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OTOAJITO:音楽家の 蓮沼執太さんをお出迎え♪
2017年以来、7年ぶりのご出演となった蓮沼さん。前回から今回までの間に、ニューヨークでの制作期間を挟んでいたということで、冒頭では現地での生活について伺いました。
2017年からニューヨークのブルックリンで制作をしていた蓮沼さんですが、コロナ禍や現地の友人たちがニューヨークから離れていき、自身も環境を変えたいと思い、日本へ戻ってきたとのこと。ニューヨークでの生活は音楽家の蓮沼さんに様々な影響を与えたそうですが、中でも大きかったのは、いわゆるレジェンド達のライブを多く見ることが出来たことなんだとか。「僕が学生の時とか、若い頃に聴いていたミュージシャンを目の前で観られたのは思い出になっています。パット・メセニーやカエターノ・ヴェローゾ、 トン・ゼー、あとはスティーヴ・ライヒとかフィリップ・グラスも観ました。音楽だけでなくパフォーミングアーツや映画もいろいろ観ましたね。
20世紀のアートの感じがギュッと詰まった場所っていうのは、今も変わらないんじゃないかと思います。」ちなみに蓮沼さんのニューヨーク生活を象徴するアルバムは、2019年にリリースされたジェイムス・ブレイクの『Assume Form』だそうです。
ブルックリンにある「BAM」というホールでたくさんのライブを観たとのことですが、他にも「キッチン」という会場も印象に残っているそう。「現代音楽とか前衛的なパフォーマンスをやっている場所で、老若男女が集まるんですよ。例えばこうやってタンブラーをカーンって叩くみたいに、物音を立てているだけのライブを50人くらいが真剣に観ているような空間。ニューヨークでは新しいお店が出来て、ニューヨークタイムスに載ると、次の日にはお年寄りから若い人達までが集まっていたりするんです。そういうのも良いなと思います。」
この流れから蓮沼さんが生まれて初めて観たライブについても伺いました。「中3か高1の時にエリカ・バドゥを観ました。僕はスケボーをやっていて、その時に仲良くしてくれていたお兄ちゃんが、なぜかエリカ・バドゥのライブに誘ってくれたんです。怪しい感じのステージでしたね。そういうのは日常ではなかなか体験出来ないので驚いたのを覚えています。この間もインスタか何かで、アウトキャストのアンドレ3000と一緒に演奏しているのを観たんですがドープ過ぎましたね。」当時は洋楽ばかり聴いていた蓮沼さんは日本の音楽に全然触れておらず、その時期を悔やんでいるとも述べていました。
最近観て印象的だったのは、蓮沼さんがサポートアクトで出演した北ロンドン出身のアーティスト、ロレイン・ジェイムスの来日公演なんだそう。「並木橋の近くにあるCircus Tokyoが会場だったんですが、人がパンパンに集まっていました。
ロレイン・ジェイムスはエレクトロニック・ミュージックのプロデューサーで、とにかく音が良いんですよね。有機的な音の響きをしていて、そこがとても個性的な人です。彼女はもともと日本の電子音楽が好きで、僕の音楽も知ってくれていたんです。それでオファーをいただいて、僕も以前からファンだったので出演させてもらいました。」
さて、そんな蓮沼さんが現在コラボレーションしてみたいアーティストとして挙げたのは、細野晴臣さん。「最近、細野さんのアンビエントミュージックをよく聴いていまして、80年代とか90年代に制作されていたと思うんですが、その時の思想に興味があるので、お話をお聞きしたいなって思っているんです。今は時間を感じさせない音楽に惹かれているのかな。それこそ先ほど話したアンドレ3000もフルートで作ったインストのアルバムをリリースしたんですよ。それもアンビエントとかスピリチュアルジャズっぽい作品なんです。」アンビエントミュージックに惹かれる理由について、「冷静になりたいというか、情報が多くて物事が移り変わるスピードも速いので、音楽くらいは落ち着いて聴きたいっていうのがあるのかもしれないですね。」と分析しました。
こちらは“https://www.j-wave.co.jp/original/otoajito/1465.html”の記事です。