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待望の「Population: One」を先取りレビュー。話題のVR版バトロワゲームの実力とは

VR版バトルロイヤルシューターの新境地を開拓した、BigBox VR社の「Population: One」を、一体型VRヘッドセット「Oculus Quest 2」を使ってテストプレイしてみました。

面白い内容のゲームでしたが、私はVR酔いになってしまったので、体調が心配な方には必ずしもお薦めではありません。VRゲームにはリスクがつきもので、2人に1人はプレイ中にVR酔いになるといわれています。VR特有の不快感を最小限に抑えようと開発会社も苦心していますが、できることは限られているのも事実です。

Population: Oneでは、18人のプレイヤーが時間の経過とともに縮小していく地図の中でバトルを繰り広げます。プレイヤーは3人1組のチーム構成で、最後の1チームになるまで戦います。これはVR版バトルロイヤルゲームですが、「Fortnite」「PUBG」「Call of Duty: Warzone」などとも共通点が多くあります。そしてこのゲームが‘画期的”とされる理由は、垂直展開する立体的なバトルができる点にあります。 

2020年10月22日発売されたPopulation: Oneの価格は30ドル(約3100円)、Oculus Quest、Quest 2、Oculus Rift、HTC Vive、Windows MR、Valve Index対応です。(開発者とのインタビューはこちらから)

VR慣れが肝心

ゲームの場数をこなせば果たしてVR酔いを克服できるのか?その答えは現時点でははっきりとしません。20年ほど前にXboxで「Halo」をプレイした時は克服できたし、今でもシューターゲームであれば何も問題はありません。しかしPopulation: Oneでは、敵から逃げるためにビルから飛び降り、高速で降下しなくてはならないことがよくあります。私にとっては、これがVR酔いになる原因の一つです。

CEOのチア・チン・リー氏は「GamesBeat」とのインタビューで、激しい動きが多いゲームが苦手な人のために、開発チームは設計に気を配ったと答えていましたが、やはりそこには何らかの妥協があったのではないかと思います。走ったり歩いたりするのではなく、マップ上をテレポートで移動できたら、VR酔いの問題は起こらなかったでしょう。しかし、それでは敵に狙いをつけて命中させることがほぼ不可能になるので、ハードコアなゲーマーは物足りないと感じるだろうとリー氏は説明します。ある地点から次の地点に魔法のように移動する相手よりも、目の前を走っている敵を倒す方が簡単なのはいうまでもありません。

とはいえ、開発チームは3段階の設定モードを用意することでVR酔いを抑え、ある程度快適なゲームプレイができるように工夫しています。例えば、ビルから飛び降りたり、落下している間に具合が悪くなる人が多いことが分かっています。その場合、この設定を使って視界を狭めると、落下している間に高速で流れていく身の回りの景色があまり目に入らなくなります。もちろん、ビルから飛び降りて、降下中に敵を撃つ場合には、広い視界が必要です。

ゲーム攻略の近道はまずは操作方法に慣れること

The lobby for Population: One.

上:「Population: One」のロビー

クレジット:BigBox VR

私は、プレス向けの特別バトルでディベロッパーと対戦しました。その内の一人がまず最初にプレイ法を説明してくれましたが、基本的なことは短いチュートリアルで学ぶことができます。他のVRシューターゲームと同じくジェスチャー操作なので、プレイヤーはゲーム内の動作を実際に行う必要があります。例えば、銃に弾薬を装填するには、ハンドコントローラーを手で持ってマガジンを銃に装填、スライドをリリースしてチャンバーに弾を装弾し、撃つ時には右トリガーを引きます。

この全てをこなすには時間がかかります。VRゲームでは、コンソールゲームで使うコントローラーやマウス、キーボードと同程度の速さで銃を撃ったり装填したりすることはできません。そしてこの遅さが命取りになることもあります。しかし良い点は、全てのプレイヤーが等しくこのハンデを負っているということです。動作を素早くできるよう訓練すれば、敵に対するハンデはなくなるというわけです。

除細動器を使ってチームメイトを助けたり、バナナを剥いて食べる時も(バナナの皮は4回剥かなくてはなりません)同様にジェスチャーで行う決まりです。缶に入ったドリンクの場合は、フタを開けて缶を自分の顔に近づければ飲むことができます。また「Fortnite」と同じく、敵に撃たれるのを防ぐバリアを作り出すこともできます。この金属製のバリアは、建物の間に張って障害物を乗り越えるサポートにしたり、垂直に積み上げてフェンスを作ることで敵の銃撃を防いだりと、色々な用途に使えます。

こういったアクションが素早くできるよう操作に慣れておくことが不可欠です。例えばVR空間でスナイパーライフルを使う時には、2つの円と中心の赤い点を重ねて狙いを定めます。外側の円、内側の円、赤い点が完璧に揃った時に撃つと標的に命中するのです。2Dのゲームでは、撃つという行為だけでこれほどの手間をかける必要はありませんでした。

垂直展開するバトルシーン

Population: One is a vertical combat battle royale game in VR.

