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好きだから実現したい、“世界一のチームワーク”サッポロビールで働く人の 「I・eye・愛」 vol.10 ―組織風土変革担当 竹内利英

――あなたは仕事やプライベートにどんな「アイ」を持っていますか? きっと誰しも強いこだわりや熱い想いを持っているのではないでしょうか。本企画では、サッポロビールで働く人に、「私はこんな職種(I)」で、「こんな視点(eye)」で仕事をしていて、「こんな想い(愛)」を持っている、といった3つの「アイ」を語ってもらいました。みなさんが普段飲むお酒をつくる人たちの思いとは。そこには意外な仕事とユニークな人たちがいました。

連載第10回目は、人事総務部 組織開発プランニング・ディレクターの竹内利英に取材。営業から人事にキャリアチェンジし、サッポロビールの組織変革に日々奮闘している竹内。その熱い想いに迫ります。

・座右の銘は「Playful&Unlock」。仕事も遊びも本気で夢中になるから楽しい

・本業、副業、ボランティア、多数の顔を持ち社内外たくさんの人と日々交流

・意外と言われることが多いが、実は“超絶気にしい”な性格

“世界一チームワークのいい会社”を目指す。
組織風土変革に挑む人事担当             

――まずは、入社してからの経歴を教えてください。
竹内:2007年にサッポロビールに新卒入社し、宮城県の外食営業担当からキャリアがスタートしました。その後、2010年からは東京での外食営業に携わりました。約10年半の営業時代、私は常に経営理念と、入社時に存在した「開拓者の誓い」に則り、「お客様をより楽しく豊かにすること」と「自分が関わる人の心に火をつける着火剤のような存在になること」を心がけて活動していました。

――「経営理念やビジョンを実現する」とは、営業現場だと具体的にどのような取り組みになるのでしょうか。
竹内:自身の担当エリアで一人でも多くのお客様が私の活動を通して「より、楽しく豊かになっている状況」を考え、5年後のありたい姿を言語化し、そこから逆算して毎年の目標を設定していました。5年後には担当者が変わっている可能性がありますが、「自分がいなくなっても、永続的にサッポロビールを応援してくれる市場」をつくることが自身の役割だと考えて毎年のアクションプランを設定していました。

「営業は数字を達成するのが仕事」だと思われがちですが、それは目的ではなく、企業が理念・ビジョンを実現するために必要な手段だと考えています。当社のブランドがお客様の目に入らなければ、お客様にとって必要のない企業になってしまう。自身のエリア戦略を完遂するために、数字の達成は絶対条件であるという捉え方で仕事をしていました。そのような考えがカルチャーとして根付く東京中央支社で仕事ができたことに感謝しています。

――営業職から、現在所属されている人事総務部に興味を持ったきっかけは何だったのでしょうか。
竹内:営業職のラスト3年間に労働組合の活動に携わったことがきっかけですね。労働組合では年に1回、役員に向けて会社をより良くするための提言を直接行うことができます。また、組合活動以外でも、「サッポロビールをもっと強くて良い会社にしたい」と思う仲間たちと業務時間外に集まり、勉強会を開いたり、会社への提案を実施したりしていました。その取り組みを応援してくれていた人事の方と話をする中で、「全社員が理念体系の実現にコミットした一枚岩の組織づくり」に挑戦したいという思いが芽生え、今のキャリアにつながっています。

――人事総務部に異動して、その組織づくりはすぐに実現できましたか?
竹内:いざそれが本業になると、約2000名の社員の想いを一つにすることの難しさを痛感しました。必死に取り組んでも、自分と波長の合う一部の人にしか考えが伝わらないのです。「情」に訴えるだけでは限界があると感じ、自身の力不足を補うために、「理」の部分もスキルアップしようと試行錯誤するようになりました。

――具体的にどんなスキルアップに取り組んだのですか?
竹内:企業内の人財育成や組織開発の専門家育成機関であり、世界トップレベルのビジネススクールの認証を受けている、立教大学大学院のリーダーシップ開発コースを受験し、働きながら2年間学びました。そこで、人財・組織・リーダーシップに特化した経営学の修士号を取得しました。知識・スキルの獲得と、ビジネス現場での実践を2年間往還し続ける大学院であり、毎週のように学んだことを自社の実践に還元する、そんな日々を過ごしました。

この経験がキャリアの広がりにもつながり、今年からは、岡山大学大学院の非常勤講師として、修士・博士コースの学生にキャリア教育の講義を担当しています。また、VUCA時代と言われる変化の激しい社会環境の中で、答えのない課題に向き合い、組織として強くなっていくには、リーダー層が「質の良い問い」を投げられるコーチに変わっていく必要があると考えました。そこで、この秋からはコーチングスクールに通学を開始しました

