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伝説のホップが生まれた日を祝う定例イベント「ソラチエース誕生祭2023」、9月5日に開催 !! 【前編】

 2019年からはじまった「ソラチエース誕生祭」が、今年も無事開催されました。2020年からは新型コロナウイルスの影響により、オンラインでの開催が続いていたこのイベント。今年はその第1回以来となるオフラインに、オンライン配信を組み合わせての開催となりました。会場となったのは、東京・丸の内にある三菱ビルの地下1階、「GASTRO-PUB COOPERS(クーパーズ) 丸の内二丁目店」。大いに盛り上がったこのイベントの模様を、前後編の2回に渡ってお届け。今回は前編として、小杉卓氏の書道パフォーマンスで幕を開けた前半部分をご紹介します。

35年の時を経て捲土重来!! 伝説のホップ、ソラチエース

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とはいえ、ご存じでないかたに、まずはソラチエースについて説明せねばなりません。ソラチエースは、サッポロビールが育種開発をしたホップの一品種です。1984年9月5日に品種認定を受け、晴れてデビューを飾るのですが、実は長らく不遇の時代(?)が続きます。ソラチエースのフルーティーな香りは日本で主流となっているピルスナータイプのビールには少し個性が強すぎたのですね。

 ソラチエースが再び表舞台へと躍り出ることになったのは、2000年代半ばになってから。アメリカに渡ったソラチエースはホップ農家のマネージャー、ダレン・ガメシュ氏に見出されたことをきっかけに、ヨーロッパのクラフトビール醸造家たちの目にとまり、世界中のビール好きをあいだで大きな話題となっていきます。

 そうした流れの中、2019年に満を持してデビューを果たしたのが、「SORACHI 1984」。新たな品種としての認定を受けてから実に35年の時を経て、日本でビールとしてのデビューをはたしたのが、ソラチエースというホップなのです。

 今年も開催された「ソラチエース誕生祭」は、ソラチエースが品種認定を受けた毎年9月5日に開催されているイベント。SORACHI 1984が発売された2019年からはじまり、今年で5回目を迎えましたが、会場にゲストを迎えての開催は、第1回以来となる、2回目です。

 当日は昼前から会場設営、さらにリハーサルと準備を重ね、そしていよいよ18時30分、開演のときを迎えました。

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“ソラチエース誕生祭式乾杯の流儀”とは!?

MCを務めるのは、このイベントでは毎度おなじみ、実演販売士として圧倒的人気を誇るジャンプ中澤さん。「SORACHI 1984」のブリューイングデザイナーである新井健司とともに、中身盛りだくさんの本イベントを盛り立てます。

 前述のように、ゲストを迎えての開催はひさびさのこと。その熱気を前に、新井が「感無量」と感嘆すれば、中澤さんは「最高!」と表現。毎年このイベントにオンラインでご参加いただいている皆さまには、その雰囲気の違いが十二分に伝わっていたかと思います。

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2人による一通りの挨拶のあと、まずは「SORACHI 1984」における乾杯の流儀をおさらい。「SORACHI 1984」のイベントでは、乾杯の音頭に続きに、みんなでグラスやジョッキ、缶を掲げ、「ソ“ラ”ーチ!」と応じるのがお約束。このとき、“ラ”にアクセントを置いて、語尾を上げるのがポイント。会場、そして配信のご覧の皆さまとともに乾杯からのスタートです。

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乾杯に続いて紹介されたのは、今年から企画がスタートした動画コンテンツ「SORACHIの集い#2」。これは北海道出身の下國 伸シェフが考案した「SORACHI 1984」に合う料理を囲み、シェフとゲストがいろいろと語り合うというシリーズものです。このイベント当日、9月5日に公開されたばかりの第2弾では、ファッションデザイナーの森川拓野さんと、書家の小杉卓さんをゲストに迎えています。トップクリエイターばかりが顔を揃える異業種交流会のような雰囲気のなか、おいしい料理とSORACHI 1984が出演者たちの会話を弾ませます。

 ところがこの映像、「あれ?」というところで終わってしまいます。全編通して50分ほどあるのですが、流れたのはその触りの10分間だけ。3人がおいしいビールと料理を前に、どんな会話を交わしたのか、気になるかたは以下のアドレスからぜひ動画をご覧ください。

●SORACHIの集い#2

 ちなみに第3弾にはジャンプ中澤さんがご出演され、すでに収録は終わっているとのこと。こちらも期待しちゃいますね。

思わず息を呑む小杉卓さんの書道パフォーマンス

 実は「SORACHIの集い#2」が流れているあいだ、会場では大がかりな準備が進行していました。次は動画に登場した書家・小杉卓さんの書道パフォーマンスのコーナーだからです。

 小杉さんは「ソラチエース誕生祭」に毎回ご出演いただき、その年ごとのメッセージが込められた素晴らしい書を披露してくださっています。しかし、それも今までは配信スタッフだけが見守るなかでのこと。今回のように、お客様が集う空間でのパフォーマンスは初めてです。

 まずは「この空間を共有できることが非常にうれしい」と会場にその想いを伝え、「興味のあるかたは前のほうに集まってください」と小杉さんはお客様に声をかけました。

 詰めかけたお客様に囲まれるようにして、小杉さんのパフォーマンスがはじまります。畳よりもはるかに大きな紙を前に、集中力を高めていく小杉さん。同時に会場内がしんと静まりかえります。紙面を筆が疾駆し、次々と紡がれていく文字。墨の香りがほのかに漂う中で最後に落款が押されたその瞬間、会場内の張り詰めていた空気がふっとほぐれていくのがわかりました。

