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居酒屋の手搾りレモンサワーのようなおいしさを再現 「濃い搾りレモンサワー ノンアルコール」が新発売!!

マーケティング本部ビール&RTD事業部 RTDグループ アシスタントマネージャー 宮寿衣美子
マーケティング本部 新価値開発部 アシスタントマネージャー 村松佑馬

3月12日に発売されるノンアルコール飲料の新商品「濃い搾りレモンサワー ノンアルコール」。これはいったいどんな魅力を持った商品なのか、開発に深く携わったRTDグループの宮寿衣美子と新価値開発部の村松佑馬に語ってもらいました。

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ノンアルコールRTDは「我慢のノンアル」ではなく「前向きな選択肢」の時代に

――3月12日にいよいよ「濃い搾りレモンサワー ノンアルコール」が発売になります。

この商品について教えてください。

宮寿衣美子(以下、宮寿):シチリア産の手摘みレモン果汁とレモンエスプレッソエキスを使用していまして、しっかりとした酸味のある、レモン味の濃さが味わえるノンアルコールRTD(Ready To Drink:開栓してすぐに飲める主にアルコール飲料のこと)商品ですね。シチリア産手摘みレモン果汁と、レモンをまるごと抽出したエキスによって、居酒屋の手で果汁を搾って入れるサワーのような、本格感のあるノンアルコールレモンサワーを目指しています。

――商品のことを深堀させていただく前にまず教えて頂きたいのですが、この商品に限らず近年は急激にノンアルコール飲料のバリエーションが増えている印象です。市場は拡大しているのでしょうか?

宮寿:はい、拡大していますね。2023年はその前年と比べて市場全体(容量ベース)で約106%の売り上げを記録しました。これは2019年比ですと、約180%の伸びとなり、非常に大きく拡大している状況ですね。直近の市場の状況を考えると、しばらくはノンアルコールRTDの市場は勢いが衰えることなく拡大していくと予想しています。

――19年比ということは、コロナ禍前から比べて、ということですね。ノンアルコール飲料の市場が伸びた理由としてコロナ禍の影響もあるのでしょうか?

宮寿:そうですね。コロナ禍の際に自分のからだを気遣う意識が高まったことも影響していると考えています。またRTDそのもとを飲まれるお客様が増えていること自体もノンアルコールRTDの伸びに影響していると思われます。

――RTDに歩調を合わせるようにノンアルコールRTDも伸びているんですね。

村松佑馬(以下、村松):今までまったくアルコール飲料を飲まなかった人がからだを気遣う意識の高まりなどから「試しに飲んでみた」というケースが少なくないんですね。そこでノンアルコール飲料のおいしさに気づいたお客様が、シチュエーションによってノンアルコールRTDを選ぶケースが増えていると思います。

宮寿:もうひとつ、ノンアルコールRTDはこれまでと飲まれ方が変わってきているというのもあります。従来はクルマの運転前など、アルコール飲料を我慢するときに、仕方なく飲むものといったイメージがだんだん変わってきていて、積極的に選ばれる飲み物になってきていることも感じます。

――仕方なく飲むのではなく、おいしいから飲む。に変わってきているんですね。

村松:おっしゃる通りです。従来は食事のときのアルコール飲料代替品でしたが、仕事や勉強の休憩時に、エナジードリンクほど強くない、ちょっとした刺激が欲しいときなどに、「お酒の気分を味わえるもの」として楽しまれたりしていますね。お客様からは、「昼時にお酒気分だけ味わいたいときに飲む」といったお客様の声も聞かれます。

今までのノンアルに満足できていなかったすべての人に

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――ノンアルコールRTDの市場が拡大してきているとはいえ、まったく新規のブランドを作ったところに熱意を感じます。どういった経緯があったのでしょうか?

