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黒ラベルの完璧は、「〇〇と技術のかけ算」!髙島元顧問が目指す”完璧な生ビール”の条件 

*本記事は公式ファンサイトSAPPORO STAR COMPANYで2022年12月に公開されていたものです。

サッポロビール好きであるみなさんならば、『サッポロ生ビール黒ラベル』が「完璧な生ビールを。」というキャッチコピーを掲げていることをご存知の方も多いのではないでしょうか。

では、この【完璧】とはいったい何を指しているのか。気になるところですよね。​  ​​そこで今回、「完璧な生ビールを。」をメインテーマに、サッポロビールで製造部長や工場長、社長を歴任し、現在はサッポロホールディングスの顧問としてサッポロビールの魅力を内外に発信している髙島英也さんにインタビュー。黒ラベルへの熱い想いを語っていただきながら、“完璧”について紐解いていきます。​

 

原料からこだわり抜かれたサッポロビールの​​フラッグシップ​​・黒ラベル​

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2021年までサッポロビールの社長を勤め上げた髙島さん

 

西:髙島さん、本日はよろしくお願いします。今回はサッポロビールとして、また黒ラベルとして目指す“完璧”についてお聞きできたらと思います。​ まずはサッポロビールの考える“完璧”について、お聞かせください。​ 

 

​​髙島さん:サッポロビールが目指す“完璧”って、いつも自分たちのちょっと先にいるように思います。“完璧”を目指して日々観察と工夫を積み上げ続ける活動こそが“完璧”の本質だと思います。その活動を継続するための必要条件としては、我々が自分たちの扱っているビールについて様々な視点からより深く知っていることが基礎になりますね。ビール品質のなんたるかなど、サッポロビールには他社であれば製造技術者でないと知らないような領域まで理解して、お客様に平易な言葉で説明できる社員が多くいます。あるいは自社の歴史を学んで、そこから会社と商品の魅力を語ることができる社員も多くいます。とにかく今に満足しないで志高く活動し続けることが大事。特に営業メンバーにとっては、“最前線の現場”からのお客様の声を、本気で受け止めることができる力量を高め続けることは“完璧”を目指す上で不可欠と考えています。

 

​​本年、育種を担当している「原料開発研究所」のメンバーが、サッポロビールのビール大麦育種の歴史紹介を10話程度にまとめて社内ネットワークに掲載してくれたこともありました。そうした“唯一無二な”サッポロビールにしかない知識共有の場を設けることも“完璧”を目指すためには大切にしていきたい社内文化のひとつですね。​

 

そしてビール造りについてのサッポロビールの歴史を知っていくと、根底には黒ラベルのエッセンスが今でも磨き続けられていることに気づくんですよ。 

 

原料も製法も改良を重ねる。生のうまさを追求しつづける黒ラベル​ 

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「黒丸金星」はファンにとって“美味しさの目印”でもある​

 

髙島さん:黒ラベルは言わずと知れたサッポロビールの看板商品のひとつです。サッポロビールのロゴである金星・北極星の意味を背負ってきた存在​​​​ですね。

 

​​サッポロビールは、ビールの基幹原料である大麦とホップの両方を育種・協働契約栽培している世界唯一のビール会社。2011年から採用している「旨さ長持ち麦芽」は、長年の育種経験があるからこそ生み出すことができた成果の代表格と言えます。ビールの風味を劣化させる成分・脂質酸化酵素を持たないビール大麦で、大麦や小麦の知識や遺伝子源を豊富に持つ岡山大学の協力も得て、ようやく誕生した念願の品種なんです。​ 

 

​​旨さ長持ち麦芽をはじめ厳選された原料を、独自に開発した「フレッシュキープ製法」でビールの鮮度が損なわれないよう丁寧に製造。タンク1本1本で官能検査を実施して、ビールの味や香りだけでなく色や泡立ちまで細部に至るチェックをクリアした製品だけが出荷され、配送中の商品温度上昇を抑える工夫もしてお客様の元にお届けしていく。​もちろん、これらの活動の多くはメーカーとして当たり前のことで、特に、自慢することではないかもしれません。しかし、長い年月をかけて積み上げてきたこれらの無数の当たり前の活動のうち一つでも欠けたら商品は完成しないんです。

 

​​こうした原料、製造工程、流通過程に対する理解を深め続けることが重要で、私自身も製造技術者としてサッポロビールに入社してから、5〜6年携わってようやく「少しわかってきた」と感じるのが精一杯でした。ビールの品質を現場で、特に市場という現場においてマネジメントするのは並大抵のことではない。愛がなければできないと痛感しています。

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取材時も髙島さんが最初に飲んだのは黒ラベル

 

髙島さん:僕も黒ラベルが大好きで、特にこのお店では、いつも一杯目は黒ラベルと決めています。自宅でも黒ラベルを愛飲しています。 

 

​​いつも使うタンブラーは事前に冷蔵庫でよく冷やしておいて、そこによく冷えた黒ラベルを注ぐんです。泡にも徹底してこだわって、緩急をつけて注ぐことで自宅でもきめ細かい泡を作って楽しんでいます。​ 少し液温が上ったビールを味わってみて、同時に温度計で液温を測ってみて、自分の感覚と測定値とを比較してみたりするのも楽しいです。普段はやらない冒険や実験ができるのも自宅での楽しみ方の醍醐味ですね。​ 

 

​​完璧な生ビールはもう一杯飲みたくなる。だから何杯飲んでも飲み飽きない 

 

​​西:黒ラベルは「完璧な生ビールを。」と謳っています。この“完璧”というのは何を指しているのでしょうか?​ 

 

​​髙島さん:先ほども述べましたけど、実はその答えは私もまだ見つけられていなくてね…。例えば、こういう特徴が揃ったから、「これが“完璧”なビールだ!」と言うことはできないんです。

 

​​けれどひとつ言えるのは「完璧な生ビールは、もう一杯飲みたくなる」ということ。加えて、今まさに感じたことがあります! マスターがビールを注ぐ姿に黒ラベル愛を感じます。言うなれば「愛と技術のかけ算」が、お客様にとって“心が動くほどに完璧”になるための重要要素かもしれません。​ 

 

“完璧”を目指し続ける飲食店の黒ラベル愛に顧問も感涙​ 

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黒ラベルを愛してくれている飲食店の話になり、飲食店への感謝がこみ上げてきて感極まる場面も

 

髙島さん:例えば、今回取材場所としてご協力いただいたヨッシーズ茅場町さん。ビールを注ぐ技術も一級品ですが、それだけでなく黒ラベルに対する愛情もたっぷりなんです。2022年に黒ラベルがリニューアルした前後に私が来店したときには、マスターから「味が変わったんじゃない?」と真剣にたずねられました。​ 

 

​​そこに意識が行くのはきっと、「今回は“完璧”に注げたかな?」と毎回自問しながらビールを注いでいるからじゃないかなと思います。黒ラベルが大好きだから、お客様にも100%のポテンシャルを引き出した黒ラベルを飲んで感動してもらいたい。愛があるからこそ、自分が“完璧”に提供できているか?の不安と闘いながら、一杯一杯試行錯誤しながらお出しされているんじゃないでしょうか。 ​​愛を持って扱って下さっている飲食店の方々は小さな変化も見逃さない。そんな繊細な気遣いがあるからこそ、それを飲んだお客様が「もう一杯飲みたい!」と感じられる一杯に出会うことができる。ビールメーカーとしてこれほどありがたいことはありませんよ。​ 

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髙島さんは「提供する黒ラベルが“完璧”な店は、スタッフの黒ラベル愛が深い」と語ります

 

黒ラベルの“ホップ感”は、余韻の長さまで計算している

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黒ラベルの“隠し味”を明かしてくれたときには楽しげな笑顔を見せた

 

西:お店の人の愛情も、もう一杯飲みたくなるためのエッセンスなんですね。​ 

​​では、製造面についてはどのような部分にこだわってきたのでしょうか?​ 

 

​​髙島さん:“完璧”を目指して注力してきたポイントのひとつは“余韻”ですね。多くの人が、もしかすると黒ラベルファンであっても、黒ラベルを飲んだときにホップ感を感じたことは少ないと思います。 

 

​​しかし黒ラベルの鼻に抜ける香りは、実はホップのほのかな香りと酵母がつくりだした香りとのハーモニーで、それが「もう一杯飲みたい」と感じさせる余韻になるんです。その余韻は約20秒で消えるよう設計されているんですよ。知らなかったでしょう?​

 

 ​​西:余韻の長さまで緻密に計算されたバランスで作られていたんですね!恥ずかしながらいままで飲んでいて気づきませんでした!​

 

「“完璧”は動いている」それを気づかせてくれたのは現場だった​ 

もう一杯飲みたくなるけれど、飲み干すのが​​もったいないとも感じてしまう

西:そうした“完璧”を目指していくうえで、転機になった出来事はありましたか?​ 

 

髙島さん:“完璧”自体は、その時々で絶えず変化しているものだと思うんです。真夏の沖縄県と真冬の北海道で全く同じ条件の黒ラベルを飲んだとき、それぞれの場所において「もう一杯飲みたい」と感じる感覚は異なるものになるはずです。

 

​​それを痛感したのは僕が大阪工場の製造部長をしていた頃。冬場に、あるお店からいただいた「美味しくない」というご指摘でした。工場に返ってきたご指摘品をチェックしたのですが、官能検査でも成分分析でも不具合は見当たらない。​ 

 

​​不思議に思いながらお店に直接うかがうと、現地は冬場にとても冷え込む地域で、寒い店内で、冷蔵庫に入れて冷やしたジョッキによく冷えたビールを注いで提供されていました。確かにこれでは冷えすぎて「美味しくない」ことを納得できました。試しにお湯で温めたマグカップにビールを注いでみると、お店の方が「え!美味しい!」と驚かれました。ホッとしました。「ビールを飲むときはグラスを冷やす」という常識が当てはまらない場合もある。ビールの液温でご指摘にまでなるのか!と気づかせてもらった貴重な経験になりました。現場に行かなきゃわからないことが多いです。

 

メーカーとファン、両者の情熱で新たな“完璧”を追い求めてほしい

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今の“完璧”をじっくり確認するように飲み進める姿が印象的

 

髙島さん:飲む環境で異なってくるように、時代によっても黒ラベルに求められる“完璧”は少しずつ変わっています。「同じことを繰り返していれば大丈夫」と油断してしまうとすぐに時代に取り残されて“完璧”からは程遠いものになってしまう。だからこそ黒ラベルは、『サッポロ生ビール黒ラベル』たり得る品質の骨格は一切変えずに、しかしながら時代とともに変遷するニーズを追い求めて、確実に進化を続けていくことが求められているんです。今が“完璧”だと思わないことが、“完璧”であり続けられるただひとつの道ですね。「黒ラベルはどんな方向に進化していくべきなのか」。その答えはいつだって黒ラベルファンの中にある。ファンの声が製造や営業、マーケティングの担当者にしっかりと届くのが理想的な関係です。サッポロビールとスターカンパニー、様々なかたちで黒ラベルに携わる全員がそれぞれの枠を超えてつながり、次の時代の「完璧な黒ラベル」を生み出していってほしいですね。

 

編集後記:​ 

​​取材中、髙島さんは時間、場所、時代とともに変化する“完璧”を、数学の微分に例えていました。そして「イメージするその曲線の傾きはいつも0より大きいんだよ」とも。​ 

​​実はその瞬間の動きを微分して0より大きいというのは、常に上昇し続けているということ。私にはこの言葉が「黒ラベルファンの求めるハードルは高まり続けるけれど、絶対にそのハードルを超えてみせる」という決意のようにも感じられました。これほどの愛と熱意を持って造られているという黒ラベルのバックグラウンドを知ると、次に飲むときよりいっそう美味しく感じられそうです!(西 等)​

 

髙島英也顧問ご経歴​ 

​​1982年4月 サッポロビール株式会社 入社​ 

​​1997年11月 同社 大阪工場 製造部長​ 

​​2001年9月 同社 ビール製造本部 製造部担当部長​ 

​​2003年7月 純粋持株会社へ制度移行​ 

​​2007年3月 同社 仙台工場長​ 

​​2009年3月 同社 取締役兼執行役員 経営戦略本部長​ 

​​2012年9月 同社 常務執行役員 北海道本部長​ 

​​2013年3月 同社 常務執行役員 北海道本部長 兼 北海道本社代表​ 

​​2015年3月 ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社 取締役専務執行役員​ 

​​2017年1月 サッポロビール株式会社 代表取締役社長 兼 サッポロホールディングス株式会社 グループ執行役員​ 

​​2017年3月 サッポロビール株式会社 代表取締役社長 兼 サッポロホールディングス株式会社 常務グループ執行役員​  ​​2021年3月 サッポロホールディングス株式会社 顧問就任​

(文 西等)

 

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