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“北の大地のホーム感”が示す、音楽活動の可能性。 街でヨリミチ in 札幌vol.4 ― Galileo Galilei

観光地として不動の人気を誇る街、札幌。新鮮な海の幸を堪能できたり、「札幌市時計台」をはじめとした赤レンガ調の歴史を感じられるスポットがあったり、旅行先として魅力的な街としてのイメージが強い。しかし、サッポロビールと共に歩んできた“開拓の歴史”があるこの街の魅力を、私たちはまだ全て知らない。そんなメインストリームから1本曲がって“寄り道”をして、1歩踏み込んで“より未知”な魅力を発見したい。本企画では様々なジャンルで、札幌に貢献する人物にお話を伺い、“ヨリミチ”な魅力を語ってもらう。

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左から、サッポロビール 杉浦若奈、岡崎真輝さん、尾崎雄貴さん、岩井郁人さん、尾崎和樹さん

連載4回目は、4人組ロックバンド「Galileo Galilei」さんにインタビューを実施。メンバー全員が北海道出身で、現在は札幌を拠点に活動している4人。CHEER UP!のメディア担当でもある杉浦若奈が、たくさんの思い出が詰まった場所、札幌について“ヨリミチ”な魅力についてお伺いした。

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「閃光ライオット」初代グランプリ・10代でメジャーデビュー。

札幌をホームに活躍する4人の軌跡

杉浦:メンバー全員が北海道出身で、現在は札幌を拠点に活動されている皆さんですが、まずバンドを結成した経緯を教えてください。

雄貴:僕と和樹は兄弟なんですけど、まずふたりで楽器を触り始めたのが、Galileo Galileiとしてのスタートだったように思います。父親が昔バンドをやっていて、家に父親が録音したオリジナル曲のカセットテープやギターがあったんです。それがきっかけで「バンドをやりたいな」と思い、小学6年生の頃に僕がギターを、和樹がドラムを始めるようになりました。

そこからGalileo Galileiを組んで、10代限定の音楽フェス「閃光ライオット」という大会に出場したあたりから活動が本格的になっていきましたね。今ギターを担当してくれている岩井くんに出会ったのもそのフェスだったんです。当時は稚内で楽曲制作をしていたんですけど、岩井くんはわざわざ札幌から練習に来てくれましたね。

岩井:僕だけ高校を卒業していて自由に動けたので、毎週金曜日は深夜便に乗って稚内まで6時間かけて雄貴の家に通っていました(笑)。土日はみっちり練習して、月曜の朝に恵庭に戻る生活でしたね。

その後すぐGalileo Galileiはメジャーデビューすることになり、東京に拠点を移したんですが、1年くらいで札幌に戻ることになりました。

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杉浦:札幌に戻った理由は何だったのでしょうか?

雄貴:東京での生活は、何故かしっくりこなかったんですよね。北海道とのギャップというか。満員電車での移動や、水も合わなくて。今思えば、いろいろ理由をつけたかっただけかもしれないですけど、「やっぱり札幌に戻って活動したいよね」という気持ちになり、1年ぐらいで札幌に拠点を戻しました。

その後、Galileo Galileiは一度活動を休止しましたが、2022年に再開して札幌で活動していた岡崎くんがメンバーに入ってくれて今に至りますね。

杉浦:学生の頃のバンド活動で思い出に残っていることはありますか?

雄貴: 閃光ライオットに参加するまでは稚内だけで活動していました。町のお祭りに参加することが多かったですが、僕たちの母が看護師だったこともあり、病院で行われるイベントで演奏したこともありましたよ。高齢の方が多いので、それに合わせて穏やかな曲をセレクトにしたのに「うるさい」と耳をふさがれて傷ついたことも思い出に残っています(笑)。

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暮らしがそのまま音楽になる“ホーム感”。

札幌を拠点とする魅力

杉浦:東京と札幌で、楽曲制作やバンド活動にはどのような違いがあったのでしょうか?

雄貴:札幌には、自分の生活に“音楽を密着させて”制作できる環境がありますね。東京だと、リハーサルもレコーディングも曲作りも、決まった時間内で行うので、生活と音楽活動は完全に分かれていました。一方札幌では、僕の家に集合して毎日自由に活動をしているので、生活で起こったことをダイレクトに楽曲にできるんです。これは札幌ならではの魅力ですね。

また、札幌の音楽シーンは良い意味で外界と隔絶されているように感じます。東京では、ギター会やベース会などミュージシャン同士の交流が盛んで、音楽業界に身を置いているという実感が強いです。でも、札幌だと自分たちの心の中やメンバーとの関係に集中できるので、ここを拠点にしないと生まれない音楽があると信じています。

杉浦:札幌独自のバンドシーンが構築されているなど、札幌では音楽カルチャーが盛んですが、その理由は何だと思いますか?

岡崎:北海道のバンドは、いい意味で個人主義な面があるからですかね。札幌にはさまざまなバンドがいて、それらを総称して「札バン」と呼んだりします。個人的には「札バン」の特徴って「なんか音が冷たい感じがする」とか「北欧系の音楽っぽい」感じなんです。そういった、プログレ感のある前衛的な音楽になる理由は、自分たちの価値観やペースを大事にしているバンドが多いからだと考えています。

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杉浦:お話していて、札幌が持つ“ホーム感”や風土が、皆さんのアーティスト活動にたくさんの影響を与えていると感じます。

岡崎:気候に影響される部分も多いかもしれません。札幌では冬になると雪がたくさん積もるので、メンバーが集まるとまず雪かきからスタートします。制作はそこから始まっているので、自然と一致団結できるんですよね。 あと、雪って音が吸収されるので、積もると外の音などが聞こえなくなるんです。雄貴さんが言ったように「自分と向き合いやすい」環境が揃っているから、札幌は音楽と向き合うのに適したエリアだと感じます。

雄貴:自分を含め、札幌出身のボーカルに多いのは、冬の冷たい空気で喉をやられていることです。酒焼けのかすれ声のもっと繊細なバージョンみたいな(笑)。もし東京で生まれ育っていたら、声が違っていたんだろうなと思います。

杉浦:現在、札幌でどのように活動をしているのでしょうか。

雄貴:毎日昼くらいから、僕の自宅にある「わんわんスタジオ」にメンバーが集まり制作がスタートします。そこで、気持ちの赴くままに曲を書いたり、レコーディングしたり、MVなどの映像コンテンツを考えたりしています。

気持ちが乗らないときは、気分転換にみんなでキャッチボールをしたり、ゲームをしたり、野球を観に行ったりすることもありますね。本当に幸せだなと思うのは、小学校や中学校の友達と集まっているときと変わらない感覚でいられることです。僕は、それがとても大事だと思っていて、北海道にいるとこうした感覚を守り通せるんです。

僕たちのルーティンは、傍から見たら無計画に動いているように見えるかもしれないし、遊んでいるように見えるかもしれない。でも、僕たちにとっては、音楽を作るうえで重要な過ごし方をしているんです。

岩井:そうした日常の出来事が、曲になることもあります。キャッチボールをしたこと、音楽を聴きながら朝まで語り合ったこと、ビールを飲みながら家族の悩みを相談したこと、好きな漫画や映画の話…。そこから雄貴が歌詞のヒントを得るんです。

雄貴:キャッチボールをしていて、「カーブは回転なんだ!」なんて話していたら、今回のアルバムに収録されている「SPIN!」という曲が生まれました。完成したとき、「エスコンフィールドHOKKAIDOで流れたら最高だよね」と妄想していたら、本当に話が来て。

この間、エスコンフィールドHOKKAIDOで演奏させてもらい、ファイターズガールが踊ってくれたんです。こんな感じで、メンバーでわいわい話していることが実現化することが増えていて、東京ではなく北海道で音楽活動していることが間違っていなかったんだと、特に感じるようになりましたね。

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ビールと楽曲制作の共存。

Galileo Galileiにとっての日常とは

杉浦:雄貴さん、岩井さん、和樹さんはお酒が好きで、サッポロビールのお酒も飲んでいただいていると伺いました。

岩井:みんな、本当にサッポロビールが大好きなんですよ。僕はどのビールも好きですが、特に「サッポロラガービール」がお気に入り。ちなみに、和樹の体はビールでできていると言えるくらい飲むのが好きなんですよ。

和樹:本当にそうです(笑)。昼にスタジオに集まって作業するとき、必ず「サッポロ生ビール黒ラベル」か「サッポロ クラシック」を1パック買っていきます。北海道といえば、やっぱりサッポロビールなので。

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雄貴:僕も曲作りをしながらビールを飲むことが多いですね。冬の寒い時期に、ビールを飲んだ後に外に出ると「鼻にツンとくる」ことがあって。あの感覚が好きなんです。それを感じたくて冬はビールを飲みまくっています。

杉浦:ビールを飲みながら楽曲制作をすると、曲作りにどんな影響があるんですか?

雄貴:自分たちの内側に、より集中できるようになるんですよね。ものづくりって「自分が許すか、許さないか」という部分があると思います。日によっては、考えすぎたり理想を追い求めすぎて全然進まない日がある。でも、ビールを飲むと気持ちが乗ってきて、自分を許せる割合が増えるんです。制作のモチベーションが上がり、本来あった“大きなイメージ”を大切にしながら曲作りができるんです。

杉浦:メンバー同士でのサッポロビールにまつわる思い出も多そうですね。

岩井: 非日常だと思い出に残るかもしれないですけど、サッポロビールが目の前にある光景が「日常」なんですよね。大体鍵盤とかの上に置いてあるんで。ちなみに、サッポロビールのことを盛って話しているように思われるかもしれませんが、普段から本当にこうやって「うまいなー」って話しながら飲んでいるんですよ。

雄貴:北海道でのライブの後は、「サッポロ クラシック」を4本必ず用意して乾杯しています。「サッポロ クラシック」は、まろやかで優しくて、大人なイメージ。音楽をしていて、僕たちが飲みたいなと思うビールはやっぱりサッポロビールなんですよ。

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杉浦:そう言っていただけて光栄です。「サッポロ クラシック」は北海道民の皆さんに感謝を伝えたくてできた商品なので、本当に嬉しいです。原料も道産にこだわっているんですよ。

雄貴:そうなんですね。Galileo Galileiも似ている部分があって、実は北海道出身って知らない人も意外に多いんですよ。あまり出身地について話してこなかったのもあるんですけど、北海道に育てられた実感が最近特に湧き上がっています。だから、今回お話しできたのは運命的なタイミングだなと思います。

杉浦:どうして今、北海道への想いが強くなっているのでしょうか。

雄貴:1つは年齢があるのかもしれません。家族や子どもができて、改めて北海道って素敵な場所だと思うことが増えました。子どもがのびのびと育ってくれていると実感しますし、自分の子どもの頃もそうだったと思い出したんです。

あとは、北海道で生まれ育っていなかったらバンドをしていなかったと思います。僕は外界に対しての感受性が強くて、慣れた環境にいる自分とそうでない自分があまりにも乖離しているんです。だから、やっぱり北海道にいないとダメだなって思いますね。

杉浦:札幌を中心に活動されている皆さんですが、今後の展望や新しくチャレンジしたいことを教えてください。

雄貴:海外のファンが増えていて、SNSのコメントなどにも英語がかなり増えているので、そろそろ海の向こうの人たちにも音楽を直接届けに行かなければと思っています。

一方で、音楽を通してホームである札幌、北海道も盛り上げていきたいと考えています。年末には忘年会ライブを札幌で開催したんですが、ほぼ道外から来てくれて、ライブついでに北海道観光も楽しんでくれたみたいです。このように、北海道という土地でさまざまな人を巻き込んでいくバンドになりたいと思っています。

杉浦:最後にお伺いします。みなさんにとって「札幌」とは何でしょうか?

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雄貴:4人で悩みましたが、「北」に決めました。ツアーでいろんな場所をまわる中で、北海道が「北」にあることに意味があると、最近思うようになりました。僕たちは、「北」にいたからこそバンド活動ができていますし、人間に方角があるとしたら僕たちは「北」の人間なんです。

まるで用意されていたかのように、運命的に今、「北」で活動できている。この現状が幸せなので、神様に、そして北海道に「ありがとう」と言いたいですし、いつもそばにいるサッポロビールさんにも「ありがとう」と言いたいです。

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プロフィール

Galileo Galilei

2008年の閃光ライオットでグランプリを獲得。2010年にミニアルバム『ハマナスの花』でメジャーデビュー。2016年10月の日本武道館公演にて一度活動を終了するが、2022年に遂に再始動。2025年3月5日にニューアルバム『BLUE』デジタルリリースを決定。

尾崎雄貴
1991年5月27日生まれ。北海道稚内市出身。ボーカルをメインに担当。
岩井郁人
1990年12月24日生まれ。北海道恵庭市出身。ギターを担当。
尾崎和樹
1993年5月11日生まれ。北海道稚内市出身。ドラムスを担当。
岡崎真輝
1994年9月6日生まれ。北海道札幌市出身。ベースを担当。
杉浦若奈
サッポロビール公式オウンドメディアの運営を担当。

クレジット:

Photograph_Takeshi Sasaki

Text_Nana Tabara

Edit_Nana Tabara,Tenji Muto(amana)

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