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意外と知らない“逆輸入”をちょこっと見てみない? 浮世絵で見る「めぐりめぐって愛されしもの」

逆輸入されたものと言えば、逆輸入車やカリフォルニアロールを思い浮かべる人が多いのではないだろうか。実は、サッポロビールにも逆輸入されたホップを使ったビールが存在する。そのホップとは、サッポロビールが初めて品種登録した「ソラチエース」。1984年の開発当初は日の目を見なかったソラチエースだったが、新天地を求めて向かったアメリカで大人気に。そして2019年、生まれ故郷・日本への凱旋帰国を果たした。本企画ではこのように異国の地で進化したのち、めぐりめぐって、また日本で愛されている「逆輸入」されたモノ・コトをイラストで紹介。浮世絵のようなイラストで大人気のイラストレーター、山田全自動さんによる描き下ろしのイラスト・あるあると共に、逆輸入ストーリーを“ちょこっと”覗いてみよう。

■1984年ごろ、昭和のあるあるを漫画で覗いてみよう!「SORACHI 1984」にまつわる記事がもっと読みたい人は、こちらを見る

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堅気な江戸っ子も踊りだす。
粋でいなせな、シティポップ

「シティポップ」とは1970年代の日本で生まれた、都会的調べを伴ったミュージック。1980年代後半頃に一度廃れるも、その魅力は知らぬ間に海を越え、異国にて火が付いたなり。海外では「シティポップ」を流すディスクジョッキーまで登場し、すさまじき人気に。そうして逆輸入され、再び日本で注目を集めている。

そんな「シティポップ」は洗練されし音響の中にある、どことなく懐かしき調べが特徴なり。電子かわら版(SNS)を通じて流布され、皆の胸を打ちつづけている。近頃は日本の音祭り(フェス)で流されたり、当時のアナログレコードも続々再発売されるなど、目にする機会が多いのではなかろうか?

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海の向こうで、大名行列。
巴里式握り飯がべらぼうよ

握り飯といえば、平安時代にはすでに食べられていた我が国発祥の携帯食。だが花の都・巴里(パリ)では近頃、「パリおにぎり」なる新様式の握り飯にくびったけ。そんな巴里式握り飯は昨今、ここ日本へも“逆輸入”されはじめている。

異国を経由して誕生した「パリおにぎり」はクリームチーズやトマト、オリーブ、サーモン、チーズなどフランス式の食材が使われることが多く、ハーブや香辛料などを用いた西洋風の味付けも特徴なり。人気に火が付いた理由は味だけでなく、見た目の華やかさにもあり。写真映えを狙う乙女がその製法を学び、日々「パリおにぎり」を握っているとな。

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異国の皆の衆も、SAKEの虜よ。
にほんしゅのすゝめ

日本酒が「日本で作られる、日本人のためだけの酒」であったのも今は昔。令和の世においては異国の各位が、独自の日本酒「SAKE」を生み出し、粋なラベルをまとって我が国に逆輸入され始めている。

「SAKE」の特徴は、その製法にあると申す。例えば、フランスのワイン樽で熟成させた「SAKE」や、アメリカのクラフトビール醸造技術を取り入れ「ドライホッピング」を用いた「SAKE」など、我々が知る日本酒とはひと味違う味わいがあるとな。近頃では異国と本邦の酒職人が手を取り合い、我が国でも飲める機会が増えている候。

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令和のおなごがくびったけ。
にゅーとろ・わいつーけー着物 

かつて日本で栄えしファッションが、「ニュートロ」「Y2K」と名を変え、異国で人気を博しつつ、逆輸入され新たな風潮となっている旨、ご存知なりや?

「ニュートロ」「Y2K」ファッションに共通するところは、1990年代から2000年代に本邦で流行していた風潮(トレンド)を現在の洋服に取り入れた、過去と現在を融合せしところである。例えば、往年の道端着物(ストリートファッション)が韓国を経て、我が国に帰ってきたのが「ニュートロ」ファッションに。原宿乙女着物(ギャルファッション)が、アメリカを経て帰ってきたのが「Y2K」ファッションなり。近頃の乙女がしばしば履いている底の厚き西洋靴も、かつて原宿乙女が履いていたものなり。

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咖喱屋、そちも悪よのぉ。
きんだんの日本ふう咖喱飯

インドを源流としながらイギリスより渡来し、日本で独自の進化を遂げたカレー。そんな「ジャパニーズカレー」が此度はヨーロッパにおいて再び独自進化を遂げ、我が国に帰ってきた。

「ジャパニーズカレー」と日本の一般的なカレーの異なるところは、果てしなきトッピングの選択肢や宗教などに配慮した食材で作ったカレーソースである。七つの海を越えて独自に進化した「ジャパニーズカレー」は国民的カレー食処で味わえる時期もあるとのこと。果てしないトッピングを重ねしカレーが食せるとは、カレー屋、そちも悪よのぉ。

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あゝ、ありがたき幸せ。
ソラチエースの凱旋帰国

ソラチエースが北海道・上富良野で生まれた1984年は、昔ながらのビール全盛期。当時の民のビールに対する嗜好は保守的であったせいか、伝説のホップ「ソラチエース」で作られたビールは、当時の嗜好に今ひとつ合わなかった模様。そこでソラチエースは日本を離れ、アメリカへ渡ることと相成った。

アメリカにおいても日の目を見るまで時間はかかったソラチエースだったが、クラフトビールブームに火がついたアメリカでその香りの比類なき価値が見いだされ、多くの醸造家がソラチエースを使ったビールを醸造。世界のビール好きにその価値が知られることとなった。

そして、時は2019年。ソラチエースの生みの親でもあるサッポロビールが満を持して「逆輸入」。凱旋帰国ともいえる形でリリースしたビールが、「SORACHI 1984」なのだ。とにかく旨しこのビール、初めての御仁も、1980年代のことを覚えている御仁も、とにかくぜひ飲んでみていただきたく候!

「SORACHI 1984」についてもっと知りたい人は、こちらを見る

「SORACHI 1984」のブランドストーリーをもっと知りたい人は、こちらを見る

1984年ごろ、昭和のあるあるを漫画で覗いてみよう!
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プロフィール

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山田全自動

「田舎あるある」「バイトあるある」「学校あるある」など、誰もが共感してしまう秀逸なあるあるネタを江戸時代町人風の浮世絵でユーモアたっぷりに描く現代の浮世絵師。

クレジット:

illustration_Yamadazenjido

Text_Masayuki Tanitsu

Edit_Nana Tabara,Tenji Muto(amana)

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