2019年のCES （電子機器の見本市）でのデビューから 約1 年半、Nreal（エンリアル）が開発したAR グラスのコンシューマー向けモデルがついに韓国で発売されました。新たなハードウェア機能が追加され、これまで以上に幅広いアプリとの互換性を誇る「Nreal Light」は、韓国のテクノロジー大手、 LG と サムスンがラインナップするスマートフォンの上位機種とセットで販売されています。

重さ約88グラムのこのスマートグラス、見た目は折りたたみ式のサングラスのようですが、視野角52度、解像度1920×1080pxの立体視ディスプレイが搭載されています。これは現実世界に溶け込んだ100インチのスクリーンに匹敵するサイズです。内蔵カメラが手や目の動きをトラックし、Qualcomm Snapdragon 845またはそれ以降のプロセッサーを搭載したアンドロイドスマホにUSB Type-C経由で接続することで、ARアプリを楽しむことができます。またAR向けに設計されていますが、VRカバーと呼ばれる付属の新しいレンズシェードを装着すると、没入型の仮想現実アプリにも対応できます。

単品で購入する場合の価格は69万9000ウォン（約6万3000円）ですが、LG Uplusセルラーネットワークのユーザーなら、Samsung Galaxy Note20またはLG Velvetのスマートフォンと5Gデータプランを付属すれば、34万9000ウォン（約3万1000円）で購入することができます。LG Uplusの小売店やサムスン系列のSゾーンの店舗など、韓国全土120店舗で購入可能となっています。

8月のローンチ時点ですでに、TikTok（ティックトック）、フェイスブック、インスタグラム、クローム、Kakao Talk（カカオ・トーク）およびLG Uplus の U+AR や U+VR アプリを含む“数百種類にもおよぶ主要アプリ”と互換性があるということです。さらにはホログラムを使った会議アプリ「Spatial」、ゲームアプリ「Nreal Tower」 、TV アプリ、サードパーティ製のベータ版アプリコレクション「Nreal Studio」など、今後もNrealや提携企業からアプリが続々追加される予定です。今年始めのCES で、ベータ版が公開された時から注目を集めていた3D Nebula アプリランチャーは、ユーザーインターフェイスが大幅にアップデートされ、ますます直感的に操作できるようになっています。

Above: The new Nebula interface.　新しいNebulaインターフェース。

Image Credit: Nreal

前述の VRカバーのほかにも、コンシューマー向けの Light キットには近視補正用レンズフレームや 4 つのマグネットを搭載したノーズパッド（鼻あて）などのアクセサリーも用意されています。使用可能時間については、スマートフォンのバッテリーを使って動作するためデバイスによって異なりますが、 2 時間ほど連続で使用できるということです。また使用時間が大幅に向上するという訳ではありませんが、バッテリーが2.5時間持続する Microsoft社製HoloLens 2とも互換性はあります。

コンシューマー向け Lightは、もともと2020年初頭にリリースされる予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大のため半年ほど延期になりました。アメリカでは、通信キャリアとのセット割引なしで499ドル（約5万3000円）で販売される予定です。またSnapdragon（スナップドラゴン）やセンサー系ハードウェアなど必要な機器・機能をすべて搭載した大型のエンタープライズモデルも年内に販売が計画されています。価格は1200ドル以上になる見込み。今後は、韓国以外の国でもコンシューマー向けのLightを販売開始する予定ということです。

この記事はVentureBeatのジェレミー・ホロビッツが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまで。