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”世界一のレストラン”「noma」
創業のロケーションで北欧ビールを愉しむ

”世界一のレストラン”として名を馳せ、北欧料理の歴史を塗り替えた伝説のレストラン「noma」創業の地にオープンした「Barr」。予約なしでnomaの雰囲気を十二分に楽しめます。

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コペンハーゲンにある「Barr」は、「noma」創業のロケーションに建つ。Daniel Rasmussen

世界各国のレストラン評論家に最も盛んに議論され、高く評価されたレストラン「noma」で予約を取ることは並大抵のことではありません。テーブル席の予約枠のアナウンスは、人気ロックコンサートのように華々しいことでも知られています。実際、nomaのオンライン予約をトライしてみると、その競争率の高さに一生予約は取れないのではないかと思うこともあるほどです。そして仮に食事ができるチャンスが巡ってきても、ベジタリアン・ランチコースとワインのペアリングで700ドル(約10万円)と、普通の人にはなかなか手が出ない値段設定となっている点もハードルを高くしている要因の一つです。

とはいえ、nomaを生んだレネ・レゼピ氏の生まれ故郷であるコペンハーゲンを訪れるだけでも十分という美食家の方々も少なくないでしょう。それは、リバプールを訪れた音楽ファンがビートルズに思いを馳せるのと同じような感覚かも知れません。さらに、nomaに行くことを夢見ている人には、タイムリミットが迫っているという現実もあります。というのもつい先日、レゼピ氏は、2023年が「皆さんがこれまで親しんできた形態のnomaの最後の年」になると発表したのです。しかし、まだ予約が取れていない人や、たとえテーブルを予約できたとしてもそんな大金を一回の食事に払いたくない人にも、nomaの雰囲気を楽しむ”裏の方法”があるのをご存知ですか。しかも、ビール1杯の値段さえ払えば、そこへはいつでも足を向けることができるのです。

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コペンハーゲンにある「Barr」は、「noma」創業のロケーションに建つ。 Daniel Rasmussen

食の都として注目されるコペンハーゲンは、ビールの街としても知られています。世界的に高い評価を得る「ミッケラー」や「ウォーピッグス」のみならず、注目度ナンバーワンの新興ブランド「アーベン」や「スロウバーン」、また業界大手の「カールスバーグ」もこの地で生まれました。こうした背景もあって、2017年の移転に際してはnoma も協力して、旧店舗の空間をカジュアルなレストラン&バーに生まれ変わらせました。その名前は「Barr」、古い北欧の言語で「大麦」を意味します。

nomaという高級レストランのルーツを大切にしているBarrでは、美しく盛り付けられたコース料理を非の打ち所のないサービスで堪能できるほか、アラカルトのランチ、ディナーメニューも用意しています。予約はマストではありませんが、テーブルを確保したいのであれば、事前の予約をお薦めします。

ちょっと1杯飲みたい時にもBarrの名の通り、厳選された10種類の生ビールに加え、ベルギーの「カンティヨン」やアメリカの「ジェスターキング」など魅力的な銘柄を備えた30席のビールバーも備えています。こちらは予約不要で、ドラフトビールが5ドル(約700円)からとリーズナブルな価格設定になっています。

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コペンハーゲンにある「Barr」は、「noma」創業のロケーションに建つ。 Daniel Rasmussen

Barrでは、料理はもちろんビールのサーブ方法にも細心の注意を払っています。ここに来るということは、ただ単にお酒を飲むのではなく、1杯1杯の歴史に感じ入ることでもあるのです。

壮麗な霊廟のような雰囲気を持つBarrは、nomaの精神的な故郷です。建物は大幅に改装されましたが、かつての面影はそこここに漂っています。コペンハーゲンでの滞在は短期間でもnomaに行ってみたいという人には、かつて世界の美食の震源地と評されたこの場所でドリンクを片手にくつろぐのもお薦めです。徒歩20分ばかりの場所で今も営業を続けているレストランの雰囲気を味わうというと、なんだか奇妙に聞こえるかもしれませんが、名所旧跡を訪れるのと似た感覚です。

ファイン・ダイニングにはたくさんの側面があります。その主役はもちろん食事、つまり調理と技術ですが、その体験は単に何かを口にする以上のものです。リバプールの人気観光名所の1つ「ザ・キャヴァーン・クラブ」は、ビートルズのキャリア初期の地として知られていますが、当然のことながら現在では、ビートルズがドアを開けて入ってきて演奏することはありません。なにしろバンドが活躍したのはもう50年以上も昔の話です。しかし、ロックンロールの歴史を一変させた空間に自分がいるという感覚は、何物にも変えられません。

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コペンハーゲンにある「Barr」は、「noma」創業のロケーションに建つ。 Daniel Rasmussen

ストランゲーゼ93番地に足を運び、Barrのカウンターに身を寄せ、港の景色を眺める。たとえレゼピ氏がドアから入ってくることはなくても、また長い美食の歴史にとってはほんの一瞬のことだったとしても、あらゆる意味で世界の食の中心地だった場所を訪れていることに相違はありません。ここに来れば、本当に美味しいニューイングランドスタイルのIPAを飲めるのもうれしい驚きです。

この記事はFood & Wineのマイク・ポメランツが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまで。

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