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第二の故郷 札幌で感じたスポーツという“熱” 街でヨリミチ in 札幌 vol.1 ― ZENSHIN CONNECT 代表 杉谷拳士
観光地として不動の人気を誇る街、札幌。新鮮な海の幸を堪能できたり、「札幌市時計台」をはじめとした赤レンガ調の歴史を感じられるスポットがあったり、旅行先として魅力的な街としてのイメージが強い。しかし、サッポロビールと共に歩んできた”開拓の歴史”があるこの街の魅力を、私たちはまだ全て知らない。そんなメインストリームから1本曲がって”寄り道”をして、1歩踏み込んで”より未知”な魅力を発見したい。本企画では様々なジャンルで、札幌に貢献する人物にお話を伺い、”ヨリミチ”な魅力を語ってもらう。
連載初回は、2022年に日本ハムファイターズでの現役生活を終え、現在は様々なスポーツの取材やレポーターとしてメディアで活躍する傍ら、企業の代表も務める杉谷拳士さんにインタビューを実施。スポーツを通して地域や教育の”前進”を目指す、ZENSHIN CONNECTを立ち上げた杉谷拳士さんに、CHEER UP!のメディア担当でもある杉浦若奈が、札幌のヨリミチな魅力を伺う。
可能性を切り開き、北の大地へ。
第二の故郷、札幌で過ごした14年間。
杉浦:2022年まで北海道日本ハムファイターズ(以下・日ハム)で選手として活躍された杉谷さんですが、出身は東京。いつ頃から札幌と関わりを持つようになったのでしょうか。
杉谷:元々、父が北海道の函館市出身ということもあり、祖父の家に帰省したりする機会があって、幼いときから北海道とは縁があったんです。本格的に札幌を拠点の軸にしたのは、日ハム入団してからですね。
杉浦:そうだったんですね。高校卒業後、社会人野球へ進路が決まっていたのに日ハムの入団テストを受けたと伺っています。なぜ北の大地でプレーをしようと思ったのでしょうか?
杉谷:北海道への愛着があったのもそうですが、当時は新庄剛志さんや高校の先輩である森本稀哲さんが日ハムで活躍していて、非常に明るく元気のいいチームだなという印象を持っていたんです。伸び伸びと自分らしく野球をするのならばこのチームだと思い入団テストを受けました。
杉浦:テストに合格し、2008年のドラフト指名で日ハムに入団。当時の札幌の街の印象はいかがでしたか?
杉谷:とにかく空気が澄んでいてきれいだと思いました。深呼吸をするたびに心が浄化されるような感じで、フレッシュな気持ちになれる街だと。けどやっぱり人が素晴らしい。街中を歩いていると「ケンシ~!」、「応援してるぞ~!」ってファンの方が気軽に声を掛けてくれるんです。札幌の方たちに家族のように接してもらい、いつも温かい気持ちにさせてもらっていました。
杉浦:現役時代は、試合後にチームメイトと食事をしたり、プライベートで札幌の街を楽しんでいたのでしょうか。
杉谷:そうですね。札幌といえば食事がおいしいので、試合が終わったロッカーで「今日はどこに食事に行こうか?」なんて相談をよくしていました。海鮮を楽しむときもあればジンギスカンを食べに行ったり。そこにあるのはいつもサッポロビールでしたね。頑張ったあとの一杯が本当においしくてしょうがなかったです。
余談ですが、日ハムの選手寮ってサッポロビール園の隣にあるんです。選手たちが街で食事した帰りにタクシーに乗るときは、必ず「サッポロビール園まで」と伝えるんですよ。分かりやすいから。きっと日ハム時代の大谷翔平選手もそう言っていたはずですよ(笑)。
杉浦:それは初耳でした! 杉谷さんは14年間現役生活を過ごされましたが、札幌のおすすめスポットを教えてください。
杉谷:僕は二条市場の活気がある雰囲気がすごく好きで、ゲームのない月曜日の朝に、ふらっと定食を食べに行ったりしていました。そこで街の人と野球の話をしてコミュニケーションをとるのは、自分にとっては大事な時間でしたね。
あとは、時計台の近く「Japanese Ramen Noodle Lab Q」というラーメン店が大好きです。札幌と言えば味噌ラーメンのイメージがありますが、そこの醤油ラーメンが絶品なんです。他にも、「八仙」というジンギスカンのお店もおすすめ。これまで様々な店でジンギスカンを食べてきましたが、ここが一番おいしい。特に「塩ジンギスカン」はオススメですよ。
杉浦:ぜひ足を運びたいと思います。杉谷さんは2022年シーズンに引退をし、2023年4月に株式会社ZENSHIN CONNECTを立ち上げられました。どのような思いで会社を設立したのでしょうか。
杉谷:札幌で会社を設立したんですけど、僕を育ててくれた第二の故郷である札幌、ひいては北海道にスポーツを通して恩返しをしたいという思いがあったからです。日ハム時代、各市町村を回らせてもらって、スポーツで熱狂してくれている人たちと触れ合い、感銘を受けました。その思いを北海道から発信していきたい。
事業内容としては、スポーツ、教育、地域、そして国際といったものをパズルのように組み合わせて、挑戦心にあふれた会社にしていきたいと思っています。北海道の人たちや地域の持つポテンシャルを、日本だけではなく世界に発信できるように”前進”していきたいですね。
競技の垣根を越えてスポーツが根付き、
スポーツと共に歩む街 札幌
杉浦:札幌の人はスポーツに対する熱量が高いとおっしゃいましたが、スポーツの分野において札幌にはどんなポテンシャルがあるとお考えですか?