実は先にご紹介した「SORACHIの集い#2」のなかには、小杉さんが墨の香りについて語るシーンがあるんです。墨は植物油を燃やしてできたススを集め、膠(にかわ)に混ぜて固めて作るのですが、スス自体は本来、ほぼ無臭なのだそうです。「え? でも墨って独特の香りがあるよね?」と思われたかた、ぜひ動画をご覧になってどういうことなのか、確認してみてくださいね。

小杉さんがしたためたのは、

「SORACHI1984 ソラチエースは 冒険を続ける 志」

というメッセージでした。

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志という漢字は、“士”と“心”からなりますが、もともと「士」は「之」という漢字が変形したものとのこと。「之」には“行く”や“向かう”といった意味があり、つまり、「志」とは「心が向かうところ」を意味しているそうです。

 配信を見ているかた、会場へいらしたお客様、みんなの心の行き先が、SORACHI 1984やソラチエースを要としてひとつに結びつく夜。そして、SORACHI 1984がなにかを志すお客様の背中を後押しするようなビールになって欲しい。小杉さんは、そんな想いをこの「志」という文字に重ねたのだそうです。

 書に込めた小杉さんの深いメッセージに、新井は思わず「ここで終わったほうがいいんじゃないかと思うくらいの……」ともらしますが、宴はまだまだ終わりませんよ?

そして恒例の乾杯へ……!!

 ソラチエース誕生祭では、伝説のホップ「ソラチエース」が品種認定された1984年にちなみ、19時8分4秒に乾杯をするのが恒例となっています。

 ここで改めてその乾杯をより楽しむためのソラチエース誕生祭流お作法を復習です。まずは乾杯のタイミング。19時8分4秒、と秒単位で乾杯のタイミングが決まってはいますが、とはいえ、オンライン配信ではどうしてもラグが発生してしまい、皆さんがご覧になっている映像と実際の時間ズレが出てしまいます。

 会場では正確な時計に合わせて乾杯するのと同様、配信をご覧の皆さんも、そのタイミングでまずは乾杯。そして遅れてやってくる映像上の乾杯に合わせて、もう改めて一度、乾杯。こうすれば、配信視聴者は2度の乾杯が楽しめるわけです。

 ソラチエースは日本で生まれ、海を渡ってアメリカでブレイク、世界で人気を博したうえで、日本へと凱旋、そして「SORACHI 1984」が生まれたという経緯があるのは前述の通り。「ソ“ラ”ーチ!!」とラにアクセントを置いて語尾を上げるという乾杯コールに関するお約束には、こうした経緯を踏まえたうえで、ちょっと海外風のアクセントで、そしてもっともっと上を向いていこうという想いが込められている、と新井が説明し、乾杯の時を待ちます。

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 と、同時に流れる生演奏での「ハッピーバースデートゥユー」。演奏しているのは、これも本イベントではお馴染みのアルプス音楽団の皆さまです。

 ここからは同楽団による生演奏のはじまりです。3本の長大なアルプスホルンによって奏でられる「アルプスホルンファンファーレ」にはじまり、「ホフブロイハウスのテーマ」、「Ein Prosit」でドイツ式の乾杯を唱和し、「ジプシーマーチ」、「ツビーファッヒャー」、「ヨーデル大好き」、「ヘイババリバ」、「雪のワルツ」と、ときに会場のお客様も手拍子や声で参加しながら、楽しい曲が続いていきます。

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クライマックスは9名のゲストがステージに上がり、クーグロッケン(カウベル)で演奏に参加しての「ドレミの歌」、続いてステージに上がった9名だけでなく、テーブルのお客様みんなも立ち上がって踊った「アヒルのダンス」です。そして乾杯の歌「Ein Prosit」でまたまた乾杯、最後は「ヴォラーレ」、さらにアンコールの「エビーバ・エスパーニャ」と、楽しい演奏は、10曲以上も続きました。

爽快さ格別の「北海道富良野ホップ炭酸水」

 ふと気づけば実演販売のときに着るネーム入りの赤いショートエプロン(?)姿となっているジャンプ中澤さん。ここからは本職のスキルを活かし、北海道日本ハムファイターズに所属していた元プロ野球選手の杉谷拳士さんとともに、とある商品やフードを紹介していきます。

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実は杉谷さん、「ドレミの歌」では率先してステージに上がり、1番低い“ド”の音を担当。「アヒルのダンス」でも、後に演奏を聴かせてくれるクラリネット&サックス奏者の辻本美博さんとペアを組んでステージでキュートなダンスを披露していました。

 マイクを渡され開口一番、「やっと喋れる!」と叫んだ杉谷さんは、今年の4月からポッカサッポロのレモンアンバサダーを務めています。その杉谷さんが紹介するのは、当然、ポッカレモン100、ではなくて、北海道上富良野町のホップ農園とともに作ったホップエキスを使用した「北海道富良野ホップ炭酸水」です。

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ホップが使われた炭酸水というと、ちょっと苦そう、と思われるかもしれませんが、苦味はほとんどありません。それよりもホップの香りがなんとも言えない爽快感を生んでいるんです。杉谷さん曰く、「常に前向きの気持ちにさせてくれるような、そんな爽やかな味。香りがすーっと鼻から入ってきて、新しい一歩を踏み出せるような、前向きな気持ちになれる。」とのこと。注目です。

 ――さて、ソラチエース誕生祭2023はもちろん、杉谷さんもトークはまだまだ続くのですが、【前編】はここまで。次回【後編】では、杉谷さんのトーク後半部分だけでなく、SORACHI 1984のTVCMで曲を担当されたクラリネット&サックス奏者の辻本美博さんのミニライブの模様などをご紹介します。お楽しみに。

(文・稲垣宗彦、写真・志田彩香)

 
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