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現代にも伝わる「ビールを愛した文豪」、森鷗外の多彩な魅力。

130年以上もの歴史のなかで、ヱビスはビールの楽しみ方の進化と多様性をつくり続けてきました。そこで、歴史と文化、そして革新を続けている日本が誇る場所や人、コトを再発見するシリーズがスタート。今回は、2022年に生誕160年、没後100年の節目を迎えた今も、作品が広く読み継がれている近代日本文学の巨人、森鷗外を取り上げます。


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https://y.sapporobeer.jp/culture/2022030401/


作品に底流する、鷗外の人生の面白さ。

『高瀬舟』や『舞姫』など、教科書でもおなじみの文学作品で知られる森鷗外。芥川龍之介や三島由紀夫といった歴史的な作家だけでなく、平野啓一郎など現代の作家にも絶賛されるなど、没後100年が経過した今でも、まさに「文豪」の名をほしいままにしています。

平安風の雅やかな文体で、浪漫あふれる物語を書いた“手法”に魅了される人もいれば、劇作家・詩人の木下杢太郎が「毛ほどの心の動きをはっきりと拡大する顕微鏡、望遠鏡のような明視」と称した繊細な観察眼によって切り取られた作品の“視点”に惹かれる人もいる。いわば一つに定まらない多様な魅力を擁していることが、鷗外作品が時代を経ても古びず、我々の心をとらえる理由かもしれません。

ただし、これだけ作品が愛され、文豪のイメージが強い鷗外ですが、本業は軍医でした。その傍らで文学や詩歌の執筆、海外文学の翻訳などに取り組む兼業作家だったのです。

鷗外は軍医として、日露戦争への出征などを経て、最終的には陸軍医総監・陸軍省医務局長まで昇進しています。その一方で、有名な文芸雑誌『スバル』を創刊したり、帝国博物館館長や帝国美術院初代院長を歴任するなど、文芸の振興に多大な貢献をしました。

最初からエリートコースを歩んだわけではありませんが、結果として、江戸時代までの封建社会を廃し、近代国家として急速に発展を遂げた明治の世を、政治・文化の両面からリードする人物となりました。

こうしたキャリアの中で、鷗外は自身が経験した物事を起点に作品を起こすことが多かったといいます。多彩な才能を持ち、各方面で現代日本の土台づくりの一翼を担った彼の生き方の面白さが、鷗外作品の魅力の根底にあるのではないでしょうか。

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