝説のホップ「ソラチエース」誕生祭2020 オンラインで開催!(前編)

【伝説のホップの魔力】

昨年発売され、今年4月に早速リニューアルした「サッポロ SORACHI1984」。サッポロビールが35年以上前に開発し、のちに伝説のホップと呼ばれることとなる「ソラチエース」だけを使用したビールである。この商品の主役である「ソラチエース」は、日本生まれのホップでありながら世界的な知名度を誇る。世界の醸造家の垂涎の的となったことで、「ソラチエース」を使用したビールは、「SORACHI1984」以外にも世界中に数多く存在する。その中でも有名なビールが、「ブルックリン ソラチエース」と「常陸野ネストビール NIPPONIA(ニッポニア)」である。2020年9月5日、これらの「ソラチエース」をつかったビールを発売している3社が一堂に会するイベントが行われた。ブルックリン・ブルワリーはキリンビール社のグループ会社である、「ブルックリンブルワリー・ジャパン株式会社」が販売をしている。つまり、サッポロビールとキリンビールというライバル2社がそろい踏みである。さらに、茨城県の有名クラフトブルワリー「木内酒造合資会社」も参加という、コロナ禍を踏まえたオンラインでのイベントとは言え、これまでにない歴史的なイベントであった。

今回は、その舞台背景や、イベント開催に至った経緯、そして当日の様子などを、実際に企画・立案、そして登壇者でもあった、SORACHI1984 ブリューイングデザイナーの新井の目線で、2回に分けてお届けする。

サッポロビール社ニュースリリース:

https://www.sapporobeer.jp/news_release/0000012111/

キリンビール社ニュースリリース:https://www.kirin.co.jp/company/news/2020/0828_01.html#_ga=2.177419877.1331924334.1599606777-2092182675.1561876152

木内酒造合資会社ニュースリリース:

https://kodawari.cc/news/20200828.html

新井写真.jpg

SORACHI1984 ブリューイングデザイナーの新井健司

【①】偶然の始まりから、大成功の2019年

2019年。伝説のホップ「ソラチエース」を使用した2つのビールが全国発売を開始した。1つは、サッポロビールの「SORACHI1984」。そして、もう一つは「ブルックリン ソラチエース」。しかし、伝説のホップ「ソラチエース」の日本での認知度はほぼない状況であった。各社、商品を認知してもらうには、「ソラチエース」自体をメジャーにするしかない、そう考えていたところ、ある懇親会でブルックリンブルワリー・ジャパンのブランドアンバサダーと、SORACHI1984のブリューイングデザイナーが出会ったことから物語は進み始めた。

互いのビールを飲みながら話をしていると、「ソラチエース」を広めたい、そして、それを通じて、「日本のビールをもう一度盛り上げたい」という共通の想いがあることが分かった。同じ課題を持ち、同じ想いを持つ。そうであれば、「一緒に盛り上げよう!」 。その場で意気投合したが、その時はすでに7月…。イベントを開催するのであれば、「ソラチエース」が誕生した9月5日に間に合わせないと意味がない…その想いの中、各社の社内での確認を開始し、両社とも自社の社長にも報告したところ、「ソラチエースを通じてビールを盛り上げるという共通の目的で取組むのはいいね!」、となり、イベント開催が決定!この時、9月5日までは残り1か月であった…。

イベントのビジュアルや、広告素材などを急ぎ仕上げながら、ライバル企業2社が組むという禁断のコラボを世の中ゴト化するために、記者会見を開くことになった。登壇者は、この企画のきっかけとなった、ブルックリンブルワリー・ジャパンのブランドアンバサダーと、SORACHI1984のブリューイングデザイナーの2名。社長やマーケティング部長などではなく、当事者2名がイベントのことや「ソラチエース」のことを話すという、新しいスタイルの会見であった。記者会見実現に向けては、2社の広報が連携し、様々なメディアの方に声をかけ、当日は、50名を超える記者の方が集まった。また、2社のビールを扱う店舗をつないだ「ソラチクロールキャンペーン」も開催。多くの消費者の方にもご参加いただき、まさに、2つのビールが偶然にも同じ年に全国販売となったからこそ実現できた奇跡的なイベントであった。

