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格付けよりも銘柄がアツい。「豚肉」の魅力にいまこそ注目!
知恵袋VOL.7「豚肉」
日々、口にしている食材にまつわる「おいしい話」「耳よりな話」を目ききに教わる「食の目ききの知恵袋」。今回は、コロナ禍のキャンプブームで人気の「豚肉」について、東京の食肉卸会社を率いる「肉の目きき」に教えていただきました。牛肉とは違う格付け、そして人気の「三元豚」の秘密とは?
【今回の目きき】前田 仁さん
業務用の総合食肉卸会社「前田商店」代表取締役。当初は工学設計の道に進むも、長年バイヤーとして活躍していた父の後を追って食肉卸の世界へ。大手の仲卸業者で経験を積み、知識だけでなく食肉加工の技術も身につけたのち、父とともに独立。ジャンルを問わず、どんな飲食店とも二人三脚で肉と向き合う姿勢で厚い信頼を得る。
https://www.maeda-shouten.co.jp/
インスタ映えで人気(?)の豚肉
新型コロナウイルス感染症の影響が続き、飲食店はますます厳しい状況になっているようです。それは飲食店と取引をする我々のような業者にも言えることで、特に値の張る牛肉の注文はガクンと落ちています。ただ、そのおかげでスーパーなどには良質の肉がお手頃価格で並んでいるかもしれませんので、その点では、一般の消費者にとってはいまが狙い目と言えます。
そんな中で、最近ちょっと人気になっていると感じているのが、スペアリブなど肉厚の「豚肉」です。
「スペアリブ」は、豚の骨付きバラ肉のこと。見た目のインパクトや、骨を持って直接カブりつけることなどから、特にバーベキューでお馴染みではないでしょうか。コロナ禍で密を避けるため、キャンプや屋外で集まるのが人気になっていることが、スペアリブの注文増加につながっているようです。写真映えもバッチリですからね。
写真映えと言えば、とんかつ用などの豚肉についても、最近はどんどん分厚くなる傾向にあります。やはりSNSなどに投稿される写真を意識してのことなのでしょう。店ごとに希望の大きさ・厚みを聞いて我々がカットするのですが、なかには「ちゃんと火を通せるのかな」と心配になるほど厚いこともあります(もちろん、ちゃんと調理して提供されているはずです)。
どうしても牛肉よりも格下というイメージのある豚肉ですが、その分、出費も低く抑えられますし、家庭での使い勝手の良さという点では牛肉にも勝っているのではないでしょうか。近年はさまざまな銘柄豚・ブランド豚も登場していますので、食材としての「豚肉」はこれからもっと面白くなっていくはずです。
こちらは“ヱビスマガジン”の記事です。