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2020年ヴィンテージに向けて ~ぶどう園、冬から春へ~
こんにちは。
今回はサッポロ安曇野池田ヴィンヤードよりぶどう園の今の状況をお届けします。
皆さん冬のぶどう園は想像できますか?
ぶどうが無いのにすることがあるの?という疑問がある方もおられると思いますが、2019年の収穫が終わるとすぐ、ぶどう園は2020年ヴィンテージのぶどうを栽培するために動き出します。
冬の時期特に重要な作業が「剪定(センテイ)」です。
剪定は、今年出てくる芽を適切な数にするために、枝を切って整える作業です。
ぶどうは何年にも渡って同じ樹から果実を収穫します。
この果実の品質がワインの良し悪しを左右します。なので、品質の良い果実を得るために良い樹を育てることがとても重要です。
ワイン業界では樹の形をコントロールすることをキャノピーマネジメント(樹冠管理)と言いとても大事にしています。

このキャノピーマネジメントの中でも特に「剪定」は重要です。
なぜなら、芽の数で新梢数が決まり、芽の数が多いと新梢数も多くなります(新梢は今年新しく成長した芽のことです)。
ぶどうの花は新梢でつくられることが多く、そこからぶどうの房となるため、剪定で多すぎても葉や房の重なり等で生育阻害や病害が発生する可能性があり、少なすぎても収量が少なくなるので、剪定作業の段階が最も重要なんです!
この作業で今年の樹の形が決まることはもちろんですが、将来的な樹の形にも影響がでてくるんです。
なので、メンバー全員で悩みながら将来の樹の形をイメージして剪定を行っています。
サッポロ安曇野池田ヴィンヤードは面積が約12.6ha(だいたい東京ドーム2.7個分)あるので、剪定は11月後半に始めて2月にやっと終わります。
剪定時には大量の剪定枝(剪定で切り落とした枝)が出ます。

この写真にある剪定枝の山でも全体のごく一部です。
この剪定枝はほぼ1年でぶどうが生長した分ですので、ぶどうの生長する早さ、量の多さを実感できます。
剪定が終わると残した枝をワイヤーに誘引していきます。2020年はこの誘引した枝から新しく果実を着ける枝が伸びてきます。

そして、3月は厳しい冬が終わり(と言っても今年は暖冬であったのですが)、ぶどう園にも春が訪れてきました。
皆さんは春が来たということを何で感じますか?
ぶどう園ではぶどうが春の訪れを教えてくれます。
この言葉で表現される現象がぶどう園に春を告げます。
「ぶどうの涙」
春、日光を受けて暖められた土の中で、根が活動をはじめ水を吸い上げます。
冬に剪定した切り口から、水が滴り落ちます。
それはまるでぶどうが涙を流している様に見えるんです。
ぶどうの涙で我々はぶどうが2020年収穫に向けて動き出したことを実感します。

2020年ヴィンテージも美味しいワインになるようにぶどう栽培スタッフ力を合わせて頑張ります!!
グランポレール安曇野池田ヴィンヤードシリーズを、是非よろしくお願いいたします。
サッポロ安曇野池田ヴィンヤード 須田元輝
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