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地下鉄銀座駅コンコースに直結の「日本一おいしい黒ラベルを提供する店」 サッポロ生ビール黒ラベル THE BARとは?
地下鉄銀座駅のA4出口手前にある「サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR」は、「日本一おいしい黒ラベルを提供する店」としてオープンしたスタンディング形式のフラグシップビヤバーです。「ビールがもっともおいしい瞬間は、その日の1杯目。」というコンセプトを掲げ、ご来店いただくお客様がその日の1杯目を「完璧な生」でスタートしていただくべく、誕生しました。
冷水が噴き出すグラスリンサーによってすすがれ、キンと冷えたオリジナルの特製グラスには、2種類のカランから3通りの注ぎ方で提供される、サッポロ生ビール黒ラベル。このお店では、パーフェクト黒ラベル、ファースト、ハイブリッドと、同じビールながら注ぎ方次第で変化する味わいを楽しむことができます。
こんな尖ったお店がどうして銀座という街に生まれたのか。その背景を、担当者であるマーケティング本部ビール&RTD事業部サッポロブランドグループの宿谷えりなが語ります。
気軽にふらっと立ち寄って、究極の1杯を
――この「サッポロ生ビール黒ラベル THE BAR(以下、黒ラベル THE BAR)」はどういった経緯で作られたお店なのでしょうか?
宿谷えりな(以下、宿谷):そもそも銀座という場所とサッポロビールのあいだにはすごく深い繋がりがあるんです。7丁目には1934年に開業した日本最古のビアホール「ビヤホールライオン 銀座七丁目店」があります。このお店はもともとサッポロビールの前身である大日本麦酒の本社ビルだった場所にオープンしたものなんです。
――札幌や恵比寿だけでなく、銀座もサッポロビールと縁の深い土地なんですね。
宿谷:そうなんです。ご縁のあるこの銀座でおいしい黒ラベルを飲んでいただけるお店を作りたい、銀座に恩返しをしたい、そんな想いから出店企画はスタートしています。
――いつオープンしたんですか?
宿谷:2019年7月にオープンしました。
――何杯も飲んでいただきたい、ゆっくりしていただきたいというお店がほとんどだと思うのですが、この黒ラベル THE BARは2杯までしか頼めません。これはオープン当初からですか?
宿谷:私たちはもっともビールをおいしく感じる瞬間は、その日の1杯目だと考えています。ビールを知り、飲み続けている私たちだからこそ、その1杯目に想いを乗せてご提供したい。それがこの黒ラベル THE BARのコンセプトの根幹です。
スタンディングバー形式にしたのも、腰を据えてゆったりというより、気軽にふらっと立ち寄って究極の1杯を味わっていただきたいからですね。
黒ラベルを注ぎ分けるカランの秘密とは!?
――黒ラベルのみの提供なのに、ビールを注ぐカランはそれぞれの場所に2本ずつあるんですね。
宿谷:そこが黒ラベル THE BAR最大の特長なんです。当店では、現在広く使われている「2口カラン」をベースにした「パーフェクトカラン」のほかに、古い歴史のある「スイングカラン」も設置しています。ご存じないかたのために説明しますと、2口カランはビールが出る注ぎ口が2口あるカランのことです。上部のレバーを手前に倒すと奥側の注ぎ口からほぼ泡立たない状態のビールが、レバーを奥に倒すと手前側の注ぎ口から泡だけが出てくる構造になっています。
――ビールと泡の注ぎ分けができるんですね。
宿谷:そうですね。意識的に泡だけを注げるので、理想と言われるビールと泡を7:3の配分で注ぎやすい作りになっています。「パーフェクトカラン」は、手前側の泡だけが出てくる注ぎ口の先端に「パーフェクトチェンジャー」というものを装着したものです。
――パーフェクトチェンジャーとはどういうものですか?
宿谷:通常は注ぎ口からは泡が下向きに流れ出ます。パーフェクトチェンジャーを装着すると、ビールが水平に出てくるようになります。グラスの内面に沿わせるように優しく注ぐことができるので、泡持ちが良いミクロン単位の泡ができるんです。
――先ほど注ぐのを見ていたときに、確かに泡が横向きに出てきていて、ちょっと驚きました。飲食店で「パーフェクト黒ラベルが飲めるお店」と書かれたパネルを見ることがありますが、これで注ぐ黒ラベルが「パーフェクト黒ラベル」なんですね。
宿谷:黒ラベルをパーフェクトカランで注いだだけでは「パーフェクト黒ラベル」とは呼べません。
パーフェクトにクリーミー(Creamy)な泡、パーフェクトにクリア(Clear)なビール、パーフェクトにコールド(Cold)な温度と、3つの「C」を実現して初めて「パーフェクト黒ラベル」と呼ぶことができるんです。
徹底的に洗浄されたジョッキやタンブラーに注ぐからこそ実現できる「グラスの内側に気泡がつかないクリアなビール」に、パーフェクトチェンジャーで生み出される「ミクロン単位の口当たりのよい泡」を乗せ、「黒ラベル本来の味や香りが楽しめる2~6℃の温度」でご提供する。これが「パーフェクト黒ラベル」なんです。
――なるほど。3つのCがそろってはじめて黒ラベルは「パーフェクト」と呼べる、と。もう一本のスイングカランはどう違うんでしょうか?
