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漫画家 パピヨン本田の1コマ漫画で見る。「お酒好きのふとした日常」 その三

「飲まないと決めた日に限って誘われる」「やたら語りたくなる推しの酒場」――お酒好きには、お酒好きならば、ついつい共感してしまう“生態”や“あるある”があるもの。本企画でご紹介するのは、そんな共感してしまう“お酒好きのふとした日常”を切り取った1コマ漫画。漫画家/イラストレーターであるパピヨン本田さんに1コマ漫画を描き下ろしていただいた。飾らないのに心に残る、そんな飲み時間を、クスッと笑えて少し沁みるユーモアで描いてもらいました。今夜の晩酌のアテに、どうぞ。

大人な嗜みをしたくて、
お酒とおつまみの「産地」を合わせちゃう。

「イタリアンに来たから、せっかくだしイタリアワインにする?」

「北海道のワインがあるから、北海道のチーズなんて粋な合わせ方でいっちゃおう」

お酒とおつまみの産地を揃えるというペアリングの技。お酒好きなら、知らず知らずのうちに身につけているお作法かもしれません。

だってお酒好きは、よく知っているから。その組み合わせが「1+1」=2で終わらず、3にも5にも幸せがふくらんでいくことを。

舌で味わいながら、心は遠くの土地に思いを馳せる。

「ああ、今日はいい夜だ」

豊かなお酒の時間はいっそう豊かになり、思わずそんな声がこぼれてしまう。大人らしいお酒の愉しみ方をこれからも探求していきたいものです。

酔った勢いでスマホに
「意味不明なメモ」を残す。

楽しかった夜の記憶は、いつもどこか曖昧。だけど、起きてしばらくしてから「そういえば、何か書いた気がする」とメモアプリを開いてみる。

そこに残されているのは、「イヌ、ソラ、アオ」という謎の単語の羅列。 あるいは、書きかけのまま途切れた、誤字だらけの壮大な長文のアイデア。

昨夜の自分は、間違いなく確信していたはずなのです。「これは天才的なアイデアだ!」と。

しかし今の自分には、それが何を意味するのかさっぱり分からない。異国の暗号でも解読するように頭をひねってみるけれど、答えは霧の中。

残された文字たちを見ると、少し、いや、かなり残念なのですが、「まぁいっか」と、不思議と愛しく思えてきます。

もしかすると私たちは、あの夜に置いてきた幻のアイデアと、 そのときに感じたきらめきをもう一度捕まえたくて、また酒場の暖簾をくぐってしまうのかもしれません。

家飲みの至福。
酔いが回ったら「そのままダイブ」。

家飲みの最大の特権。 それはなんといっても「帰らなくていい」という絶対的な安心感です。

もちろんお店で飲むのも楽しいですが、終電を気にしたり、とろけるような眠気と戦ったり。寒い中コートを着込んで、バッグの底から鍵を探し出す。なんていう、現実に引き戻される瞬間が待っています。

けれど、家飲みは違います。

お酒で心地よくなったその瞬間に、くるりと振り返れば、そこにはもう天国(ベッド)がある。

メイク落とし?着替え?今日はもう、諦めてしまいましょう。

「まぁ、いっか!」そう呟いて、ソファやベッドへ豪快にダイブ。その解放感たるや、計り知れません。外飲みでは味わえない最高の贅沢、癖になります。

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クレジット:
illustration_Papillon Honda
Text_Nana Tabara
Edit_Tenji Muto(amana)

プロフィール

パピヨン本田

1995年生まれの作家。2021年5月からX(当時のTwitter) に美術にまつわる漫画をアップしはじめ、またたく間に人気を得る。美術史やアーティスト、展覧会、ギャラリーなど、美術業界の様々な題材で漫画制作をするほか、近年では企業タイアップや各媒体での執筆など活躍は多岐にわたる。また、美術作家として別名義で創作活動をしている。主な著書に『常識やぶりの天才たちが作った美術道』(KADOKAWA)、『美術のトラちゃん』(イースト・プレス)がある。また、ウェブメディア『CINRA』で「美術のトラちゃん」連載中のほか、集英社のウェブメディア『UOMO』にて「コンセプチャル・ガール」を連載している。

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