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世界一ラグジュアリーな(!?)空港ラウンジがLAにオープン
ロサンゼルス国際空港(LAX)のプライベートターミナル「PS」がプロデュースした豪華な新ラウンジ「The Salon」がオープン。リーズナブルかつ超快適なポストコロナ時代の空の旅をお楽しみいただけます。
休暇に出かけるにあたって何よりも苦痛なことといえば、ごった返す旅行客やバイ菌でいっぱいの空港で不安な気持ちに駆られながら過ごす時間だ、というのは世界共通の認識ではないでしょうか。しかしこれはパンデミックが世界拡大する前の話です。
しかし最近の空港では、航空会社やクレジットカード会社が提供するラウンジでもそれなりにくつろぐことができるようになりました。しかしLAXにある「PS」を前にしては、どのラウンジも足元にすら及びません。
一般ターミナルから離れて立つこのプライベートターミナルは、完全なるプライバシーと贅沢なアメニティはもちろん、民間航空機のフライトでもプライベートジェットで旅するセレブと同じ気分が味わえると人気です。さらに7月30日にオープンしたばかりのラウンジ「The Salon」では、PSに払う金額の1割程度で同様のVIP体験を満喫できるというのですから、是非とも試してみたい方も多いでしょう。
2017年のオープン以来、多くの旅行者が利用してきたPS。4350ドル(約48万円)で最大4人まで利用できるので、家族や友人、さらにはペットも連れて12あるスイートの1室でリラックスすることができます(年間4500ドル=約50万円のメンバーシップを購入すると片道3250ドル=約36万円。さらにスイート内でのマッサージ、ヘアカットや旅行中に愛車を細部までキレイにしてくれるカー・ディテイリングなどのサービスも含まれます)。また、専用の保安検査場、税関、入管が備えられているので、一般ターミナルに入ることなく機内へと進むことができるのです。
荷物に関しては、行きのチェックイン、帰りのピックアップとどちらもスタッフにお任せ。セレブ邸宅のデザインコンサルタントとして人気の高いクリフ・フォン氏が手がけたスイートは、これまでの空港のイメージを覆すスタイリッシュな空間です。
一歩足を踏み入れると、いつも世界中を飛び回っているおもてなしの天才、おまけにアートコレクターでもある超セレブの自宅に来たような錯覚に襲われます。グルメも唸る軽食や最高級の飲み物(アルコール、ノンアルコールとも充実したラインナップです)、さらには旅行にぴったりのアメニティセットまで、必要なものは全て揃っています。
また、セレブに人気のブランド「ALO Yoga」やオンライン・フィットネス「Peloton」監修のワークアウトも用意されています(充電器、耳栓、ネックピロー、かみそりなど、こまごましたものは何一つ持っていかなくて大丈夫です)。中でも特筆すべきは、運転手付きのゴージャスなBMWで直接飛行機まで移動できることでしょう。
これまでPS限定だったVIP向けの搭乗・到着サービスはThe Salonにも設定されています。こちらは1人1回の利用で695ドル(約7.6万円)と手の届きやすい価格設定になっており、メンバー料金には駐車場2泊無料、カー・ディテイリング、荷物の預かりサービスが含まれています。PSを経営する共同CEOのジョシュア・ゴーズマン氏は「社交的なラウンジ体験を追加すれば、一人であるいはビジネスでご旅行されている方に喜んでいただけると考えました」といいます。「無料の美味しい食事にドリンク、見知らぬ旅人との交流を楽しめる、美しい環境を提供することはとても理にかなっています」。
一般的な空港ラウンジと違ってここでは椅子の間を、機内持ち込みのスーツケースをひきずりながら味気ないビュッフェに突進していく人などいません。The Salonに足を踏み入れる感覚は、ウエスト・ハリウッドに新しくできたバー&ラウンジを訪れるのと同じくらいエキサイティングそのものです。そのため予約も21歳以上、ペット不可となっています。
PSの共同CEOであるアミナ・べルイーズダッド氏によると、このコンセプトの鍵は社交の要素であり、ここでも空間と快適性が重視されているということです。スイートと同様にThe Salonの監修もフォン氏が手掛け、カスタムメイドの家具とフォン氏自身が選んだビンテージ家具を使って、二つあるラウンジスペースをそれぞれの個性で演出しています。
The Saronを訪れるゲストをまず最初にお出迎えするのは、メノウを使ったサイドテーブル、曲線が美しいベルベットのソファ、レザーのバースツールが配置され、チャコールグレーとミッドナイトの色彩にまとめられたリビングルーム。スライドドアを抜けると、落ち着いたアーストーン、ウッド調など明るめのパレットが特徴のバー・スペースになっています。ビンテージのゴヤールのトランクや、アンティーク家具、充実した内容の書籍、地元ロサンゼルスにベースを置くアーティストの紹介に力を入れている「Creative Art Partners」がキュレーションしたオリジナルのアートワークなどが、旅行、飛行機、ロサンゼルスといったテーマを表現しています。
さらに、PSのスタッフがフライトの遅延や搭乗案内を把握し、ゲストを完璧なタイミングで搭乗させることに心を砕いている間にも「ロサンゼルスならではの眩しい太陽の光を心ゆくまで浴びたい!」というゲストのリクエストに応えるため、噴水や日光浴用の家具が置かれた、広大な庭も用意されています。
「PSがオープンして以来、メンバーやゲストの皆様が評価されてきた要素を詰め込んだのがThe Salonです。贅沢な空間、比類ないホスピタリティ、そしてなにより心から安心して旅行を楽しんでいただけること。この全てを新しい視点から解釈しました」とベルイーズダッド氏はいいます。シームレスな体験を大切にするThe Salonには、豪奢な別荘や注文住宅に引けを取らない、インスタ映えするシャワースイートまでもが用意されているのです。
テーブルを飾る料理とカクテルを担当したのは「Delilah」「Poppy」「The Nice Guy」など数々の有名レストランを手掛けてきた「The h.wood Group」。カリフォルニアから地中海料理まで様々な料理からインスピレーションを得た季節のメニューをその場で調理し提供しています。この料理だけをとっても、ロサンゼルスの人気スポットになることは間違いないといえるでしょう。
コーヒー愛好家には、地元で人気の「Alfred Coffee」が最高級のエスプレッソマシンでコーヒーを淹れてくれます。ロサンゼルスの最高級クラブと同様、The Salonもビジネス、プライベートに関わらずゲスト同士がコミュニケーションを取りやすいよう収容人数にも制限を設けています。
「旅に出て特別な体験をするためであれば、喜んでお金を払う人は少なくありません」とゴーズマン氏はいいます。「人々は自分たちだけの安全な空間を求め、2020年には願っても叶わなかった人との交流を楽しんでいます」。
時代のニーズを反映した仕掛けとプライスポイントを兼ね備えたThe Salonと、人のぬくもりを感じさせる、魅力いっぱいのサービスは、1年以上にわたったコロナ禍での“自粛生活明け”というまたとないタイミングでオープンを迎えました。
ラグジュアリー・トラベルのトレンドを敏感に捉えるPS。今後も、ニューヨークとマイアミにもこの斬新なコンセプトを中心に据えた新しい空間を建てる計画が進行中だそうです。
この記事はTravel & Leisureのキャスリン・ロメインが執筆し、 Industry Dive パブリッシャーネットワークを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまで。