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きのこ好きを魅了して止まない世界の旅先をご紹介

Ditte Isager/Courtesy of Noma

きのこの美味しさを最初に発見した人は、料理の世界に多大な貢献をしたといえるのではないでしょうか。ごく普通のマッシュルームから高級食材のアミガサダケまで、きのこは自然からの贈り物といっても過言ではありません。ベジタリアンも大好きな肉厚で旨味たっぷりのきのこは、スープ、ソース、パスタ、パイと、あらゆる料理にお肉のようなコクを出してくれる、非常に優れた食材なのです。

きのこの最大の魅力は世界中に自生していること。四季折々の野菜、あるいはかぼちゃやトウモロコシといったアメリカ原産の野菜とは違って、幅広い料理に使えるうえに環境への負担もありません。国によって様々な種類が存在するため、料理や地域によって味や食感が変わる“食の玉手箱”のような存在といえるでしょう。

きのこといっても、トリュフやアミガサダケにこだわる必要はありません。きのこの素晴らしい点は、ありふれたマッシュルームやエノキダケだってきちんと調理すれば高価なきのこに匹敵する極上の料理に変身すること。エノキたっぷりの東京のラーメンも、ピエモンテの生トリュフバターのパスタも、どちらも満足度は非常に高く、美味しくいただくことができます。ここでは、料理の好みがなんであれ、きのこへの熱い想いを満足させてくれる旅の目的地を紹介します。

ブリュッセル(ベルギー)

高級食材から家庭の定番まで、ヨーロッパにはバラエティ豊富なきのこが自生していますが、ヨーロッパ全土のきのこを味わってみたいならカフェ・デ・スポールがお薦めです。見るからにお洒落なのにびっくりするほどお手頃な価格設定が嬉しいこのビストロは、人気のサン=ジル地区にあります。デザートを含む全ての料理にきのこが使われており、季節によってメニューは変わりますが、ポルチーニ茸とチーズのコロッケやムール貝のエルサレムアーティチョークと黒アンズダケ添えなど、ありとあらゆるきのこ料理を楽しむことができます。

ロッテルダム(オランダ)

きのこの大部分は自生するものですが、自分たちの手でヒラタケを栽培しようと考えたロッテルダム出身の二人組は、街中のカフェから集めたコーヒーかすを使ってゼロウェイスト(ごみゼロ)栽培を実現しました。この革新的なきのこ農家は「ロッテルズワム」の名で知られ、今ではたくさんの地元レストランにきのこを卸しています。当然ながらサステイナブルな栽培方法を現在までも堅持し、街全体でごみを出さないエコシステムの促進に寄与しています。

メキシコシティ(メキシコ)

きのこは森や草原に生えるものと思われるかもしれませんが、実はそうとも限りません。メキシカン・トリュフとして知られるウイトラコチェは、トウモロコシの穂に感染する黒穂菌で定義上は作物の病気ですが、間違いなく味は極上です。青黒い胞子が詰まった実を、ワラーチェやトスターダと一緒に提供するのがメキシコの伝統的なごちそうです。フリーダ・カーロ美術館のすぐそばにあるコヨアカン市場まで足をのばして、ウイトラコチェ・トスターダを食べてみてください。通常のトリュフ料理と違って、一個あたり1ドルもしないので、財布の心配をする必要もありません。

バンクーバー(カナダ)

手つかずの広大な自然が広がるカナダ西海岸は、北アメリカ有数の生物多様性に富んでいて、きのこ狩りにも最高のスポットです。バンクーバー周辺には、アンズタケからロブスター・マッシュルームまで、多種多様なきのこが自生している森が数えきれないほどあります。ブリティッシュ・コロンビア州のグレートベア・レインフォレストにあるニモ・ベイ・ウィルダネス・リゾートをはじめとするフィッシング・リゾートの多くが、専門家によるきのこ狩り講習を開催し、収穫した野生のきのこを調理してくれます。

京都

日本の伝統として世界に知られる懐石料理の発祥の地である京都には、ミシュランの3つ星を獲得した料亭やレストランが数多くあります。これまでの人生で一番美味しい刺身や豆腐料理に出会うなんていうことも、京都なら珍しくありません。また京都は松茸、なめこ、舞茸など日本特有のきのこをはじめとする山菜料理でも有名です。贅沢したい気分なら、ミシュランのお墨付きを得た京懐石 吉泉のコースディナーがお薦めです。職人の技で調理・盛り付けされた、採りたての新鮮山菜も楽しめます。事前の予約が必須ですのでお忘れなく。

ピエモンテ州(イタリア)

世界で最も希少なきのこといえばトリュフですが、そう評価されるのには十分な理由があります。「贅沢の極み」「高級料理」といったイメージが強いトリュフは、秋から12月までのほんの短い間に収穫され、それ以外の時期に見つけることはまず不可能といわれています。旅行者向けのガイド付ききのこ狩りツアーはイタリア全土で行われていますが、ピエモンテ郊外で開催される「白トリュフ祭」には、観光客はもちろん、イタリアで採れる最上級のトリュフを味わい、購入するため、有名シェフから地元のレストラン業者まで多くの人が集まります。この白トリュフ祭は、通常、10月初旬から11月末まで開催されています。

コペンハーゲン(デンマーク)

世界一のレストランとして名高いノーマも店を構える街、コペンハーゲン。ノーマは、多くの人が一度は訪れてみたいと願うレストランですが、その理由は、味、雰囲気、サステイナビリティにいたるまで、全てにおいて至高を目指した料理を提供しているからです。使用する食材は全て地元産なので、きのこが主役になることも少なくありません。カリスマ・シェフのレネ・レゼピ氏が手がけたミシュラン2つ星レストランは、先を見越した予約が必要なほどの人気店ですが、事前に計画するだけの価値はあります。

ケネット・スクエア(アメリカ・ペンシルベニア州)

ペンシルベニア州ケネット・スクエアにあるきのこ園は、アメリカでも最高峰を誇る品種量が自慢で、必ずや絶品きのこを手に入れることができます。ケネット・スクエア郊外にあるウッドランズ・フィリップス・マッシュルーム・ファームズでは、椎茸、エリンギ、ヤマブシタケなどの厳選されたきのこを購入できるだけでなく、地元シェフによる調理実演や、きのこの栽培プロセスを紹介するちょっと変わった展示も楽しむことができます。

この記事はTravel & Leisureのケイトリン・マッキンスが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.com.まで。

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