杉谷:住民がスポーツを楽しむ土壌ができあがっているように感じます。寒い地域ではスポーツが盛り上がりづらいイメージがあったのですが、テレビを点けるといつもスポーツが中継されていて、1年中楽しめる環境がある印象です。野球、サッカーなどメジャー競技はもちろん、冬でもウィンタースポーツが楽しめる。そういった意味では、他の地域にはない、スポーツに熱狂できる接点がたくさんあると思っています。
杉浦:ウィンタースポーツも市内で開催される札幌ならではですよね。それこそ今年、日ハムは新球場のエスコンフィールドをオープンさせましたが、札幌も含めた周辺地域の盛り上がりに、どのような期待感を持っていますか?
杉谷:札幌、ひいては北海道の新名所になると思います。野球観戦後に、札幌で観光や食事を楽しんでもらい、またリピートをしてもらう。試合が開催されない日も、イベントや催し物を行うなど、エスコンフィールドは街を盛り上げる活動に取り組んでいます。地元の方、観光客の方、日ハムファンの方、そして野球に興味のない人たちでも、楽しめる球場になって欲しいですね。
杉浦:そういった日ハムの取り組みをはじめ、近年の札幌からスポーツというジャンル全体の盛り上がりを感じます。
杉谷:そうですね。実際に札幌市内の野球、サッカー、バスケットボール、フットサルのプロスポーツチームが提携協力する「プロスポネットSAPPORO」の活動が近年では盛んになっています。4チームの「チーム共通カレンダー」を制作したり、地域住民をホーム試合に招待する「区民応援デー」を実施するなど、スポーツを起点とした地域活性化を目指した活動を実施していると聞いています。
僕としても、入口は野球だけども、やっぱりスポーツって面白いな、じゃあサッカーやバスケットボール、他のチームも見てみようとお客さんに思ってもらえるような活動をしていきたいです。
杉浦:ジャンルで区別をしたり競うのではなく、一緒になって”前進”していく。
杉谷:はい。それが一番の理想ですね。北海道だからこそ熱くなれることってたくさんあると思うので、人とのつながりを大事にして、ともに発展していくことへの手助けをしたいなって思っています。
杉浦:スポーツを通じ地域を発展させていく上で、目標はありますか?
杉谷:まだ夢の夢ですけど、老若男女問わずスポーツに挑戦できる複合施設を北海道に作ってみたいと考えています。僕はたまたま野球というスポーツに挑戦したことがきっかけでプロの選手になり、人生が豊かになったと実感しています。なので子どもたちをはじめ、たくさんの人たちが、気軽にスポーツに挑戦できる環境を作ってあげたい。そうすれば札幌、北海道はもっと盛り上がるでしょうし、利用する方々の人生や生活もきっと豊かになるはずです。どこかいい土地ありませんかね?(笑)
目指すは共に“一番星“。
地域を愛し、愛される存在に
杉浦:サッポロビールは日ハムのスポンサーを20年にわたってさせてもらっているのですが、野球観戦とビールは切っても切れないものだと感じています。現役時代、ビールを飲みながら観戦するファンの方々をグラウンドから見て、どのように思っていましたか。
杉谷:僕はビールが大好きなので、サッポロビール片手に野球観戦は最高だろうなと思ってスタンドを見ていました。いざ現役を終えて、後輩たちがプレーする様子を見ながら球場で飲むビールのおいしさといったら格別ですね。
杉浦:お好きな銘柄は何でしょうか?
杉谷:やっぱり北海道限定のサッポロ クラシックですね。味はもちろん、とにかく喉ごしが最高で一番おいしいと思います。不思議なものでサッポロ クラシックは、冬の寒い時期でも飲みたくなるんですよ。外に食事に行っても、基本的にはずっとビールを飲んでます。ビールって飲んでいるとついつい何度も乾杯しちゃうじゃないですか(笑)。それがいいですよね。
杉浦:「乾杯をもっとおいしく。」は弊社のビジョンのひとつですから、とても光栄です。最近、ビールの原料であるホップの畑がある上富良野へ足を運んでいただきました。栽培されているホップを実際に見ていかがでしたか。
杉谷:ホップの木がすごく高かったのも印象的でしたが、ホップ畑全体の香りに一番驚きました。伝説のホップ「ソラチエース」は、ふわっと広がるような香りが鮮烈で、経験したことのない感覚でした。
杉浦:ホップの香りは印象に残りますよね。サッポロビールは世界で唯一、ビールの原料である大麦・ホップを育種し、協働契約栽培をしている会社なんです。安心とおいしさを実現するために、原料にはこだわっていますね。
杉谷:だからこんなにおいしいビールが提供できるんですね。「ソラチエース」が使われたビールSORACHI 1984も飲ませてもらいましたが、驚きました。ホップ由来の香りというか、通常のビールとは違う“いい意味でのクセ”を感じました。知らず知らずのうちに飲めてしまう魅力があります。おいしすぎて、仕事でもなくプライベートでSORACHI 1984のバースデーイベントに足を運んじゃいました(笑)。
杉浦:本当に嬉しいです。また杉谷さんはビール同様、大のレモン好きで、ポッカサッポロの「レモンアンバサダー」を務めていますが、どのような活動をしているのでしょうか。
杉谷:レモンの魅力を皆さんに知っていただく活動をしていますね。レモンに含まれる「クエン酸」は継続して摂取することで疲労感を軽減する機能があるし、カルシウムの多い食品と一緒に摂るとカルシウムをより溶けやすい形に変え、吸収率を改善することができるからおすすめだよと子どもたちに伝えています。
杉浦:サッポロ クラシックをご愛飲いただいたり、サッポログループとご一緒いただく機会が多いですが、どこかに共感いただいている点があるのでしょうか。
杉谷:サッポロビールさんって、やっぱり地域に密着して、そして地域に愛される“札幌の顔”ですよね。空港や駅、それにスタジアムに訪れて、まず目に入るのがサッポロビールの看板。第二の故郷である札幌に来たなと実感する瞬間です。僕もそんな存在になりたいなと思っています。札幌といえば、サッポロビールと杉谷だろうと言われるように。あと僕の現役時代の応援歌のなかに「一番星」というフレーズがあるのですが、そこにもご縁を勝手に感じています(笑)。
杉浦:最後の質問になりますが、杉谷さんにとって「札幌」そして「サッポロビール」とは何でしょうか?
杉谷:そうですね。札幌の街の方々もサッポロビールの関係者の方も、皆さん家族のように接してくれて、いい時間を過ごさせてもらっているので、僕にとってはまさに“Just Family!”という感じですね。
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プロフィール
元日本ハムファイターズ所属のプロ野球選手。2010年に、イースタン・リーグで年間133安打を放ち、同リーグのシーズン安打記録を樹立(当時)。2019年には、NPB史上19人目となる1試合での両打席本塁打を記録。ユーティリティプレーヤー、またムードメーカーとして存在感を発揮した。2022年、「前進会見」を行ない、14年間にわたるプロ野球選手生活に別れを告げた。現在は様々なスポーツの取材やレポーターとしてメディアで活躍中。現在は、ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社で「レモンアンバサダー」としても活動している。
2019年サッポロビール株式会社に新卒入社。首都圏エリアで3年間業務用のワイン営業を経験。2022年9月にビール&RTD事業部メディア統括グループに着任、現在はファンマーケティングを起点にCHEER UP!や公式ファンサイトSAPPORO STAR COMPANY、公式SNS等のオウンドメディアの運営を担当している。