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ホワイトビールってどんなビール?味の特長と歴史

    ビールと一口にいっても、色や味わい、香りはそれぞれ異なります。黒ビールのように見た目そのものの呼称がつけられている場合もあれば、ホワイトビールのような例外もあります。

    ここでは、「ホワイトビール」と呼ばれる理由から、歴史や特長までを紹介します。

    ベルギービールの定番「ホワイトビール」の特長

    ホワイトビールの発祥地とされているのは、ベルギーです。中世に誕生したホワイトビールは、ベルギービールの定番として現在も国民に広く親しまれています。

    ベルギーはヨーロッパの北西部、緯度50°51’37″(首都ブリュッセル)に位置する国です。日本の最北端が北海道択捉島の45°33’26″であることと比べると、はるか北の国であることが分かります。

    一年を通して涼しく肥沃な土地に恵まれたベルギーでは、ブドウなどの果実よりも穀物の栽培が適していました。原料となる穀物も多く生産されており、ホワイトビールが誕生する土壌は整っていたといえます。

    ホワイトビールの特長は、主に口当たり、香り、風味の3つです。

    小麦による「なめらかな口当たり」

    ホワイトビールの原料は、ベルギーで盛んに栽培されている小麦です。日本で主流のビールは大麦から作られる麦芽を使用していますが、ホワイトビールでは小麦麦芽が主な原料となっています。

    かつては小麦のみが使用されていましたが、大麦と比べると扱いが難しいデメリットがありました。近年は小麦を主流としつつ、大麦も一定の割合で加えられています。

    小麦の特長は、タンパク質の一種であるグルテンが豊富に含まれていることです。小麦のグルテンがホワイトビールをなめらかな口当たりに仕上げてくれます。

    オレンジピールによる「さわやかな香り」

    ベルギーのヒューガルデン村に代々伝わる古典的な製法では、乾燥させたオレンジピールが取り入れられています。麦汁を煮沸させる段階でオレンジピールを加えると、柑橘系特有の苦味や香りがビールに移り、さわやかな香りを生み出すためです。

    ホワイトビールには、もともと醸造の過程で生まれた酵母由来のフルーティーな香りです。オレンジピールの香りを加えると、柑橘系の香りが強く表れ、よりさわやかな香りにまとまります。

    また、オレンジピールに限らず、ホワイトビールの醸造では他の柑橘類が使用されることもあります。

    コリアンダーによる「フローラルな風味」

    ホワイトビールには、風味付けとしてコリアンダーも使用されています。コリアンダーは、エスニック料理などでも使用されるスパイスの一種です。同じセリ科の植物の種子部分をコリアンダー、葉の部分をパクチーと呼びます。

    オレンジピールと同じく、麦汁の煮沸段階でコリアンダーを加えます。ほのかな甘味とスパイシーな香りが特長的です。ホワイトビールをフローラルな風味に仕上げる役割をもっています。

    コリアンダーの他、クミンやナツメグなどのスパイスが使用されることもあります。

    ホワイトビールの歴史

    前述のとおり、ホワイトビールの製法はベルギーで誕生しました。ホワイトビールの人気ぶりは、収穫した小麦の大半が醸造に回されるなど、パンの製造に影響を与えるほどでした。

    一方で、歴史を紐解くと常に順風満帆ともいえなかったのが、ホワイトビールの特長です。

    発祥はベルギーのヒューガルデン

    ホワイトビールの発祥の地とされているのが、ヒューガルデン村です。首都ブリュッセルを囲うように広がっている、フラームス・ブラバント州に属しています。国土の中でも特に穀物の栽培に適しており、パン用の原料としても重用されていることから、小麦の耕作が盛んな地域です。

    ヒューガルデン村に残されていた記録により、14世紀ごろにはビール醸造が行われたことが分かっています。15世紀にはより本格的な醸造がはじまり、16世紀ごろになると村内にビールギルドが設立されるまでに定着しました。

    ホワイトビール醸造にともなうヒューガルデン村の発展は目覚ましく、19世紀の終わりには村内に醸造所が30軒以上設立されたほどです。

    1970年代後半に人気が広がる

    順調にホワイトビール生産地としての成長を続けてきたヒューガルデン村ですが、さまざまな影響が重なり、衰退の危機にさらされます。例えば、18世紀から19世紀にかけて起こった産業革命や、チェコで誕生したピルスナーの存在です。

    ピルスナーはラガービールの一種で、10度前後の低温発酵をするのが特長です。ホップ由来の独特の苦味や香りが注目を集め、世界的にラガービール人気が高まりました。

    ラガービールの台頭も影響し、ヒューガルデン村におけるホワイトビール醸造所は次々と廃業を迎えます。1957年には最後の醸造所が廃業し、ホワイトビールが一時的に世界から消えてしまいました。

    歴史の中に埋もれるかと思われたホワイトビールですが、8年の時を経て復活を遂げます。最後の醸造所で働いたことのあるピエール・セリスが設備を買い取り、ホワイトビール造りへ着手したためです。

    1966年にはホワイトビールを見事に復活させ、1977年には買い取ったレモネード工場を改装し、新たなビール醸造所を設立するほどに成長しました。完全復活を遂げたホワイトビールは国中の若者に好評を受け、今やベルギービールの代表格となっています。

    白くないのに「ホワイトビール」と呼ばれる理由

    ホワイトビールを実際にグラスへ注いでみると、白っぽい液色の商品がある一方で、名前に反して鮮やかな黄金色をしているものも少なくありません。なぜ「ホワイトビール」と呼ばれるのかというと、当時主流となっていたビールの色が影響しています。

