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エキスパートソムリエに聞く、ピザに合うおすすめワイン

古くからワインのペアリングはファインダイニングの場に限られていました。肉汁たっぷりの分厚いステーキには力強い赤、脂の乗った魚には滑らかな口当たりの白、独特の風味がクセになる柔らかいチーズにはスパークリングロゼといった組み合わせが、何百年にも渡ってディナーの席で親しまれてきました。

お気づきかもしれませんが、この数十年の間にワインの世界は激変しました。これに伴って優秀なソムリエの仕事の範囲も広がり、今ではサンドイッチから揚げ物、BBQ、シーフードの浜焼きまで、ありとあらゆる食べ物とワインのペアリングも手掛けるようになったのです。

ソムリエにとって最も楽しいチャレンジは、ピザとワインのペアリングをマスターすること。ワインと並行して、ピザもまた今世紀に入って進化を遂げ、フルーツにシーフード、ビーガンチーズにビーガンミートとトッピングも多様化しています。

ワインとピザのペアリングについての知識を深めるため、イタリアのエキスパートソムリエに話を聞きました。

まずは2000年以上の歴史を誇るトスカーナ地方の村にある5つ星のオアシス、トスカーナ・リゾート・カステルファルフィのフード&べバレッジマネジャー兼ヘッドソムリエのダニーロ・ファンティーニ氏。もう1人のワインの魔術師、レオナルド・ラゼリーニ氏は、サルバトーレ・フェラガモ一族が運営し、有機農法のヴィンヤード、ラグジュアリーなスイートルーム、こだわりの美食を提供する夢のように美しいトスカーナ地方のワイナリー、イル・ボッロでフード&べバレッジマネジャー兼ソムリエとして活躍しています。

それではワイン専門家のお2人にワインとピザの完璧なペアリングのヒントを頂き、今度のピザパーティーに活かしましょう。

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一般的に、ピザに一番合うワインといえばなんでしょう?

ダニーロ・ファンティーニ氏(以下DF):乳製品やチーズを使ったホワイトピザの場合は、乳製品の脂肪分と調和する強い酸味を持つワインを合わせるのが定石です。例えばランゲ・アルネイス、グレコ・ディ・トゥーフォ、カーサ・ポッジョ・イ・ソリ2020(カステルファルフィのエステート)など。レッドソースのピザには、シャルドネやアンソニカなど、トマトの酸味を引き立てる程よい骨格の白がおすすめです。また、イル・ポッジョ・ネーロ2019(カステルファルフィのエステート)のような、きめ細かく優しいタンニンの赤も良く合います。

レオナルド・ラゼリーニ氏(以下LL):ピザの世界は決して単純ではありません。超極薄クラストから分厚いフォカッチャまで、クラストも食材も選択肢は無限にありますが、ピザとワインのペアリングを理解する上で役立つシンプルなルールを2つご紹介します。ホワイトベースのピザには酸味が続く白ワインかスパークリングワイン。レッドベースのピザにはトマトの酸味を和らげてくれるキメ細かいタンニンの赤ワイン、と覚えておいてください。

トンダ、アル・ターリオ、ピンサ、ピッツア・アッラ・パーラ、ナポリターナ、フリッタ、シシリアーナ…種類豊富なイタリアのピッツアとワインの最高のペアリングをいくつか教えてください。

LL超極薄クラストのトンダと四角い鉄板の上で焼くアルタリオには柔らかなタンニンとジューシーな果実味が特徴の万能選手、北イタリアの若いバルベーラがよく合います。ローマ風のヘルシーなピンサにはトスカーナ沿岸で造られている、樽熟成をしていないヴェルメンティーノのミネラル感、みずみずしさ、フローラルな風味がベストマッチ。クリスピーな長方形のピッツア・アッラ・パーラには、サンジョヴェーゼやシラーを使ったトスカーナ産のロゼが鉄板。意外かもしれませんが、シラー種はトスカーナ地方でも素晴らしいブドウに仕上がるのです。ナポリ風ピザには、同じくカンパーニア州で最も古くから栽培されてきた品種であるファランギーナの白で間違いありません。ナポリ名物の揚げたピザ、ピッツア・フリッタには、口中をさっぱりとさせてくれるスパークリングワイン、例えばフランチャコルタかトレントDOCを試してみてはいかがでしょう。私たちが造っているボッレ・ディ・ボッロのように、サンジョヴェーゼ種のスパークリングワインもおすすめです。シチリア風ピザには、火山性土壌のテロワールを活かしたエレガントで果実味豊かなネレッロ・マスカレーゼ種をベースにした若いエトナワインがいいですね。

言うまでもありませんがトマトベースではないピザもあります。ジェノヴェーゼ、ピッツア・ビアンカ、ハワイアン、シーフードベースのピザにはどんなワインをペアリングすればよいでしょう?

DFジェノヴェーゼベースのピザには、ヴェルメンティーノ種を使ったポッジョ・イ・ソリ2020(カステルファルフィのエステート)一択。ホワイトピザやリコッタチーズを使ったピッツア・ビアンカには、カベルネ・ソーヴィニヨン2011(カステルファルフィのエステート)かスパークリング・カベルネ・フランを合わせましょう」

LLパイナップルをトッピングしたハワイアンピザには、フルーツにはさらにフルーツを、ということでゲヴュルツトラミネールがベストなペアリングだと思います。しかし、果皮のマセラシオンを長めに行ったロゼも素晴らしい仕事をしてくれます。あさりのシーフードピザにはソーヴィニョン・ブラン。フルーティーからフローラル、時には青っぽさまで香りは様々ですが、爽やかな酸味とミネラル感が心地よい後口を醸し出してくれます。

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ではアメリカンなピザはいかがでしょう?ニューヨーク風のスライスや、デトロイト風、シカゴ風のディープディッシュに合うワインを教えてください。

LLニューヨーク風のスライスなら、きりっとしたソーヴィニョン・ブランでもドライ・ロゼでもOK。噛みごたえのある分厚い生地にスパイシーなソースをかけて焼き上げるデトロイト風にはランブルスコ・ディ・ソルバーラがよいでしょう。シカゴ風のディープディッシュは、その名の通りピザというよりも一品料理に近いので、キャンティやミディアムボディのカベルネのような複雑なワインが必要です。

ペパロニやプロシュットなど肉系トッピングの場合、おすすめのワインも変わってきますか?

DFもちろんです。肉系のピザには、トッピングの脂に合うしっかりとした骨格と繊細なタンニンを兼ね備えた赤が理想的です。キャンティ・チェルイキアイア・リゼルヴァ2019(カステルファルフィのエステート)を自信を持っておすすめします。

LLキャンティ・クラシコ・トスカニーDOCG、ランゲ・ネッビオーロDOC、ピノ・ネーロ・アルト・アディジェDOC、またはオレゴン州のピノ・ノワールなどもいいですね。

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完全なベジタリアンや、野菜たっぷりのピザが好きな人に特におすすめのワインはありますか?

DF野菜のピザなら、野菜本来のアロマを引き立ててくれるソーヴィニヨン・ブランがよいでしょう。

LLヴェルディッキオ・デイ・カステッリ・ディ・イェージなど、イキイキとしたアロマが表現された緻密な骨格の白をおすすめします。

グルテンフリークラストのピザもありますが、ワインとのペアリングのアイデアを教えてください。

LLワインとグルテンフリーピザの組み合わせには特に制限はありません。ピザの味は上にのせるものによってほぼ決まりますが、グルテンフリークラストの味が普通のクラストに及ばない場合は、すごく美味しいワインを注文して挽回しましょう。

ワインの代りにアペロールスプリッツとピザのペアリングはどうでしょうか?

LLもちろんありです。イタリア南部の一部の地域では、イタリア人が大好きなアペリティーボやピザディナーで古くから親しまれてきた組み合わせです。素朴なクラストにカンパーニア地方のバッファローモッツァレラ、サーモン、トマトのコンフィ、ズッキーニをオリーブオイルで軽く和えてのせたものなど、タンパク質の多いピザが最適ではないでしょうか。アペロールスプリッツは簡単に作れるのにアレンジの自由度が高く、様々なフレーバーはもちろんワインとも合わせることができます。夏にはロゼのアペロールスプリッツとピザとのペアリングでいつもと一味違った楽しさを味わってみてください。

DF冷たくて炭酸が効いたカステルファルフィのブロンドビールが一押しです。

この記事はTravel & Leisureのポール・ファインスタインが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまで。

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