宿谷:パーフェクトカランなど、現在の一般的なカランはレバーを上から手前に倒すとビールが注がれますが、スイングカランはバットを振るように奥から手前に水平にレバーを動かすとビールが注がれます。
今から80年以上前からビヤホールで使われていたカランで、ビールが出てくるスピードがパーフェクトカランの3~4倍速いところも大きな違い。このスピードを活かして一気に注ぐんです。
――スイングカランで注ぐビールは、つまり「昔懐かしいビアホールの味」っていうわけですね。
宿谷:そうなんです。
3通りの注ぎ方で黒ラベルを堪能
――パーフェクトカランとスウィングカランはどう使い分けられているんですか?
宿谷:黒ラベル THE BARでは、2本のカランを使い分けて、3通りの注ぎ方で黒ラベルをご提供しています。
まずはパーフェクトカランを使って注ぐ、「パーフェクト黒ラベル」ですね。まずはグラスを押しつけると上向きに冷水が吹き出るグラスリンサーという機械を使ってビールとの温度差がなくなるようにグラスを冷やします。そこにパーフェクトカランから黒ラベルを注ぎ、最後にグラスに沿わせて、ミクロン単位の泡を泡付けします。
――黒ラベル THE BARではもっとも基本となる注ぎ方ですね。ほか2つはどんな注ぎ方ですか?
宿谷:2つめの注ぎ方は「ファースト」。これはスウィングカランを使い、通常のカランの3~4倍と言われるスピードで一度にグラスへ注ぎ込みます。のど越しの爽快感を楽しむような、いわゆる昔ながらの「ビアホールの味わい」が楽しめる注ぎ方ですね。
――なるほど、スウィングカランの持ち味を活かした注ぎ方なんですね。3つめの注ぎ方はどういうものでしょう?
宿谷:2つのカランを使って注ぐ「ハイブリッド」ですね。まずはパーフェクトカランから液体を注ぎ、スウィングカランで泡付けを行います。パーフェクト黒ラベルと同様のクリアな液体と、スウィングカランならではのはじけるような泡が楽しめる、黒ラベル THE BARオリジナルの味わいですね。
――どれも黒ラベルながら、注ぎ方は3通り。“黒ラベル専門店”ならではの提供方法ですね。
宿谷:飲食店さんではジョッキやグラスを冷蔵庫で冷たいビールを提供していますが、当店では3つの注ぎ方すべてで「グラスリンサー」という設備を使っています。
――グラスリンサーを入れているお店ってあまり見かけないですね。
宿谷:けっこう珍しい設備だと思います。黒ラベル THE BARではグラスを常温で保管しています。それをグラスリンサーから吹き出る冷水ですすぐことで、グラスを冷やしすぎることなく、私たちが考えるパーフェクトな温度で黒ラベルをご提供できるんです。
毎月速攻で定員満了! 店内でのグラスキープが可能
――お店の奥のガラス張りになっているコーナーにずらっと並んでいますが、あれは?
宿谷:お客様の「自分だけのグラス」をあそこでキープしているんです。
――ボトルキープではなく、グラスキープなんですね。
宿谷:はい、毎月70名さま、7月だけは100名さま限定の先着順で、グラスがキープできるんです。グラスにはそれぞれ個別の番号が振られていて、ご来店時にその番号をお伝えいただくと、そのグラスに注いで黒ラベルをお出しするというシステムになっています。
――キープにかかるお金はどれくらいですか?
宿谷:1年間で500円ですね。
「銀座」を感じさせる「大人のバーフード」を提供
――フードの提供はあるのでしょうか?
宿谷:やはり「もっともおいしく感じる1杯」を楽しんでいただくためには、フードメニューも大切です。そこで、黒ラベル THE BARでは「大人のバーフード」をコンセプトに、メニュー開発を進めてきました。
なかでも当店イチオシなのが、「銀座サンド」です。銀座の名店とコラボして黒ラベル THE BARのためだけにサンドウィッチを開発しているんです。
――銀座の名店っていくつもありますけど、コラボのお相手は定期的に変わっていくんですか?
宿谷:銀座サンドも名前こそ同じままですが、毎月違うものをお出ししていて、コラボ先については2か月ごとに代わっています。
――毎月違うフードが楽しめるのはいいですね。
宿谷:フードはそのときどきの季節を感じられるものをお出ししています。いつも変わらない黒ラベルのおいしさを、毎月のフードメニューとともに味わっていただく。これも黒ラベル THE BARの魅力としてとらえていただければと思っています。
20代の若者にも人気の黒ラベル 当店を目指して地方からいらっしゃるお客様も
――地下鉄銀座駅の出口手前という立地ですが、お客様は仕事帰りのかたが中心なんでしょうか?
宿谷:もちろん仕事帰りにお寄りいただくケースも多いのですが、老若男女、さまざまなお客様がお見えになります。14時にオープンすると、銀座でのショッピング帰りのマダムがちょっと早めに、ですとか、カップルのかたが当店で待ち合わせてビールを楽しまれてから夜の銀座へ繰り出したりとか……。
仕事帰りのお客様にしても、上司と部下の二人組とか、女性がおひとりでふらっといらっしゃるケースもありますし、本当にいろいろなスタイルで黒ラベルをお楽しみいただけてます。
――黒ラベル THE BARに一度に入れるお客様は30名くらいでしょうか? あまり大きくありませんが、見ていると10人ぐらいの列ができていても、それほど待たずに入れてますね。
宿谷:やはり2杯までという制限があるので、お客様の回転は速い方です。スタンディングバー形式ということもあって、平日はもちろん、土日は特に何かのご予定の前に気軽におよりいただけている感じですね。
――2杯と言わず、「もっと飲みたい」というお客様も多いのでは?
宿谷:むしろ「いつも飲み過ぎちゃうので、ここは2杯までで安心」とおっしゃっていただいたこともあります。「2杯まで」というそのルールについても楽しんでいただけている印象です。
――オープンしてみて意外に感じたことはありますか?
宿谷:最近は黒ラベルが20代のお客様に人気ということもあって、SNSなどで当店のことを知った若い男性がグループでいらっしゃるケースもあって、そこが個人的には意外でした。銀座というとやっぱり「大人の街」というイメージでしたから。
福岡と大阪でも期間限定のTHE BARを開設
――地方からお越しのお客様もいらっしゃるんでしょうか?
宿谷:はい、「黒ラベル THE BARにどうしても来たくて」と、遠くから起こしのお客さんもいらっしゃいます。当店が銀座という街に来る理由のひとつになっているならすごくありがたく、そしてうれしいですね。
――銀座以外にも作る予定はないんですか?
宿谷:7月から9月にかけて、期間限定店舗を開設する予定です。
――場所はどちらになりますか?
宿谷:まず7月13日から8月6日までの約1ヶ月間、福岡駅筑紫口を出て徒歩2分くらいの博多活憩通り(いきいきどおり)ですね。新幹線博多駅の高架下になるんですが、そこにオープンします。次が大阪で、こちらは8月17日から9月10日まで、梅田の駅前にあるリンクス梅田の1階で営業します。
――銀座のこのお店と同様、どちらの限定店舗も駅からすぐ近くで行きやすそうですね。
宿谷:やはりお越しいただくのになるべく立地のいい場所を、と、頑張って探しました(笑)。「やっと見つけた!」という感じでした。
――2カ所の限定店舗でもメニュー構成は銀座と同じになるんでしょうか?
宿谷:お出しする黒ラベルはもちろんそのままなのですが、フードが違いますね。福岡、大阪と、それぞれの場所ごとに異なる「おつまみ盛り合わせ」を開発しました。福岡なら福岡の、大阪なら大阪の名物を楽しんでいただけるこだわりのおつまみです。
――そのおつまみ盛り合わせ、中身が気になりますね。
宿谷:福岡は鹿児島の「さつま揚げ」、博多の「いか明太」、熊本の「からし蓮根」が入っていますね。大阪はまだ詳細は明かせないのですが、「あんぺい」や「泉州水茄子漬け」などが入る予定です。
――あんぺいってどんなものですか?
宿谷:ハモを原料とした真っ白な関東のはんぺんみたいな練り物で、ふわっと柔らかく、味わい深い逸品です。冷たく冷やして食べる、関西における「夏の風物詩」ですね。
福岡も大阪も期間限定なので残念ながらグラスキープはできないものの、それぞれ独自のご当地フードメニューが提供される。
常にパーフェクトな黒ラベルを提供し続ける黒ラベル THE BAR
宿谷:黒ラベルは完璧な生ビールを味わっていただけるよう、常に進化する姿勢を示し続けてきたブランドで、当店もそれと同じように、スタッフのトレーニングも日々欠かさず、常に完璧な生ビールをお出しできるよう努めています。
――もっともおいしい黒ラベルを提供できるお店であり続ける、というわけですね。
宿谷:理想を高く持ってはいますけど、黒ラベル THE BARは皆さんにとって、楽しくビールをのんでいただき、それをうれしいと思っていただける、身近な場所でありたいと思っています。
まだいらっしゃったことのないかたは、ぜひご来店のうえ、黒ラベルの世界観と完璧な生ビールを体験していただきたいですね。また、過去にいらしたことがあって、最近足が遠のいていらっしゃるかたは、完璧な黒ラベルを味わいに来ていただけるとうれしいです。
銀座にお立ち寄りの際は、ぜひ地下鉄A4出口手前にある「黒ラベル THE BAR」へ。いつでも完璧な生ビールでおもてなしをいたします。
(文責:稲垣宗彦)