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クラフトビール、サイダー、スピリッツの次はズバリ蜂蜜酒。ニューヨーク州の革新的な取り組みとは

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アメリカで大ブームとなっているクラフトビール、サイダー、蒸留酒。このブームはもちろんここに名前が並ぶお酒の人気が高まったことによるところが大きいのですが(どんなに頑張っても誰も欲しくない商品の販売を伸ばすことはできません)、フロリダ州が64オンス(約1.9リットル)の大きなボトルを合法化したり、議会が連邦消費税の減税に合意したりと、州や国レベルで法律が改正されことも要因の一つにあげられています。

その法改正の火付け役となったのがニューヨーク州です。クラフトビールをはじめとするクラフト飲料ビジネスを起業しやすくしたことで、2012年から人気上昇に貢献してきました。ニューヨーク州は1970年代に施行された「ファームワイナリー法」に想を得て、新事業者が州内で収穫された農産品を決められた割合以上使うことを条件に、蒸留所や、ビール・サイダーの醸造所の営業許可に関わる手続きを簡略化したのです。そしてこの規制緩和の効果はすぐに結果となって現れました。州知事室によると、2012年よりクラフト飲料製造者の数は174%増加し、合計で232の新規参入者が誕生したといいます。

現在、アンドリュー・クオモ州知事はこの新しい法律の適用範囲を、今ではあまり飲まれていない伝統的な蜂蜜酒「ミード」にまで拡大しようとしています。そして先日、ミードの醸造所「ミーダリー」の開業申し込みの受付を開始したのです。これは法改正によって合法化された新しい酒類製造免許です。

「ニューヨーク州は、アメリカ北東部の蜂蜜生産量ナンバーワンの実績を活かし、この新しい酒類製造免許を発行することで、全米一のクラフト飲料業界をさらに成長させていきます」とクオモ州知事は法改正の際に発表しています。

「Food & Wine」誌が2019年3月の特集で指摘したように、ミードは誤解されがちな飲み物です。しかし、ニューヨーク州が「世界で最も古い醸造酒」と呼ぶミードほど、シンプルなドリンクはほかにありません。通常、ワインはぶどう、ビールはモルトというように糖分を発酵させてアルコールを作りますが、ミードの場合は蜂蜜の糖分を使います。ですからミードの端的な説明としては「蜂蜜水を発酵させて作った飲み物」が的確な表現といえるでしょう。“蜂蜜から作った”と聞くと甘そうな感じがしますが、ワインを甘口にも辛口にもできるように、ミードも発酵を進めれば辛口になります。有名なカリフォルニアワインの産地ソノマのビー・デゥヴァンが作る辛口ミードがこの好例です。

また、ニューヨーク州の酒類製造免許があれば、蜂蜜とモルトをベースにホップ、フルーツ、スパイス、ハーブなどの農産品を加えて作る、ミードよりもより複雑でビールに似た飲み物として知られる「ブラゴット」を製造できます。この改正された法律によると、ニューヨーク州のラベルがついたミードとブラゴットを“州内で生産された蜂蜜だけを使ったクラフト飲料”と定義し、さらにミード醸造所では敷地内で試飲ができるだけでなく、醸造所または試飲ルームでは自社商品をグラスやボトルで販売できる、とのことです。さらには、ニューヨーク州の特定事業者が作ったワイン、ビール、サイダー、醸造酒なども販売することができる、としています。また、他のクラフト飲料ライセンスと同様に、ミーダリーも独自に流通販売するだけでなく既存の卸売業者を通じて商品の販売とマーケティングを行うことができます。さらに試飲ルームを備えた店舗をニューヨーク州内に5店舗まで追加のライセンス費用なしに出店することができる、とも規定されています。

「ミードはクラフト飲料業界の中でも最も急速に成長している分野です。この新しい酒類製造免許はクラフト飲料ブームを追い風に、ニューヨーク州で生産された蜂蜜に対する需要の増加も牽引していくことでしょう」とニューヨーク州酒類管理局長のヴィンセント・ブラッドリー氏は言っています。これまでのクラフト飲料関連の規制緩和がもたらした結果が示唆しているように、ニューヨーク州産のミードも今後数年でかつてない成長を遂げると期待されています。

この記事はFood & Wineのマイク・ポムランツによって書かれたもので、NewsCredパブリッシャーネットワークによってライセンスされています。ライセンスに関する質問については、legal@newscred.com.までお問い合わせください。

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