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パンデミックを乗り越えて開催されたオクトーバーフェスト。果たしてその模様は?

パンデミック後、ようやくミュンヘンに戻ってきたオクトーバフェスト

新型コロナウイルスによる2度の中止を経て、ミュンヘンの街にオクトーバフェストが帰ってきました!ドイツの民族衣装を身にまとった人々が復活を祝して乾杯し、飲めや歌えの大騒ぎのため世界中から多くの観光客が詰めかけたのです。

創設の1810年から毎年ミュンヘンで開催されてきたオクトーバフェストは、コロナ禍を理由に2020年と21年に、第二次世界大戦後はじめてとなる中止を余儀なくされました。しかし、復活した187回の今年、9月17日〜10月3日の間に570万人もの人々が世界各国から訪れ、大盛況となったのです。主催者たちは、オクトーバフェストの復活が、今なおコロナの影響を受ける世界にもたされた一筋の光明になったとの思いを強くしたといいます。

「オクトーバフェストが象徴する明るい将来の兆しは、地元経済・社会にとって重要な意味を持つだけでなく、世界に対する大きなメッセージでもあります」と語るロレンツ・シュティフト。今回新設されたドイツ民謡の生演奏を楽しめるテント「フォルクスゼンガーツェルト・シュッツェンリスル」の主催者です。「ポストコロナあるいはウィズコロナの時代にも、以前のようにたくさんの人が集まって交流することは可能だということを示せたと思います」。

スタッフは毎日のPCRテストを義務づけられていたとのことですが、来場者にとってマスク着用の有無は自由で、PCRテストや予防接種証明も必要なかったため、コロナ前と何も変わらない状況で楽しむ来場者を多く見かけました。実際、公式会場の一つである「テレージエンヴィーゼ」では、会場のそこかしこにあるテントでは、何リットルものビールを胃に流し込み、ソーセージやプレッツェルを食べる来場者たちで大いに賑わっていました。

また、一度に数千人を収容できる巨大ビアホールは、昔ながらのファミリー向けコンテンツから、ライブ音楽、歌、ダンスと活気に満ちたクラブのような空間でした。例えば、文字通り「古き良きオクトーバフェスト」という意味を持つ「オイデ・ヴィーズン」には、昔懐かしい遊具があり、伝統的な民族音楽や舞踊のほか、これまでのオクトーバフェストを彷彿とさせるバイエルンの歴史まで体験できる作りとなっていました。

また、同じく「オイデ・ヴィーズン」内にある「フェストツェルト・トラディション」というテントでは、ブラスバンドの演奏に合わせて民族舞踊のライブパフォーマンスを披露するオハイオ州のスポーツクラブが登場、来場者がビールジョッキを掲げて応援していました。

「皆さんの前でパフォーマンスを披露することができて最高でした」と語るクラブのマネージャーでダンサーのマイク・ウィリンガー。「オクトーバフェストで踊るために招待していただき、心から誇りに思います!」。

オクトーバフェストには世界中からお祭り好きな人たちが集まってきますが(開催者の話では、観光客としてはアメリカ人とイタリア人が断トツ)、来場者の大半はミュンヘン市民とその周辺にあるバイエルン州の人々です。

「今年開催されることになって本当によかったです。過去2年の中止はとても残念でしたから」と話すのは、“フェスティバル女王”の栄冠を手に入れたバイエルン州の街グレーディングの大工、イザベラ・ローズノウ。彼女は、チロル地方のドレスであるディアンドルを着て、輝くティアラを身につけていました。「来週も、女王ではなく、お忍びでまた来ようかしら(笑)」。

「今回のフェスティバルは、私たちにとっては5回目です」と話すのは、ドイツ国立醸造所「ホフブロイ・ミュンヘン」に25年務めてきたステファン・ヘンペル。彼と話すことができたテントは最大収容人数1万人で、過去15年間に行われたオクトーバフェストのなかで2番目に位置する規模を誇っています。

ちなみに、「ホフブロイ」は「アウグスティーナ」「ハッカープショール」「レーベンブロイ」「パウラナーミュンヘン」「シュパーテン」と同様に、オクトーバフェストに毎回ビールを提供しているミュンヘンの醸造所です。このフェスティバルでビールを提供するには、ミュンヘンの井戸水を使用するなど歴史ある(細かい)規定に従わなければならないのです。

ビールの造り手にとってオクトーバフェストは、世界各国の業者とコネクションを作る親睦会やカンファレンスのような位置づけでもあります。だからこそオンライン販売でコロナ禍を生き延びたオクトーバフェストの常連醸造所と世界各国からやってくる来訪者たちは、長らく待ち望んでいた伝統行事の復活を大歓迎したとヘンペルはいいます。

「バーチャルでの体験は、実際に会ってビールを飲んだり美味しいごはんを食べたりするのとはまったく異なります」とヘンペル。「オクトーバフェストは単なる商売の場ではありません。このフェスティバルで一番重要なのは、ビールが何リットル売れたかではなく、会場が醸し出す雰囲気と、世界中から来てくれる人々の存在です。当然ながら、私たちはオクトーバフェストの再開を大いに喜んでいます!」

この記事はTravel & Leisureのスタッフライターが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまで。

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