村松:市場が拡大するなかで、お客様にはどんな不満や未充足があるのかを調査していました。その結果として、ノンアルコールカテゴリでは、約9割もの方が”まだ満足できる商品にまだ出会えていない。”という非常に興味深い結果が出たんです。

お酒と比較して歴史が浅いカテゴリですし、商品の選択肢が限られているなど、理由はいろいろあります。加えてもともとアルコール飲料の代替品として飲まれていたカテゴリだったため、お客様からの半ば諦めの気持ちもあったのかもしれません。

――それだけの人が不満を抱きながらも市場が拡大しているってスゴい話ですね。飲んではいるけれど「もっとおいしくできるはず」みたいに思われているんですかね。

村松:期待感は確かにあると思います。「満足していない」というお客様にも強弱があるなかで、いちばん多いのは「大きな不満はないけれど、どこか満たされない。」というお客様なのではないでしょうか。

――そういう状況のなかで、濃い搾りレモンサワー ノンアルコールはどんなターゲットを想定しているんでしょうか?

村松:食事中にお酒やお酒の代替品を求めている方々など、ど真ん中のシーンで飲む方をターゲットにしています。

おいしいノンアルコールRTDがないと飲むのを止めてしまったような人にも、この商品はもう一度、期待を持ってチャレンジして欲しいと思っています。

――ど真ん中を狙うために、具体的にはどんな工夫をされているんですか?

村松:レモンサワーのノンアルコールRTDで、その魅力を構成する要素は「レモン感」と「お酒感」の二つの要素だと思っています。

これらのバランスをしっかり取って満足できるレモンサワーの味わいに向き合いました。

飲み応えや本物らしく感じられない。といった不満に感じられる部分を払拭するべく、試行錯誤をして作りこんでいます。

シチリア産の手摘みレモン果汁を使用

――レモンの産地として名高いシチリア産の手摘み果汁とレモンエキスを使用しているところがポイントなんですね。

村松:今回は目指したい味わいがまずあって、いくつもの候補から選んだ結果として、シチリア産のレモン果汁に行き着いた形ですね。今回の商品にマッチする選りすぐりのレモン果汁を当社の購買部が調達してくれました。

――一般的な味覚の話として酸味って敬遠されるケースもありますよね。でも今回はそこをしっかりアピールしているんですね。

村松:そうですね、先ほど宮寿も言っていましたが、今回目指したのは居酒屋で飲むような果実を手で搾ってから飲む、本格的なレモンサワー味わいの再現です。スクイーザーでぎゅっと搾り、レモンの酸味と香りをダイレクトに味わう、あの美味しさをコンセプトにしているので、酸味の特長についても強くアピールしています。

―手搾りの味わいを再現したとおっしゃっていましたが、これはどうやって実現しているんですか?

村松:ノンアルコールRTDはアルコール度数を0.00%におさえなければなりません。そのために普通のチューハイなどに比べると、使える原料の種類が限られてしまうんです。というのも、原料によって、たとえば果汁にも微量のアルコールは含まれていますから、やみくもに果汁を増やせばいいわけでもありません。

今回の商品は搾ったときに果皮から出るレモン本来の苦味や旨味などを含め、全体的なバランスを考えてレモンサワーの味を再現することにこだわりました。レモン丸ごとの美味しさが詰まった”あの味”を再現するのは苦労したポイントでしたね。

――外皮の内側の白いところを潰したときの苦味って独特ですものね。

村松:そうなんです。今回はレモン果汁に加え、レモンエスプレッソエキスという素材を採用していて、これが味づくりのうえで大きく影響していますね。これはレモンをまるごと抽出した素材なので、種や白い繊維質の部分、外皮も含めてすべてをエキス化しています。レモンのおいしさを余すことなく含んでいる素材ですね。

いくつもの候補から“搾り”込んで決めた商品名

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――新規のブランドということで、缶のデザインなど、ユーザーが目にする部分を決めるのにもかなりの苦労があったんじゃないでしょうか?

村松:そうですね。居酒屋のレモンサワーを再現していること。をどう伝えるかに苦労しました。レモンのおいしさだけでなく、まるで居酒屋で飲んでいるような世界観がやはり重要になってきます。

今までのノンアルコールRTDに満足できなかった人が満足できるレモン感やお酒感、加えて居酒屋の世界観など、それぞれアピールしたい要素や、お客様へのわかりやすさ、そういった各要素のバランスを考えながら、缶のデザインに関しては何十パターンとデザインを検討しました。

――レモン感をアピールしようと思うと、写真か、あるいはイラストでもリアルなものを使いたくなると思うんですが、これは漫画チックなイラストになっていますよね。このどこか温かみのある手描き感のあるイラストは最初から予定されていたのですか?

村松:いろんなパターンを検証した上で、いい意味での温かみみたいなところや、それを象徴するような“のれん”など、居酒屋の世界観を表現するには今回のパッケージのようなトーンがいいのではないかと判断しました。

のれん以外にも提灯や居酒屋の立て看板などいろんなパターンを試してみたんですが、お客様へのリサーチ結果なんかを見てもトータルで判断して、のれんがいちばんシンボリックでいいだろうという結論になりました。

――サワー系の飲み物なのに、背景が白地なのは珍しい気がします。

宮寿:これもいろいろなパターンを試したなかで、レモンのすっきりとした味わいをイメージさせる狙いを考えて「白がいいだろう」という結論になりました。

同じように商品名についても市場調査をしたうえで、いろいろな候補のなかから選んでいったのですが、明らかにこの「濃い搾りレモンサワー」がよかったんです。

ノンアルコールRTDへの不満に対するアンサーとして商品を作るというのがひとつのテーマでした。飲み応えやボリューム感、本物感みたいな要素を表現しようとすると、「濃い」という単語はわりとキーになってくる部分。加えて、居酒屋でレモンを搾って飲むレモンサワーのイメージと。訴求したい要素が詰まった商品名になったと思っています。

より満足感を高める飲み物として楽しんで欲しい

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――発売されたばかりで気が早いとは思いますが居酒屋でスクイーズして飲むサワーの定番といえば、グレープフルーツも外せません。シリーズとしての展開は考えられているんでしょうか?

宮寿:まずはノンアルコールRTDとして濃い搾りレモンサワーが定着することが第一ではあるのですが、濃い搾りのノンアルコールに対するニーズがあるとなれば、もちろん今後はレモン以外の選択肢はなくはない、という感じでしょうか。

――先ほどノンアルコールRTDが飲まれるシーンが市場の拡大とともに広がってきているというお話でしたけど、この濃い搾りレモンサワーに関して「ぜひこんなシチュエーションで飲んで欲しい」みたいなおすすめはありますか?

村松:やはりど真ん中のシーンを狙った商品ですから、今までレモンサワーを飲んでいたような状況で飲んでいただくのがおすすめのひとつですね。それと、ノンアルコールRTDを飲んだことがないかた、飲む習慣がないかたも、ぜひこの商品を試してみて欲しいと思いますね。

宮寿:果実感とその濃さに対する満足感みたいな部分をブランドコンセプトのひとつに設定しています。お客様が満足感、充実感を抱かれているようなタイミング、たとえばお風呂上がりとか、サウナから出たあとなんかの「ああお風呂に入って満足した~」というような気持にお客様がなっているシーンに、より満足感を高める飲み物として楽しんでほしいですね。

――「こういうブランドに育てて行きたい」といった目標はありますか?

宮寿:さきほどノンアルコールRTDを飲まれるお客様は満足していないとお話しましたが、「これでいいか」と選ぶのではなく、「ノンアルコールRTDといえばまず濃い搾りレモンサワー」というようにお客様に認知して戴けるブランドにしたいですね。

村松:「今までよりちょっとノンアルコールRTDが美味しくなりました」というような、そういう今までの商品の延長線上の存在ではなくて、お客様に新しい価値を感じていただけるブランドに育ってほしいです。

ノンアルコールRTD市場が拡大しているから売れる、というのではなく、お客様が満足されていない現状を「濃い」という新しい価値で解決し、その結果としてブランドが定着する。そんな展開を目指していきます。

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(文・写真=稲垣宗彦)

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