――現在はどのような仕事をしているのでしょうか。
竹内:現在は、組織開発プランニング・ディレクターとして、「サッポロビールを世界一チームワークの良い会社にする」という目標のもと、カルチャー変革を目的としたさまざまな取り組みを行っています。当社に必要だと考え、信念を持って学び、実践してきたことに専念するチャンスをもらっているので、大きなプレッシャーとともに、この上ないやりがいを日々感じています。

――ちなみに、営業と人事で、仕事に対する意識や取り組みに違いはありますか?
竹内:違いはありませんね。日々の具体的な業務内容は異なるかもしれませんが、目的は常に一緒です。つまり、「経営理念を実現するために働いている」ということです。

eye  ー 私はこんな視点で、

大学野球部での経験。
”チーム作り”の視点で組織改革に挑む

――仕事をする上で、最も大切にされている「視点」は何でしょうか。
竹内:私が仕事で最も大切にしている視点は、サッポロビールの経営理念である「世の中を楽しく豊かにできるかどうか」です。これに尽きます。入社式で、当時の社長が「迷ったら経営理念に照らして考えよ。うちのルールはそれだけだ」とおっしゃっていました。私は、その言葉に共感し、指針としてこれまで歩んできました。

――そもそも、竹内さんご自身が「会社を良くしていきたい」「変えていきたい」と強く思うようになった原体験はどこにあるのでしょうか。
竹内:大学の部活動で「チーム作り」に目覚めたことです。私は大学で軟式野球部に所属していました。その大学では硬式野球部の方が有名で、プロも輩出するほどの強豪です。一方、軟式野球部には、硬式に入れなかったけれど、サークルではなく部活として野球をしたいという学生が入ってきます。

私たちの部には、社会人の指導者は存在せず、スタメンや試合中の采配、年間の練習メニューから公式戦の運営管理まで全て部員たちで実施します。そのため、毎年新チームで臨む春のリーグ戦では統率が取れず、メンバーがバラバラで雰囲気は最悪。試合に負けることも多かった。しかし、夏になると「何のために私たちは野球をやっているのか」というガチ対話、今私がまさに取り組んでいる組織開発の取り組みが自然発生するのです。

そうして、チームが一つになっていきます。春には腐っていたようなメンバーが、試合には出られなくても自分がチームに貢献できる役割を見つけて、全員が同じ方向を向いて一つになって取り組む秋のシーズンは常に優勝か準優勝。チームが目的のもとに一つになることで、結果が大きく変わるということを体験しました。

私は、サッポロビールでこれを実現したいと考えています。能力や個性は違っても、同じ目的に向かって一人ひとりが行動すれば、想像以上の結果を生み出せると信じているのです。

――そういった「チーム作り」の視点を持って、現在も組織変革に取り組んでいるのでしょうか?
竹内:そうですね。いまサッポロビールでは、社員側は「会社になんとかしてほしい」と期待し、会社側は「社員がもっとがんばってほしい」と思っている、どこか背中合わせにもたれ合っているような関係性が少なからずあると感じています。そうではなく、お互いが自立・自律して向き合い、「個と組織が共に成長し合える関係」に変化しなければならないと感じています。

他には、当社の社員は会社や自社商品に対して強い愛を持っていることがデータで分かっています。これは本当に素晴らしいことですよね。一方で、「会社に一体感を感じる」というスコアにはまだまだノビシロがあります。この差分こそが、私たちがロスしている「組織力」です。ですから、「愛」と「一体感」をイコールに引き上げていきたいのです。

愛  ー 私はこんな想いを、

自社愛があるから。達成の覚悟を。
「成長の喜びを感じ合える会社へ」

――現在、具体的にどのような変革の取り組みを行っているのでしょうか。
竹内:組織変革の鉄則は、トップから変わることです。当社では本年より、新社長のもと、一人ひとりが覚悟をもって意識と行動を変えていくことを期待されています。そのためには、まずは社長や役員から意識と行動を変えていく姿勢を示し、それが社員に認知されるまで徹底していくことが必要です。そこで、昨年から役員にも360度評価を導入しました。評価結果をもとに役員が自らを見つめ直して行動を変えていくセッションを昨年から開始しています。

また、良いリーダーは、メンバーに良質な問いを投げかけるスキルが必要です。問いを投げかけることで、メンバーは「どうすべきか」自分で考え、判断し、行動できるようになり、持続的に成長することができます。そこで、メンバーの成長を支援する役割を持つ役職者がそのスキルを身に付けるための学習機会を充実させて、各部で一人一人のメンバーが主体的に行動できる風土が生まれるように注力していきます。

