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ドウェイン・ジョンソンもはまったテキーラづくりの魅力とは?
アガベの収穫から蒸留まで、非常に複雑なプロセスを経て1本のテキーラが生まれます。
テキーラは今、アメリカの蒸留酒マーケットを席巻し大きなブームになっています。2021年の売上は52億ドル(約7120億円)で、前年比30%増という驚異的な伸びを記録しています。つまり質の高いレポサドやブランコを嗜む人は増加の一方なのです。しかし、どれほどの手間暇をかけてテキーラが作られているかを知る人はそれほど多くないかも知れません。
テキーラ造りには、全ての工程において多くの手間暇を要します。「アガベは最低でも5~7年かけて育ててから収穫します」と「デスティラドーラ・ゴンザレス・ルクス」の4代目マスターディスティラーであるグレース・ゴンザレスはいいます。「さらに、何年目に収穫するかは天候に左右されるのです」。
メキシコの太陽を浴びて育つアガベ
アガベの収穫は簡単ではないので、今でもヒマドールと呼ばれるテキーラ農家が伝統的な方法と道具を使い、手作業で行っています。長い棒の先に平らで鋭く丸い刃がついた昔ながらの鍬を使ってトゲのある葉を削り取り、ピニャと呼ばれる芯の部分だけを残すのです。ピニャには、アガベシロップやアルコール発酵に使う糖分がたっぷり蓄えられています。
アガベを加熱するオーブンの種類や、熟成させる樽の種類など、蒸留所によって若干の違いはありますが、ピニャを収穫した後の工程はほぼ同じです。
「収穫したアガベを蒸溜所に運び、レンガ造りのオーブンで3日間加熱します。その後、甘さを引き出したアガベを粉砕し、糖分と果汁を最後の一滴まで絞り出します」と、「テキーラ・アヴィヨン」のカルロス・アンドレス・ラミレスが説明します。
「それから48時間の発酵に入ります。酵母を加えて糖分をアルコールに変化させ、アルコール度数が7%になったらいよいよ蒸溜です。弊社では、銅製のポットスチルで2回だけ蒸留します。無色透明の“クリスタリーノ”の場合は、二重の活性炭層で濾過してから瓶詰めします」
熟成期間は、テキーラの種類によって異なります。「テキーラと認定されるための最低熟成期間は定められていませんが、それぞれのカテゴリーには規定があります。 ブランコは0~2カ月未満、エクストラアネホは3年以上熟成させます」
テキーラは何から作られる?
テキーラはアガベから作られますが、何十種類もあるアガベの中でもテキーラに使うことができるのはほんの一部です。そしてテキーラと認定されるにはウェーバーアズールアガベと呼ばれる品種を少なくとも51%使っていなければならないと法律で定められています。つまりウェーバーアズールアガベ100%のテキーラは最高級品ということになります。また、発酵の過程では水と酵母を使用します。
ラミレスに寄れば、熟成後、瓶詰めする前に、グリセリン、カラメル色素、天然オークの抽出物、糖蜜の4種類の添加物を全体量の1%まで添加することが法律で認められています。がしかし、全てのブランドがこれらを添加しているわけではないということです。
テキーラはグルテンフリー?
厳密には、添加物ゼロの純粋なテキーラはグルテンフリーです。しかし、酵母、水、アガベのほかに、グルテンを含む可能性のあるものが加えられていないかどうか確認する必要があります。
テキーラは加糖されている?
アガベ100%の純粋テキーラに砂糖は入っていません。「製造過程ですべての糖分がアルコールに変換されるので、添加物を加えない限り糖分はゼロです」とラミレスはいいます。無添加のテキーラをお探しなら、約5000種類のテキーラを網羅するデータベース「テキーラ・マッチメーカー」が便利です。サイト独自の厳しい検証要件に基づいて無添加と認められたテキーラを見つけることができます。
テキーラにイモムシが入っているのはなぜ?
テキーラのボトルにイモムシが住み着くという話は、間違って伝わっているようです。イモムシが入っているのはテキーラではなく、アガベから作られる別の蒸留酒のことです。「イモムシとテキーラには何の関係もありません。イモムシを入れていたのはメスカルです」とゴンサレスが教えてくれました。
話題作りとか品質を保証するためとか、さまざまな説がありますが、どれも本当かどうかは定かではありません。「10人に聞いたら10通りの答えが返ってくるでしょう」とゴンサレスはいいます。「ただ一つ確かなことは、カクテルを飲みながら議論するにはもってこいの話題だということです」。
この記事はFood & Wineのアソンタ・ベネッティが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまで。