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赤星★捜査ファイル#41
恵比寿二人三脚で40年。おしどり夫婦の長崎中華「どんく」
あのお店はなぜ時代を超えて愛されるの? お客さんがみんな笑顔で出てくるのはどうして? 赤星探偵団の5代目団長・宇賀なつみさんが、名店の暖簾をくぐり、左党たちを惹きつけてやまない「秘密」を探ります――。 (※撮影時以外はマスクを着用の上、感染症対策を実施しております)
■長崎出身の夫妻が切り盛りする老舗
宇賀なつみ団長にとって、恵比寿は少しノスタルジックな気分になる街だ。局アナ時代、テレビ朝日では会社へのアクセスのよい恵比寿界隈に住む同僚も多く、仕事帰りの一杯に恵比寿へ繰り出すことが多かった。
渋谷はハイティーンから大学時代の思い出の街、恵比寿は若き社会人時代を駆け抜けた思い出の街、といったイメージだ。そんな宇賀団長もついぞ知らずに過ごしてしまった老舗がある。長崎料理と中華料理の店「どんく」だ。恵比寿駅からすぐの路地に店を構えて40年を迎えるという。
意気揚々と暖簾をくぐり、遅いランチ客で賑わう店の一角に腰を落ち着けた団長。やおらメニューを繰り、まず頼むのはもちろんサッポロラガービール、通称“赤星”だ。
宇賀: 昨日はお酒を抜いて、バッチリ整えてきましたよ。あ、そういえばお風呂上がりに1本だけ飲んだわ、ふふふ。ともかく、もう喉はカラカラですよ。
迫力の大瓶を傾け、コプコプコプ……。
――いただきまーす!
宇賀:(ぐいっと飲んで、3秒息を止めて)ふーっ。おいしいっ! まだ明るいから2倍おいしいっっ! さ、注文の作戦を練りましょう。
長崎の方言でカエルを意味するという「どんく」は、長崎料理と中国料理を二大看板にする店だ。長崎ちゃんぽんや皿うどんをはじめ、伝統的なかまぼこを揚げたすり身、雲仙豚バラ肉の塩焼きなど、長崎県人も太鼓判を押す長崎のソウルフードが揃っている。
一方、中国料理は、焼き餃子やチャーハン、天津丼などの町中華的なメニューから、四川風回鍋肉や乾焼蝦仁と、なかなか読めない本格的なものまで(乾焼蝦仁はエビチリのこと)、気分に合わせてよりどりみどりだ。
宇賀: えーと、最後は皿うどんで〆るとして、途中に一旦これを挟むでしょ、よし、まずは青物から行きましょう。すみませーん、注文お願いします!
■大人気!ペロリといける絶品チキンカツ
赤星のお供として先陣を切ったのは空芯菜炒め。中華ならではの極強火で一気呵成に炒めたシンプルな一品だ。
宇賀: (シャクシャクシャク……)すんごいシャキシャキでおいしい! ビールにピッタリの鉄板おつまみです。空芯菜の炒め物って、中華のド定番だけど、もう、大好き。よし食べるぞ!ってやる気を出させてくれる味ですよね。
ご機嫌でシャクシャク、ゴクゴクやっていると、熱々の揚げ物がやってきた。同店の名物であるチキンカツだ。長崎料理にも中国料理にも当てはまらないと思われる、予想外の人気者のお出ましである。
こちらは“赤星探偵団”の記事です。