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“すすきのから始まった、芸人青春白書” 街でヨリミチ in 札幌 vol.3 ― お笑いコンビ トム・ブラウン

観光地として不動の人気を誇る街、札幌。新鮮な海の幸を堪能できたり、「札幌市時計台」をはじめとした赤レンガ調の歴史を感じられるスポットがあったり、旅行先として魅力的な街としてのイメージが強い。しかし、サッポロビールと共に歩んできた”開拓の歴史”があるこの街の魅力を、私たちはまだ全て知らない。そんなメインストリームから1本曲がって”寄り道”をして、1歩踏み込んで”より未知”な魅力を発見したい。本企画では様々なジャンルで、札幌に貢献する人物にお話を伺い、札幌の”ヨリミチ”な魅力を語ってもらう。

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左から布川ひろきさん、みちおさん、サッポロビール 杉浦若奈

連載3回目は、お二人とも札幌出身で、札幌育ちのお笑いコンビ、トム・ブラウンさんにインタビューを実施。今やテレビで活躍する布川ひろきさんとみちおさんだが、芸人としてブレイクする以前は札幌の“とあるエリア”をよく訪れていたという。CHEER UP!のメディア担当でもある杉浦若奈が、お二人の思い出が詰まったエリア、すすきのについて“ヨリミチ”な魅力をお伺いした。

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札幌生まれ、札幌育ち、札幌で結成。トム・ブラウン誕生秘話

杉浦:お二人とも札幌出身、札幌育ちと伺いました。最初の出会いはどんな形だったのでしょうか?

布川:高校で柔道部の先輩・後輩という間柄でした。「中学のときに相撲で全国大会に行った奴が入学した」という噂を聞き、2年生だった僕がみちおの教室へ行って「君、柔道部に入らないか?」と誘ったんです。

みちお:正直、いきなりで怖かったですね(笑)。そのときは答えを保留しましたが、その後、新入生向けの部活紹介があったんです。布川が柔道部の説明をしたあと、なぜか前回り受け身をしながら退場していって。それを見て「意味はわからないが、面白そうな部だな」と思い、入部することにしました。

杉浦:とても印象深い出会いだったんですね。そこから布川さんは、芸人の道へと進まれたとのことですが。

布川:高校卒業後、札幌よしもとに所属して、主にピン芸人で活動していましたね。最初はコンビを組んでいたのですが、当時の相方が行政書士になるから辞める、と言われて解散したんです。その相方は、今はスロットで生計を立てているらしいですが(笑)

みちお:この時代に!? 絶対辞めるための口実だったよね。

布川:ピン芸人時代は、“あるあるネタ”みたいなのをやっていましたね。エンタの神様という番組でよく見るような。

杉浦:ピン芸人時代のネタも見てみたいです。みちおさんは高校卒業後、どんな道に進まれたのでしょうか?

みちお:プロのスノーボーダーを目指していました。でも友人がかなりひどい怪我をしたのを見て、怖くなって引退しました。そんなときに、たまたま布川が札幌のローカル番組に出演しているのを見たんです。「布川さんでもテレビに出られるなら、俺でも楽勝かな(笑)」と思い、布川とは別の人とコンビを組んでお笑いを始めたんです。

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杉浦:そこからトム・ブラウン結成に至った経緯は?

みちお:コンビを組んで解散、また別の人と組んでも解散ということを繰り返していた頃、布川が「コンビ組まないか?」と誘ってくれたんです。

布川:芸人としての魅力があると思って、誘いましたね。すべったとしても「とにかく前に出る」ところがあったので、良いと思ったんです。そして、何よりとにかくキモい。芸人としてこれ以上はないかな、と。

杉浦:その後お二人で東京に進出したわけですが、東京と札幌の違いは感じましたか?

みちお:「東京って、なんてチャンスの多い街なんだ!」とは思いました。毎日どこかでお笑いライブが開催されていて、我々が出るライブにも“テレビで見た人”が出演している。「チャンスが普通に転がっている感じ」にはゾクゾクしていましたね。

布川:でも、チャンスが多い分だけ壁も厚い。実力のある人が多くて、そういった人たちはよくウケるのですが、自分らはまったくウケない。「その違いは何なのだろう?」と模索しながら、毎晩お酒を飲んでいました。

杉浦:その土地の風土や文化などが、いわゆる県民性のようなものを作るのだと思います。北海道民や札幌市民にはどんな人が多いのでしょうか?

