日曜日の昼下がり、静かな通りに佇む一軒の店「your time」に集うお客様たち。カウンター越しには、それぞれの個性あふれる物語が聞こえてきます。パーソナリティのチャンカワイがお届けするTOKYO FMの番組「ヱビスビール presents Color Your Time」。

7月25日（日）、8月1日（日）のゲストは、建築家の半田悠人（はんだ・ゆうと）さん。自分時間「my time」にまつわる物語をひも解いていきます。

＊ポッドキャストでもどうぞ！＊

＊　＊　＊　＊　＊　＊　＊

◆伊豆大島のハワイ化計画？

半田：今は、伊豆大島でいろいろな設計に取り組ませてもらっています。伊豆大島って滞在できる場所が実は少ないんですよ。伊豆大島に遊びにくる人って、近場のハワイみたいなイメージを持ってくる人が多いんですね。でも（到着すると）イメージしていたものとはほど遠くて。そんなギャップを埋めるためのデザインの提案を今しています。

もちろん自然は豊かで海もキレイなんですけど、火山の土地なので砂浜が黒いんですよ。ハワイももともと同じ（黒い砂浜）なんですよね。

チャンカワイ：なるほど！

半田：あれは、白い砂浜を全部持ってきているんですよね。

チャンカワイ：あ、作ったんですね。

半田：観光のために作っていて、都市計画の一環なんです。

チャンカワイ：それを近場の伊豆大島で実現しようと！

半田：「できたらいいなあ」という大きな夢を掲げながら、何ができるかを今いろいろと試している最中です。

＊　　　＊　　　＊

チャンカワイ：（半田さんのお仕事は）人の心の動きも設計してくださるっていうことなんですかね？

半田：そうですね。家だけではなくて、大きな施設だったり、都市だったり、もっと言うと今は“建てない建築家”っていう人もいるんですよ。コミュニティ・デザインと言って、コミュニティをどう作っていくのか。これも実は建築の一種で建てなくても作れるっていうか。だから建築って、人の想像を超えて、人を豊かにするための手段なんですよね。

チャンカワイ：ちなみに、仕事におけるやりがいって何ですか？

半田：この建築物は「自分が使いたい」みたいな。「これを人に受け渡すのがもったいないな」って感じたときは、「いい仕事ができたな」って思いますね。

◆オフの日の大切な私の時間

チャンカワイ：完全なオフ日は、日曜日だとお聞きしているのですが。何かすることって決まっていたりするんですか？

半田：家の片付けをする日もあれば、どうしても出かけたくなってしまう日も多々あって。根がアウトドアなので、よく妻を連れて釣りに行ったりしています。すべてをオフにしたいっていうのは常にありますね（笑）。

チャンカワイ：日曜日を作ることで、やっぱりオンに切り替えやすくなりましたか？

半田：なったと思います。やりたいと思ったときって、モチベーションがマックスなんですね。人間って絶対にそう。

チャンカワイ：なるほど！

半田：「やりたいな」って思ったときにすぐできるように、（本気で）やりたいと思えるまでは、僕は仕事を休んでもいいと思ってます。建築仕事はものすごく好きなんですけど、つらい瞬間もたくさんあって。でもちょっと時間が空くと「やっぱりあれをやってみたいな」って思えるようになるんですよね。

クリエイターやデザイナー周辺って、常に納期に追われていて、みんな眉間にシワが寄っているんですよね。それはそれで（みなさんを）尊敬してきたんですけど、そろそろそういう時代ではなくて、しっかりと自分を管理して休むときは休むと。でもクオリティは下げずに。そんな時代がきっと来るはずなので、それをもっと後押ししていきたい。僕は「ユーモアを持ったものを（伴ったものを）作りたい」というテーマを掲げているんですけど、「こういう建築ってありなんだ」って言われるような、新しい建築家像を築いていきたいと思っています。

＜番組概要＞
番組名：「ヱビスビール presents Color Your Time」
放送日時：日曜 14:55～15:00
パーソナリティ：チャンカワイ
番組Webサイト：https://www.tfm.co.jp/podcasts/cyt/