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かの有名な「パリスの審判」で勝利したカリフォルニアワイン、
史上最高価格で落札!

「スタッグス・リープ・カベルネ1973」は、歴史に残るブラインド・テイスティングでフランス勢を打ち負かし、カリフォルニア・ワインの存在を世界に知らしめたのです。

歴史にその名を刻む「カベルネ・ソーヴィニヨン1973」のラベル Courtesy of Stag’s Leap Wine Cellars

ワイン蒐集の素晴らしい点の1つは、その1本1本が「飲むことができる歴史」であることです。ワインは熟成するにつれて変化するということはご存知かもしれません。文字通り同じ液体であっても、「ロマネ・コンティ1945」は、今飲むのと第二次世界大戦直後に飲むのとでは大きく味が異なります。実際にはそんな機会はほぼないと思いますが、ナポレオンのために作られた1本とか、第一次世界大戦の沈没船から引き上げられたワインを飲もうと思えば不可能ではないのです。そしてそれは、とても素晴らしい体験となることでしょう。

瓶詰めからもうすぐ50年の時を迎えようとしている、ワイン史における最も重要なワインの1つでさえ、未だに飲むことができるというのですから驚きです。つい先日オークションで落札されたその1本とは、「パリスの審判」でフランス・ワインを打ち負かし、カリフォルニア・ワインの名を世界に轟かせた「スタッグス・リープ S.L.V. カベルネ・ソーヴィニヨン1973」です。

1976年、イギリス人のワイン専門家、スティーブン・スパリアー氏は、アメリカ産とフランス産ワインのどちらが優れているかを決定するためのブラインド・テイスティングを主催しました。そしてこの「審判」で、フランス人審査員により赤ワイン部門のトップに選ばれたのがこの「スタッグス・リープ・カベルネ1973」です。白ワイン部門でもナパバレーのシャルドネが1位に選ばれたこともあって、パリスの審判はカリフォルニア・ワインの評判が一気に広まる契機となった重要な出来事と考えられています。また、「スタッグス・リープ1973」は、スミソニアン協会が運営する国立アメリカ歴史博物館の永久コレクションにも所蔵されています。

GettyImages-1179307308.jpg「スタッグス・リープ・カベルネ1973」は伝説のワインですが、1万2300ドル(約160万円)を払えるなら、その味を自分で確かめることができます。この金額は、今年3月10~11日にビバリーヒルズでヘリテージ・オ-クションズが開催した「ワイン・シグネチャー・オークション」での落札価格です。またこれは、ビンテージ・ワインとしてはこれまでの記録の3倍の史上最高額となりました。

未開封のボトルが何本残っているかはわかりませんが、オークションにボトルを提供したスタッグス・リープ・ワイン・セラーズによると、もう片手で数えられるくらいしか残っていないようです。

「弊社では、熟成させて長い期間楽しめるように、各ビンテージを少量手元に置いています」と、スタッグス・リープ・ワイン・セラーズの醸造責任者、マーカス・ノタロ氏はいいます。「弊社のライブラリーからこの年代のワインを出品したのは、今回のオークションが初めてでした。コレクターや入札者の皆さんが多数来場され、ビンテージに値する高い品質を誇る弊社のワインに対して多大なる熱意を示してくれたことに深く感謝します」

一方、ヘリテージ・オークションズの高級・希少ワイン部門でシニアディレクターを務めるフランク・マーテル氏は、1973年の教訓は今も生きていると考えています。「このオークションで落札された、過去61年間に生産された最も高価なカベルネベースの2つのワインは、フランスではなくカリフォルニアで作られたものです。もう1本は、昨年9月のヘリテージ・オークションズで1万4760ドルで落札された『スクリーミング・イーグル』のファーストヴィンテージです」とマーテル氏は述べています。「このオークションを通じて、パリスの審判が正しいものであることを、弊社が独力で今一度証明したといっても過言ではありません」

され、史上最高値を記録したこのボトルは、これからどんな運命をたどるのでしょう。ワインコレクターの父親の誕生日プレゼントにするという匿名の落札者は、最後に「これは私たちにとって、とても特別なことです」と付け加えていました。しかし、彼らが自分たちでこのワインの真価を確かめるつもりかどうかについては、残念ながら答えを聞くことができませんでした。

この記事はFood & Wineのマイク・ポメランツが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまで。

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