布川: “やさしい人”が多いという印象です。「人を蹴落としてでも競争に勝ちたい」と考えている人があまりいないというか。

みちお:やさしくて、おとなしいですね。以前、芸能界のなかで「北海道会」という会が開催され、そこには加藤浩次さんや大泉洋さんなど、そうそうたるメンツが集まっていて。皆さん大物なのに、すごく人見知りなんです。飲みが始まる前は、会場の端でそれぞれ離れて座っていて……。

布川:それを見て「あ、やっぱり北海道の人だな」と思いましたね(笑)。そんな穏やかな人が東京に出て芸人をやるものですから、みんな無理やり大声を出しているんですよ。僕らとか、錦鯉の長谷川さんとか。

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夢とカルチャーが交わる繁華街、

すすきので過ごした青春時代

杉浦:お二人にとって「札幌の魅力=すすきの」だと伺いました。そもそも「すすきの」とはどんなエリアなのでしょうか?

みちお:非常に道幅が広い歓楽街ですね。

布川:そういう物理的なことを聞かれてんじゃないのよ! すすきのは北海道最大の歓楽街ですね。その範囲も、明確には決まってないんですよ。ある人は「大通りから南がすすきの」と言いますし、またある人は「狸小路から南」と言う。でも、とにかく安くておいしい飲食店がたくさんあるエリアです。

杉浦:そんなすすきのには、どんな魅力があるのでしょうか?

布川:「夜の街」と思われがちですが、実際は「夢とカルチャーの街」だと思っています。道内で夢を追っている人が最初にやってくるのが札幌で、その中心エリアがすすきの。だからミュージシャンや芸術家もたくさんいますし、僕らのようなお笑いを志す人間もいる。

みちお:あとは、世界一安全な繁華街かもしれません。

布川:それはあるね。新宿の歌舞伎町に初めて行ったときは「ここで何か変なことをしたら、危ないぞ」と身の危険を感じましたが(笑)、すすきのではそういった怖さがない。

杉浦:穏やかな道民性も関係しているかもしれませんね。お二人は、すすきのによく通っていたのでしょうか?

布川:本当によく行っていましたね。ライブ後の打ち上げは、必ずすすきのでした。当時はお金がなかったので、安くておいしい居酒屋さんにお世話になっていました。400円でお腹いっぱいになるお通しを出す店で、500円の「飲み放題割引チケット」を持っていって、トータル900円で食いつなぐ、みたいな。そこで女の子と飲むときは「お通し以外は頼まないでね」という無言の圧をかけていました(笑)。

みちお:深夜0時から早朝5時だけ1500円で飲める店もありましたね。友人とそこで飲もうとして、早めに到着しちゃった日があるんです。割引が始まる時間まで、1時間ほど待機しようとしていたら、吹雪いてきてしまい、全員がくしゃみを連発。結局「今日は解散ということで……」と、飲まずに帰ったこともあります。

布川:なんの昔話だよ! 札幌の寒さをナメてはいけない、みたいな話?

杉浦:思い出が詰まった街なんですね。芸人としても、すすきので活動されていたとか。

布川:そうですね。すすきの駅近くの狸小路という場所で、路上ライブをやっていました。ドーナツ屋が閉店する時間になったら、そのシャッター前に立って、道行く人に「あ、ちょっと見ていってください」と声をかけて。

みちお:札幌は東京と違って、舞台の数が限られていたんです。「とにかく舞台に立ちたい」という思いでやっていたのが、狸小路の路上ライブでしたね。

布川:でも周囲はストリートミュージシャンだらけで、お笑いをやっているのは僕らだけ。だから声を張り上げないとお客さんに届かない。そのため自然と大声を出すようになり、今の芸風につながった気がします。

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芸人とお酒。

M1初進出後に、交わした乾杯

杉浦:お酒好きなお二人ですが、人生で一番美味しかった飲みのシチュエーションを教えてください。

布川:やっぱり、2018年にM-1グランプリ決勝が初めて決まった日ですかね。浜松町のお蕎麦屋さんで、深夜にみちおとマネージャーと3人で乾杯したビールは最高でした。

みちお:「俺たち、やったな!」と乾杯して、熱い話をしようとしたら、その直後に布川の声が出なくなった。極度の疲労と安堵感による症状だったみたいで。布川はその後、10日間ほど声が出せなかったのを覚えています。

布川:決勝進出の日に限らず、芸人が大事な話をするときは、やっぱりお酒が付いて回りますね。お酒があると、やっぱり本音を言いやすいというか。みちおをコンビに誘った時も、居酒屋でした。

杉浦:芸人とお酒、なにか深い縁を感じます。そんなお二人は、普段どんなお酒を飲まれますか?