    19世紀ごろまで主流となっていたのが、色の濃いビールです。原料となる麦芽をローストしていたため、多くのビールは黒褐色の液色をしていました。

    色が濃いダークビールが浸透していた時代、小麦の酵母で白く濁った色をしていたことから、薄い色のビールという意味合いでホワイトビールと呼ばれるようになったのです。

    おすすめホワイトビールはサッポロの「ホワイトベルグ」

    ホワイトビールは、なめらかな口当たり、さわやかな香り、フローラルな風味による親しみやすさが魅力です。ビール特有の苦味を敬遠している方も、ぜひホワイトビールを試してみてください。

    どのホワイトビールから飲むべきか迷っている方は、サッポロの「ホワイトベルグ」がおすすめです。

    ベルギーに学んだフルーティーな味わいの新ジャンル

    サッポロのホワイトベルグは、本場ベルギーのホワイトビールのような味わいを楽しめる新ジャンルの商品です。原料にもこだわっており、ベルギー産麦芽と小麦麦芽を使用しています。

    小麦麦芽を組み合わせることで、きめ細かな泡とホワイトビール特有のさわやかでフルーティーな味わいを再現しました。

    また、製法もベルギーの古典的な手法に則って、オレンジピール※とコリアンダーシードも取り入れています。上面発酵で醸造しており、コクや存在感のある洗練された香りを楽しめます。

    ※オレンジピールにはマンダリンまたは温州みかんを使用

    本場ベルギーに認められた味

    ホワイトベルグの実力は、国内外で認められています。International Taste Institute(国際味覚審査機構)で「ダイヤモンド テイスト アワード」を受賞しました。日本国内のビールテイスト製品としては初の快挙です。

    International Taste Instituteはベルギーのブリュッセルに本部をおいており、事実上、本場ベルギーから認められたこととなります。

    サッポロ社員がベルギー現地に訪問!ホワイトベルグの魅力

    みなさん、こんにちは。ヨーロッパ産大麦担当フィールドマンの高橋です。
    関東地方では、大麦の収穫を迎え、天候が気になる時期となりましたが、フランス・ドイツの畑では、春に種を播いた大麦からようやく穂が出てくる時期を迎えます。今年も、7月上旬に産地を訪問し、大麦の作柄を確認する予定です。現地からの情報によると、今のところ順調な生育と聞いていますので、今から畑訪問が楽しみです。
    さて、今回はベルギーの話題です。
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    ビールといえば、やはりドイツと考える方も多いと思いますが、ベルギービールファンも多いでしょう。
    ベルギービールは、イギリス人のビール評論家マイケル・ジャクソン氏により、1970年代後半、その伝統かつ個性的な魅力が紹介され、世界的に人気が高まりました。1,000種類以上の銘柄があるといわれているベルギービールは、現在においても、アメリカや日本のクラフトビールにその個性的な製法が影響を与えていることは過言ではないでしょう。
    フィールドマンはその名の示す通り、畑を回ること、生産者と交流することが現地での主な仕事ですが、大麦フィールドマンは、ビール原料となる麦芽の品質を確認することも重要な役割です。農作物は、作況によってその品質は毎年同じとは限りません。ですから、産地訪問の際には、現地の製麦工場を訪問し、大麦の製麦特性や品質特性をコントロールすることが必要なのです。
    私も、ヨーロッパに出張する際には、ベルギーのヘレントという町にある製麦工場を訪問します。
    今回(2014年5月13日)発売されました「サッポロ ホワイトベルグ」の麦芽は、ベルギー国内のビールにも使用されている麦芽を生産している工場で同じように作られたものです。下の写真は、大麦を発芽させる工程とヘレントの工場のスタッフたちの写真です。
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    ベルギー訪問の楽しみは、もちろんビール!ホワイトエールやペールエールなどの大手メーカー製造のビールから修道院などのクラフトビール、上面発酵ビールから自然発酵のランビックまで、本当に幅広いスタイルのビールが楽しめます。今回はどのようなビールが飲めるか今から楽しみしております。
    下の写真は、一般的なベルギーのパブのカウンターの写真。いろいろなビールのタップ(注ぎ口)がたくさん並んでいます。
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    「サッポロ ホワイトベルグ」は、iTQi(国際味覚審査機構、本部:ベルギー・ブリュッセル)が実施する世界的な食品コンクールにおいて、“極めて優秀”と認められた製品に贈られる、最高ランク『優秀味覚賞 三ツ星』を受賞しました。
    ベルギー産麦芽を使用し、ビール大国ベルギーで認められた「サッポロ ホワイトベルグ」を是非お楽しみください。
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    【Summary】
    Hello, again. This is Fieldman, Takahashi working for barley CCFS(Collaborative Contract Farming System) in Europe. I am glad to expect the barley harvest in Europe and to plan business trip to Europe in coming July.
    I am going to talk about Belgium beer this time. As you know, Belgium beers are famous for their having so many styles of beers. Michel Jackson, an English gentleman, introduce the Belgium beers to the world in 1970’s. Since then, many people out of Belgium have been enjoying their preferred styles of Belgium beer.
    This May, SAPPORO launched a style of Belgium beer like sparking liquor with the name of “White Belg”. I hope you could have a chance to try our new style drink. Thank you.

    まとめ

    ベルギー発祥のホワイトビールは、原料に小麦が使用されている点が最大の特長です。豊富なグルテンを含む小麦で醸造されたことで、独特のなめらかな口当たり、さわやかな香り、フローラルな風味を生み出しています。

    普段は大麦麦芽のビールに慣れ親しんでいる方も、ぜひ一度ホワイトビールの優しい味わいを楽しんでみてください。

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