上:立体的なバトル展開を特徴とする

クレジット:BigBox VR

他のゲームと比較してPopulation: Oneを際立たせている特徴の一つが垂直バトルです。どんな壁や構造物でも、そこに行って手を伸ばし、トリガーを押しながら手を交互に動かして登るジェスチャーをすれば、垂直に素早く移動することができます。

建物の屋上に着いたら、見晴らしの良さを利用して眼下にいる敵を撃ったり、地平線上に敵がいないかチェックしたり、さらには飛び降りて滑空移動することもできます。また一歩でも踏み外した瞬間、地上に向かって墜落します。私もやってみましたが、これで気持ち悪くなる人もいるでしょう。しかし、コントローラーを持ったまま腕を大きく広げれば、まるでジャンプスーツを着ているみたいに(実際には着ていませんが)滑空することができます。隣の建物に飛び移ったり、敵の頭上に飛び降りて意表を突くこともできます。

プレイしてみると、こうした戦略を実際の戦闘に活かす様々なやり方があることが分かって驚きました。例えば、マップにドロップされた宝箱に向かって走っているチームがいました。宝箱にはレベルの高い銃が入っていたので取りに行く価値があったのです。しかし、その上空で宝箱を監視している敵がいました。宝箱に前述のチームが近づいてくると、敵が急降下爆撃機のように降りてきて乱射し始めました。敵は相手を倒すことはできませんでしたが、観ていてとても面白かったです。

戦いの終盤、戦場がかなり狭まってきた時に私のチームメイトも敵に向かって飛び降り、攻撃を試みました。(降下途中でスナイパーに撃ち落とされてしまいましたが。 )

自身でプレイするだけでなく、人のプレイを観て楽しむことができる

You can climb on any surface in Population: One.

上:どんな建物でも登ることができます

クレジット:BigBox VR

ほとんどの戦いは8分ほどで終了しますが、これはVR酔いの予防に効果的です。従来のVRゲームより短時間の設定になっているのは、少しでも快適にゲームをできるようにとの配慮からです。1キロ四方のバトルフィールドの上空にあるプラットフォームがゲームのスタート地点です。そこから飛び降りると、地上にいるチームメイトが安全に着地できるスポットを教えてくれます。

地面に向かって急降下し着地したら、他のバトルロイヤルゲームと同じく、早速目につくものを奪い取ったり、回収したりします。HP、弾薬、武器など、役に立つものをなるべく多くゲットするのです。私は遮るものが何もないフィールド上で“バナナの皮を剥く”など無駄な時間を使ってしまう悪い癖がありましたが、そんなことではあっという間に殺されてしまいます。

しかし、コツをつかんでからはスピーディーに動けるようになりました。最初の戦いで私は強力なライフルを手に入れ、敵を倒すことができました。これはとても嬉しかったです。その後、敵が私を攻撃してきたので、逃げ回って身を隠し、しばらくは生き延びましたが、最終的には敵が私のチーム全体を襲ってきて全滅させられてしまいました。

その後は他のプレイヤーのプレイをじっくり観ることができました。これもまた楽しい経験です。ファーストパーソンモードでプレイしている他のプレイヤーの視点から観戦できるゲームはよくありますが、Population: Oneでは上空からバトルフィールドを俯瞰することができるので、他のプレイヤーの戦略から、より上手にプレイするにはどうすれば良いかを学ぶことができるのです。これはゲームの攻略法をより速く学べる賢い方法です。他のチームが真正面から攻撃してきたらどうすれば良かったのかも分かりました。お気づきかもしれませんが、大抵は垂直の戦いに持ち込むのが正解です。

グラフィックのクオリティ

The matches are pretty quick in Population: One.

上:戦闘時間は1バトルあたり8分と短い

クレジット:BigBox VR

Oculus Quest 2のビジュアルは、「Warzone」などのゲームと比較すると少し見劣りするかもしれません。その理由は、このゲームがOculus Quest、Quest 2、Oculus Rift、HTC Vive、Windows MR、Valve Indexなど多様なプラットフォームでプレイできるように作られているからです。十分な数のオーディエンスを確保するため、BigBox VRはできるだけ多くのプラットフォームでプレイできるように開発しなければならなかったのです。

しかしこれは同時に、グラフィックのクオリティを犠牲にしたということでもあります。このゲームは超現実的なグラフィックが売りのはずでしたが、実際にはそうではありません。とはいえ全く気になりませんでした。私はグラフィックを鑑賞したいのではなく、他のプレイヤーと銃撃戦がしたくて、このゲームをプレイしているのです。グラフィックのクオリティはそこそこでも、自分のしたいことができたし、世界観に没入するには十分のレベルでした。

ここで挙げたように、Population: Oneの開発にはいくつかの妥協点も見受けられましたが、全体としては心底楽しめるクオリティを達成していると思います。妥協点に目をつぶってスキルを磨くことができる人は、このゲームの立体的な垂直バトルを満喫できると思います。私自身もこのゲームをやり込んでVR酔いを克服できるか試してみたいと思います。そうする価値はあると思います。

この記事はVentureBeatのディーン・タカハシが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまで。

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