みちお:何でも飲みますが、1杯目は絶対にビールと決めています。もともと「サッポロ生ビール黒ラベル」が大好きでしたが、北海道限定の「サッポロ クラシック」は、大人になってから特に好きになりました。

布川:僕も好きですね。「サッポロ クラシック」を見つけたときは必ず買うようにしています。

杉浦:それは本当に嬉しいです。「サッポロ クラシック」は道産素材にこだわり、北海道産ホップと北海道産大麦麦芽「きたのほし」を一部使用していますので、お口に合うのかもしれません。

布川:そうだったんですね! 僕も、お酒はビールからのスタートが多いです。その後は焼酎のソーダ割りやウーロンハイに変わりますが。

【“北海道限定販売の生ビール”サッポロ クラシックが気になる方は、こちらから見る。

杉浦:札幌出身のお二人から見た、サッポロビールの印象は?

みちお:北海道を代表する「ソウル企業」ですね。子どもの頃から何度も工場見学に行っていますし、自宅の近くに「いつでも行ける工場がある企業」って、なかなかないものです。札幌出身としては身近に感じる企業、ということで勝手に「ソウル企業」だと思っています(笑)。

布川:「ソウルフード」「ソウルメイト」的なことね。僕はサッポロビールさんが応援している箱根駅伝が大好きで、毎年テレビで食い入るように拝見しています。今年は第100回大会ということもあって、サッポロビールさんのお酒を飲みながら見ました。いや今年は歴代トップクラスに良かった! 大番狂わせの優勝には本当に感動しました!

杉浦:ドラマがある大会でしたよね。トム・ブラウンさんが今後、チャレンジしたいことはなんでしょうか?

布川:芸人として、札幌や北海道の魅力をもっと伝えていきたいですね。ちょうど、北海道出身のオズワルドと僕らトム・ブラウンがタッグを組んだ『道産人間オズブラウン』という冠番組が、始まったんです。まずは「僕たちが札幌で何か変なことしている」というポイントを見てもらいたいです。そしてそれを通じて、札幌や北海道の魅力が全国のみなさんに伝わればいいなと。

杉浦:思い出が詰まったすすきのというエリアですが、今後どう変わっていってほしいのでしょうか?

みちお:ロードヒーティングしている場所が増えてほしいですね。寒いから。

布川:だから、物理的なことを質問されたわけじゃないのよ(笑)。さっきから、ちょくちょく物理的な回答するけど。

杉浦:本当に愉快なインタビューありがとうございます。では最後に、お二人にとって「すすきの」とは?

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布川:「実家」です。20歳を過ぎてからは、実家にいるよりすすきのにいる時間のほうが長いですから。

みちお:僕は「酒夢(しゅむ)」という造語で表現したい。お酒を飲んで夢を語り合い、夢を持ってお酒を飲む。お酒と夢がからみあった素敵な場所、それがすすきのです。

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プロフィール

トム・ブラウン

布川ひろきと、みちおのお笑いコンビ。ケイダッシュステージ所属で、2009年結成。高校時代に柔道部の先輩後輩だったふたりがコンビを組み、地元・北海道から上京。2018年、M-1グランプリ決勝に進出。みちおが有名人やアニメのキャラクターを合体させるという「合体漫才」で大きなインパクトを残した。

布川ひろき

1984年、北海道札幌市出身。コンビでは、ツッコミを担当。札幌東陵高等学校を卒業後、芸人として主に札幌で活動。コンビ解散やピン芸人時代を経て、みちおを誘いトム・ブラウンを結成。趣味は「ギザ10円集め」と「aikoのことを調べる」など。

みちお

1984年、北海道札幌市出身。コンビでは、ボケを担当。札幌東陵高等学校を卒業後、一度はプロスノーボーダーを目指すが、引退。芸人の道へ進み、トム・ブラウンを結成。趣味は「ロボットアニメ」と「映画鑑賞」、特技は「素手でフルーツを潰してミックスジュースを作る」など。

杉浦若奈

2019年サッポロビール株式会社に新卒入社。首都圏エリアで3年間業務用のワイン営業を経験。2022年9月にビール&RTD事業部メディア統括グループに着任、現在はファンマーケティングを起点にCHEER UP!や公式ファンサイトSAPPORO STAR COMPANY、公式SNS等のオウンドメディアの運営を担当している。

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