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ル・テタンジェ国際料理賞コンクール【前編】美食学のエベレストとは?
世界的な人気を誇るシャンパーニュである、テタンジェ【TAITTINGER】。
実は、このテタンジェの名前を冠した、フランス料理の世界大会があります。
若手料理人を対象とした「ル・テタンジェ国際料理賞コンクール」です。
1967年にこの料理コンクールを創設したのは、クロード・テタンジェです。
クロードは、食通であった、父親でありシャンパーニュ・テタンジェの創始者である、ピエール・テタンジェの思い出と、ピエールの持っていた偉大なるフランス料理のビジョンを永久に留めたいと考えました。
今年で51回目を迎えるこのコンクールですが、テタンジェが主催するからといって、シャンパーニュに合う料理を要求することや、テタンジェに関連するルールや審査基準は一切ありません。
テタンジェは、食文化に貢献したいという、その想いひとつで、毎年シェフたちが純粋な料理の腕前で勝負する、このコンクールを実施しています。
真摯で誠実な審査を行うことでそのレベルの高さが評判となり、時に「ガストロノミー【美食学】のエベレスト」と呼ばれるほどになりました。
優勝者が決まるまでのプロセスは、2段階に分かれています。
まず、世界大会の予選にあたる、各国でのコンクールがあります。その優勝者たちが各国を代表して、パリで行われる世界大会に進み、腕を競い合うのです。
日本におけるこのコンクールは、1984年から実施されています。
現在日本においては、このような世界大会に通ずる料理コンクールの存在は、この「ル・テタンジェ国際料理賞コンクール・ジャポン」のみだといわれていることから、この大会はフランス料理のシェフにとっては、とても大きな目標の一つといえるでしょう。
今年の日本大会、「ル・テタンジェ国際料理賞コンクール・ジャポン」は、9月5日に東京・新宿にて開催されました。
書類選考で絞り込まれた8名の参加者が、会場に集まりました。
ルールはとても厳格です。
参加者は、当日、2種類の料理を完成させねばなりません。
1つは、事前にテーマを設定されている料理について、書類選考で、すでにそのレシピを提出済みの「オリジナル・ルセット(レシピ)」。
もう1つは、「課題ルセット」として、大会側が当日指定する料理です。こちらは、実技選考開始20分前に内容が伝えられます。
審査では、この2種類の料理についての、盛り付けや味、ルセット通りに作られているか、バランス等に加え、参加者の調理場における作業の質が評価され、すべての合計点で優勝者を決定します。
さあ、今年のコンクールは、どのような結果になるのでしょうか?
中編・後編でお伝えします!