昨年のリリース:https://www.sapporobeer.jp/news_release/0000011375/

※昨年のイベントの様子

ソラチ誕生祭イベント3_JPG.JPG20190905ソラチ誕生祭イベント_JPG.JPGソラチ誕生祭イベント2_JPG.JPG

【②】苦難の2020年…

2019年のイベント後、今後も続くイベントにしていこうという話をし、せっかくなら、毎年、前年を超えるイベントにしようという想いから、キリンビール社とも年始から打ち合わせ始めようかと考えていた矢先…コロナ禍となった。当初は、2019年と同様のリアルイベントの可能性も模索していたが、状況に改善傾向がみられない中、リアルイベントの開催は適切ではないと判断し、オンラインでのイベント開催に舵を切った。サッポロビール社としては、「ソラチエース」が生まれた土地である、北海道空知郡上富良野町で、上富良野町の皆様もまじえたイベントにすることも検討していたが、それはかなわぬ夢となった…。

ただ、この状況の中でも簡単にはあきらめないのが「ソラチエース」らしいところ。リアルでできないのであれば、オンラインでイベントをする。そして、オンラインになるのであれば、オンラインだからこそできることを皆さんにお届けしよう、と考えた。そこでひらめいたのが、「19時8分4秒で、全国・全世界で見ているみんなと乾杯する」、ということと、「上富良野とリモートでつなぐ」、という2つのコンテンツ。リアルイベントでは一部の人しか参加できないが、オンラインならば、全国・全世界の人が参加できることを利用して、「みんなで乾杯しよう」という試みも可能である。そして、普段は呼べないような人でも、リモートでつなげば参加いただけることを利用した、上富良野とのクロストークもできる。どちらも、オンラインならではの取り組みであった。

さらに、家にいながらにしてビールの楽しさを感じていただけるコンテンツとして、オクトーバーフェストソングの演奏に定評があるアルプス音楽団さんにも協力を依頼。軒並みビアフェスが中止となる中でも、ご自宅で楽しくお酒を飲みながら乾杯できる、そんな時間を「SORACHI1984」で提供すべく企画を練り上げた。そして、まずはビールを通じて楽しい気分になっていただきたいという想いから、イベント名は「おうちオクトーバーフェストLIVE!-ソラチエースバースデーVer.2020」としました。おうちオクトーバーフェストLIVEを主役にしたのは、何よりも、見ている人に楽しんでもらいたかったから。そして、最後に「2020」とつけたのは、来年以降への想いを込めたものであった。

空知側画面.png

イベント中の上富良野メンバー(サッポロビール株式会社 原料開発研究所 北海道源流研究センター)の様子 (左から:上本氏、鯉江センター長、糸賀氏)

アルプス音楽団.jpg

イベント中のアルプス音楽団の皆様

【③】苦難を乗り越えた大きな武器:ソラチエースのつながりの力

オンラインイベントでの開催になるとしても、昨年を超えるイベントにしたい。そう考えたときにひらめいたのが、「ソラチエース」の輪を広げること。ただ、広げると言っても、どのようにしたらよいのか…時代も変わり、多くのブルワリーで「ソラチエース」は当たり前のように使用されている。キリンビール社とも相談しながら、いろいろ悩み…そして思い浮かんだのが、木内酒造合資会社さんとのコラボであった。2010年に、「NIPPONIA」を発売されており、この「NIPPONIA」こそが、「ソラチエース」を使った日本で初めての通年型のビールであった。つまり、2社よりも10年くらい前から「ソラチエース」を日本で広めていただいたブルワリーである。「ソラチエース」が日本で知られていなかった時期から、ずっと「ソラチエース」を使った商品を販売していただいているということに敬意も表したいとの思いからお声がけしたところ、二つ返事でご快諾いただくことができた。

こうして、大手ビールメーカー2社とクラフトブルワリーという、これまでありそうでなかった3社による合同トークショーの開催が決定したのである。醸造家レベルでいろいろ話すことはあるとしても、このように合同でイベントをする機会は非常に少ないため、とても貴重な会でもあり、参加いただいた皆様の言葉を借りると、「歴史的なイベント」になった。

と言ったところで、本日はここまで。後編では、実際のイベントの様子をお届けします!お楽しみに!

イベントのトークショーの登壇者.jpg

イベントのトークショーの登壇者

(左から、ブルックリンブルワリー・ジャパン株式会社 代表取締役社長 山田精二氏、サッポロビール株式会社 SORACHI1984 ブリューイングデザイナー 新井健司(筆者)、木内酒造合資会社 ビール醸造部 醸造課 課長 谷幸治氏)

☆アーカイブも是非ご覧ください!:

文責:サッポロビール株式会社 SORACHI1984 ブリューイングデザイナー 新井健司

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