さらに、全社員の「リーダーシップ強化」も進めます。リーダーシップとは「人や組織に対して与える影響力」です。サッポロビールのビジョンである「誰かの、いちばん星であれ」とは、一人一人が自分の仕事を通して、「自分以外の誰か」の心を動かし、唯一無二の存在となることを意味しています。これはまさに、人に影響を与えることであり、すなわち全社員がリーダーシップを磨き続ける必要性を示しています。当社にとってリーダーシップとは、特定の人だけではなく、全社員が磨くべきスキルなのです。

リーダーシップを磨く方法には明確なものがあり、フィードバック(他者から評価や意見をもらう)をもとに、リフレクション(自分自身で振り返る)する習慣を持つことです。これまでは業務外の自己啓発として有志でトレーニングを行っていましたが、チームリーダー向けの研修プログラムにも導入しました。7人からスタートしたこの取り組みですが、徐々に100人規模へと拡大し、社外からも注目される取組として育ってきました。リフレクションとフィードバックが活発に行き交う組織を目指します。

――実現したい組織の姿について、ゴールイメージはあるのでしょうか。
竹内:目指したいゴールは、「学び合い、高め合い、個と組織が共に成長の喜びを感じ合える会社」となり、「新たに加わってくれる仲間に、成長しあえる環境を約束できる会社」に進化することです。

「サッポロビールに入ったら成長できる環境がある」ということを、社員全員が自信を持って言い切れる状態にしたい。そうなれば、当社で継続的にキャリアアップできるイメージが明確に持てるはずです。社員自身が人生を楽しく豊かに過ごせているからこそ、それをお客様に還元することができます。結果として理念体系を実現している会社になれると信じています。

――これまでの手応えや進捗についてお聞かせください。
竹内:会社とは2年後時点での組織の状態を握りましたが、正直に言うと、この半年間は課題特定や施策立案に時間を使いすぎてしまったことを反省しています。個別組織の組織開発支援は行ってはいますが、草の根活動が中心で、全社員の目に見えるようなアクションがまだできていません。そのため、今はペースを上げ、ロードマップを策定し、2年後までに各階層ごとに何をすべきであるかを整理して変革を推進していきます。

――2年後のゴールに向けて、竹内さんの想いを改めて教えてください。また、サッポロビールの仲間に向けてメッセージをお願いします。
竹内:私の不変の想い、そして目標は、「サッポロビールを世界一チームワークの良い会社にする」ことです。つまり、社員が自身の魅力・能力を100%発揮できていて、会社および自身のビジョン実現に取り組んでいる状態になることが理想です。例えば、様々な事情で業務に制約があるヒトも、その範囲の中で自分のベストを尽くせていれば充実感を感じられるはずです。「商品開発がしたいけど、異なる仕事でモチベーションが上がらない」のではなく、自身の自己実現のありたい姿を言語化し、「自分がなぜここにいるのか、なぜそれをしたいのか」を自問自答し、考え抜き、ありたい姿からバックキャストして、今の仕事に対する意味付けを自身で行えていれば、「今ここ」の自分の役割にコミットできると考えています。全員が自分だけの、「今ここで働いている意味」に向き合い、多様な個性を理念=目的のもとに発揮しあう集団、それが私の思い描く「世界一チームワークの良い会社」です。「○○しなければならない」「○○すべきである」という抑圧された思考制約からunlockされて、皆が自分の人生の目的と、当社での仕事を接続させ、熱中できている。そんな景色を見たいと思っています。

私は、この変革は絶対にできると確信しています。なぜなら、サッポロビールの社員は、どんなに厳しい経営環境であっても仲間を応援しあい、チームを強くしていきたいという人が非常に多いからです。「行き過ぎた自社愛」と言われることもあるのですが、自社愛が課題なのではなく、成長のために、お互いの考えを本気でぶつけあう習慣が、今一つ足りていないことに課題があると考えています。

本当に会社や仲間を愛していたら、お互いの成長のために言うべきことを言えるはずなのに、それを避けて本音を言わなかったり、忖度をしてしまったりすることがいけないのです。「愛」というポジティブなエネルギーを正しい方向へ向け、社員一人ひとりが「新しい楽しさ・豊かさをお客様に発見していただけるモノ造り」にコミットしていけば、サッポロビールはきっと、世界一のチームに、そして世界一誇れる会社に成長できます。その未来を実現するために、今後も仲間たちとともに邁進していきます。

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プロフィール

竹内利英
2007年サッポロビールに新卒入社。10年間の営業担当時代に、外食産業に携わる多くの経営者から経営哲学や生き様を学ぶ。人事総務部に異動後は、採用・人財育成・異動配置・人事制度運用・組織風土変革・経営理念ビジョン浸透に従事。現在は、組織開発プランニング・ディレクターとして、個人と組織が共に高め合い、成長しあう強固な組織カルチャーの再構築に着手。

クレジット:
Photograph_Keisuke Yasuda
Text_ Nana Tabara
Edit_Nana Tabara,Tenji Muto(amana)

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