自主的あるいは州政府の命令など理由の違いはありますが、新型コロナウイルス感染拡大で自宅待機を強いられたアメリカ人は、レストランやバーでドリンクを注文しなくなりました。今年3月にはデマまがいのニュースに踊らされてトイレットペーパーが欠品するという事態が起きましたが、その時と同じように、人々は今スーパーでお気に入りのドリンクを買い漁っているのです。

なかでも特に売れ行きが良いのが、12個のアルミ缶がひとまとめになったパッケージ商品。確かにガラス瓶やペットボトルよりも棚に並べて保存するのに向いているといえます。

しかしこの予期せぬ需要の高騰を受けて深刻なアルミ缶不足が起こり、モルソン・クアーズ、ブルックリン・ブルワリー、カール・ストラウスなどのメーカーが販売するドリンクの種類を限定したことから、自分のお気に入りの飲み物が売り切れで手に入らないと多くの消費者が不満を募らせたのです。https://t.co/hRcY054ULB

— CNN (@CNN) 2020年7月23日

「缶飲料など、持ち帰りに便利な飲み物の人気が高まっています。飲料メーカーは、品切れが起こらないように全力を尽くしています」とノンアル飲料を販売する企業を代表する米国飲料協会はCNNに対して文書で回答しています。一見するとアルミ缶が不足しているだけのようですが、詳しく調べてみると事態はそれほど単純ではないことが分かります。もちろん需要と供給のバランスの問題ではありますが、新型コロナウイルスの大流行も原因です。

「#mustardbeer（マスタードビール）の味は「思ったより悪くない」との評判のようです。6缶パックはすでに売り切れ。もっと欲しい人はいますか？」pic.twitter.com/NpG0VfvKK3

— Oskar Blues Brewery （オスカー・ブルーズ・ブルーワリー）(@oskarblues) 2020年8月1日

今年3月には、掃除グッズ、トイレットペーパー、ペーパータオル、食品、飲料などの生活必需品の買い占めが始まり、アメリカ中のスーパーの棚がからっぽになりました。そして、すぐからっぽになってしまう棚に商品を届けて補充するため、メーカー各社はフル稼働しなければなりませんでした。要するに今回は、消費者が缶入りの飲み物を買いだめしたのでアルミ缶が足りなくなったのです。これによって一番打撃を受けたのは、炭酸飲料の愛好家たちでした。Fast Company（ファスト・カンパニー）によると、ドクターペッパーをはじめとする飲料ブランドを所有するキューリグ・ドクターペッパーは、主力製品である「ドクターペッパー」の品薄状態が続いていることを認めています。

「近頃ドクターペッパーがなかなか手に入らない状態であることは把握しています。今頑張って製造しているので、もうしばらくお待ちください！」

注：ドクターペッパーのフレーバー全てについても同じです。新たに定番として登場したドクターペッパー＆クリームソーダもその一つです。pic.twitter.com/Kf0UedMuiw

— Dr Pepper（ドクターペッパー） (@drpepper) 2020年8月10日

上記のようにキューリグ・ドクターペッパーはツイッターで「ドクターペッパーがなかなか購入できない事態」に言及し、新作のドクターペッパー＆クリームソーダを含む全てのフレーバーが品薄状態であることを明らかにしました。キューリグはアルミ缶不足についてはコメントしていませんが、ビールメーカーの多くはこのために販売する商品の種類を絞り、製造縮小を余儀なくされています。でも、全メーカーの商品が全て売り切れるはずはないと思いませんか？　そうです、多くの場合、ドリンク自体の在庫はあっても、それを入れる容器が足りないのです。コカ・コーラも「日頃よりコカ・コーラ製品をご愛顧賜り、厚くお礼申し上げます。只今弊社ではお客様に製品をお届けするべく全力を尽くしています」とツイートしています。

皆さん！今も沢山の人が買いだめしていることは分かっていますが…

お願いですから、他の人のことも考えてください！ ?…??? –#panic #panicshopping #covid19 #shortage pic.twitter.com/VRK4chBlzB

— #Jaina (@jainastriker) 2020年8月9日

この記事はDigital Journal に掲載され、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまで。