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イラストで見る サッポロビール珍道中 〜全国各地を巡り、エリアとビールを知る旅〜
「サッポロ クラシック」と言えば北海道、「ヱビスビール」といえば恵比寿といったように、皆さんが普段から飲んでいるビールには地域・エリアと密接した知られざる物語がある。本企画では、そんなエリアとビールを知るために、全国を巡る旅をイラストでお届け。北は北海道、南は静岡まで、お酒を愛する研究家「サッポロ旅人くん」が全国を巡り、ビールの知られざるエピソードを発見していく。それぞれのビールは、どんなエリアとのご縁があり、どんな風土を反映した味わい、熱い想いがあるのだろうか? さあ、サッポロ旅人くんの旅に、一席お付き合いください。
はじめまして、サッポロ旅人くんと申します! 僕はサッポロビールのビールが大好き。どうやら、「エリアに根付いたビール」がたくさんあることを最近知ったんだ。そこで、ビールとゆかりのあるエリアを旅することに。日本全国を巡って、ビールとエリアの歴史や魅力をたっぷり味わうぞ。読んでいるみなさんも、一緒に旅する気分で楽しんでね!
北海道と言えば「サッポロ クラシック」。
2025年に40周年を迎え、道民のソウルドリンクに!
まず旅の最初に訪れたのは、サッポロビールの名前の由来の地、札幌。札幌に来たらやっぱり「サッポロ クラシック」が飲みたい。北海道外の人にも根強いファンが多いビールだよね。開発担当者さんや道民の皆さんと乾杯!
開発担当者さんに聞いたところ、誕生のきっかけは、1985年頃に特産品を作って地域経済を盛り上げようとしていた「一村一品運動」から。当時の北海道知事がサッポロビールに「北海道を代表する一品を!」とエールを送ったんだって。そこから、北海道への感謝を込めて、道民だけが飲めるいちばんおいしいビールを作ることを目指したんだ。
ちなみに名前の「クラシック」には、「一流品、最高峰」という意味が込められていて、ロゴには北極星と開拓使の旗のシンボルカラーの紺色が使われている。個人的に大好きなロゴなんだ。麦芽100%、ファインアロマホップをふんだんに使用して、伝統的な醸造法「ホッホクルツ製法」でつくっているのが特徴。道産素材を使っているから、ジンギスカンや海の幸との相性もぴったり。素材のうまみと爽快な味わいが感じられて、北海道のおいしい食事とビールが止まらなくなる!
そんな「サッポロ クラシック」は、2025年でなんと40周年! 道民に愛され、他県に誇れるビールとして「北海道限定のビール」から「北海道民のわたしたちのビール」を目指していく、これからの進化が楽しみだ!
【サッポロ クラシックをもっと知りたい人は、こちらを見る】
札幌の開拓の歴史が、
「サッポロ生ビール黒ラベル」に通ずる
札幌にはもう一つ、忘れてはいけないビールがある。そう、みんな大好き「サッポロ生ビール黒ラベル」! そのルーツを知るために訪れた、札幌にあるサッポロビール博物館。サッポロビールの生みの親、中川清兵衛さんの肖像から、何やら声がする…!?
お話を伺ってみると、中川清兵衛さんが札幌に「開拓使麦酒醸造所」を作って、試行錯誤の末に1877年に完成したのが冷製「札幌ビール」。その後、1957年頃に「サッポロ壜(びん)生ビール」が発売されたんだけど、これが今の「サッポロ生ビール黒ラベル」に繋がっているんだって。
北海道って冬でも暖房が効いているから、ビールがおいしく飲めるんだよね。当時から「飲むなら生」ってことで、北海道旅行で飲んだ人がおいしさに感動して、札幌工場に問い合わせが殺到したそう。
そんな歴史を継承して、1977年に完成したのが「サッポロびん生」。家庭でおいしい生ビールを味わえるということで大ヒット。黒いラベルが印象的だったから、みんな「黒ラベル」って呼んでいて、それがそのまま正式名称になっちゃったんだ! お客さまが名付け親って、幸せなことだなあ。
これまで時代に合わせて何度も進化してきた「サッポロ生ビール黒ラベル」。これからも仕事終わりや週末の楽しみなど、いろんな日常の場面で飲んでいくからよろしくね!
【サッポロ生ビール黒ラベルをもっと知りたい人は、こちらを見る】
サッポロビールの歴史に新潟県人あり。
新潟への感謝を込めた「風味爽快ニシテ」
次に降り立ったのは、雪がしんしんと降る新潟県。新潟県にもご縁があるなんて知らなかったなあ。開発担当者さんと「風味爽快ニシテ」で乾杯します。オールモルトのしっかりしたうまみと爽やかなのどごしで、栃尾の油揚げ、タレカツ丼、新潟ラーメンなど新潟の濃い味付けの料理と合う!
実は、新潟県にはサッポロビールにゆかりのある人物が2人もいたんだ。先ほど話を伺った中川清兵衛さんと、札幌麦酒会社設立者の大倉喜八郎さん、2人とも新潟県出身とのこと。サッポロビールの歴史は、新潟なくしては語れない。そんな新潟県に感謝を込めて2012年に発売されたビールが「風味爽快ニシテ」だったんです。
麦芽100%のうまみを活かしつつ、新潟の食べ物に合うように仕上げた特別なビール。開発の過程では、新潟のいろんな食べ物を試食して新潟の食に合うように改良を重ねたそう。名前の由来は、中川清兵衛さんがつくった「冷製札幌麦酒の効能書」に書かれていた言葉「風味爽快ニシテ健胃ノ効アリ」から。リスペクトが込められている商品名だったとは!
2022年にはリニューアルして、爽快なのどごしはそのままに、麦の旨みがしっかり感じられるように進化。しかも、新潟の人たちにも試飲してもらって意見を聞きながら、一緒に作ったのも新潟愛を感じる。このビールを飲むために、新潟県にまた降り立ちたいなあ。
【風味爽快ニシテをもっと知りたい人は、こちらを見る】
ビール名が由来で駅名に。
世界にも認められる「ヱビスビール」
続いて到着したのは、東京都の恵比寿。恵比寿っていうと、大都会で恵比寿ガーデンプレイスのある大人の街ってイメージ。でも、もともとはサッポロビールの工場があった場所で、住んでいた人もサッポロビールの社員が多かったとか。
1889年当初は、畑や山林が広がる民家もまばらだったこのエリア。そこに醸造場が作られ、1890年に「恵比寿ビール」が誕生したんだ。このビールはとても高品質で人気になり、偽物が出回ったという噂も。1900年にはパリ万博で金賞、1904年にはセントルイス万博でもグランプリを受賞し「恵比寿ビール」は世界に認められたんだ。
そうして「恵比寿ビール」を運ぶために貨物駅ができ、その5年後には人を運ぶ駅が誕生。その駅名がに恵比寿駅になって、その後周りの地名にもなったんだ。 ビールから駅名や地名が生まれたって、すごいなあ。
そこから進化を経て、現在は「ヱビスビール」として販売されているこのビール。2024年には、旨味あふれるふくよかなコクをさらに追求してバリューアップもされたんだ。ということで、世界の皆さんと、世界が認めた「ヱビスビール」で乾杯!
【ヱビスビールをもっと知りたい人は、こちらを見る】
静岡人の、静岡人による、
静岡人のための「静岡麦酒」
最後に降り立ったのは静岡県。富士山がきれいだなあ。あれ、こんなところにサッポロビールの静岡工場を発見。醸造家の皆さんが持っているのは「静岡麦酒」。さっそくみんなで乾杯! まろやかなうまみと爽やかな後味で、どんどん飲みたくなるビールだなあ。
皆さんにお話を伺ったところ、1980年にビールの需要が爆発的に伸びたことで、輸送の便、用水事情などが良かった静岡県にビール工場が作られたんだって。今では、ビールの生産はもちろん、開発・研究部門があることで新商品が生まれるエリアにもなっているとか。
そんな静岡県に恩返ししたいという気持ちで、サッポロビールは2013年に「静岡が好きだから宣言」を発表。「静岡県をいちばん愛するビール会社になろう」という想いで作られたのが、この「静岡麦酒」なんだって。静岡県出身の社員が集まって「チーム静岡っ子」を結成し、静岡県の皆さんに試飲してもらいながら完成したこだわりも。そんなこだわりがあるから、静岡県の食材や料理にもぴったり!
麦芽100%でファインアロマホップを一部使用することで爽やかな味に。仕込み水には静岡県の上質な水を使用したり、クリアな後味のためにオールインフュージョン法を採用したりと、たくさんのこだわりが詰まっている。
発売日は、2013年の2月23日。発売日で「富士山の日」(2月23日)を意識したのも静岡愛を感じるなあ。静岡県の飲食店でしか飲めないんだけど、缶は期間限定で発売されるんだって。毎年、それを買いだめする人がたくさんいるらしくて、ほぼ一年中、静岡麦酒を楽しんでいる人もいるとか!
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今回の旅で、サッポロビールのビールにはいろんなエリアと深いつながりがあると実感できた。それぞれの土地の風土はもちろん、熱いストーリーがビールに込められていて、飲むたびに感動したなあ。ここで旅はいったん終わりになるけれど、今回訪れたエリアをまた巡って、サッポロビールのビールのことをもっと深く知っていきたいな!