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ヒャダインさんと巡る、ヱビスのお店——イタリアンで昼飲み、大人の特権。街角で出会った「IL GENTILE」

恵比寿に降り立つと、なぜか無性に“ヱビス”が飲みたくなる——。
その理由を探しに、ヒャダインさんとともに恵比寿の街へ。昔ながらの居酒屋から気軽に立ち寄れるビストロまで、ジャンルも表情も異なる飲食店を巡りながら、料理とヱビスビールが生む“ちょうどいい贅沢”を味わいます。店主さんとのちょっとした会話、グラスに立ちのぼる香り、そして思わず誰かに話したくなるひと口。
次の週末、恵比寿のあの店で、ヱビスビールを飲みたくなる理由がきっと見つかるはずです。

とある日の昼下がり、恵比寿駅の西口を歩くヒャダインさんの姿があった。どうやら、久しぶりの休日なのだという。心地よいお天気も手伝って、頭に浮かぶのは「せっかくだから、今日は明るいうちから、おいしい一杯を飲みたいな」という至福の計画。
ふと、2階の窓を見上げると、黄金色の看板が目に入った。

「IL GENTILE(イル ジェンティーレ)……。ワインバーか。メニューの看板を見ると料理はイタリアンかな」
「イタリアンで、昼飲み。大人の特権ですな……」
そんな言葉とともに、ヒャダインさんは扉の向こうへ吸い込まれていった。

“ヱビス”愛にあふれる、大人の隠れ家イタリアン

一歩足を踏み入れると、そこにはまさに“大人の隠れ家”と呼ぶにふさわしい、落ち着いた空間が広がっていた。
「イル ジェンティーレ」は、本格的なイタリアンを楽しめるワインバー。どんなシーンでも利用しやすく、誰もがゆっくりとくつろげる空間をコンセプトに、13年間恵比寿で愛され続けてきた。そんなお店だからこそお客様も温かく、年齢層は30代から上は90代までと幅広い。
お店のこだわりはイタリアンやワインだけではない。「ヱビスビールがもの凄くおいしい」と常連を中心に好評だそう。
「僕自身、恵比寿が大好きで、恵比寿にいる人たちも大好き。もうこの街とはずいぶんと長い付き合いになりますからね。そして何よりヱビスビールが本当に大好きなんです」と溢れんばかりの“ヱビス”愛が炸裂するのは、オーナーの代田さん。

そして、この店を語るうえで外せないのが「恵比寿の料理人が考えるヱビスビールに合う逸品グランプリ」での2連覇だ。
イル ジェンティーレは、同イベントで2024年に準グランプリ、2025年には最優秀グランプリを獲得。さらに今年開催された第11回大会でも最優秀グランプリを受賞し、見事2連覇を達成したのだ。その気になる受賞料理は、後から登場するのでお楽しみに。
ワインバーが追求する、”きれいなヱビス”
代田さんの言葉には、自ら注ぐビールへの確かな誇りと情熱が滲む。
「ここのヱビスを飲んでみたい」。そんな想いが膨れ上がってくるヒャダインさん。
「まずは、ヱビスをお願いします」

そうして目の前に静かに置かれたのは、凛とした佇まいのグラス。
「なんだか、“きれいなヱビスビール”ですね…」と言いながら、ヒャダインさんがヱビスを口に。

「ああ、美味い。……幸せですね」
ヱビスの美しさとおいしさの秘訣を伺うと、代田さんは言う。
「毎日のサーバー洗浄とグラスの清潔さに気をつけているのは基本中の基本です。樽の温度や注ぎ方などももちろん気を遣っていますが、常に“フレッシュな状態”のビールを提供することがポイントですね」
「毎日ラストオーダーが終わると、自分でヱビスビールを飲み始めちゃうくらいのヱビス好きなんです。それもあってうちのお店は樽生の回転数が早いんですよ。常に新鮮なヱビスをお客様に楽しんでいただけるのは、“僕のお陰”かもしれません」

ワインバーでありながら、これほどまでにヱビスビールに情熱を注ぐのは、他にも理由がある。
「大人なワインバーだからこそ、そこにあるビールはヱビスでないと。恵比寿という街で店をやる以上、そこは譲れないこだわりですね」と代田さんが語ってくれた。
本場の香り漂う“お店の顔”、前菜の盛り合わせ

ヱビスを愉しむヒャダインさんの元へ運ばれてきたのは、色とりどりの「前菜の盛り合わせ」。
この日のラインナップは、「海ぶどうと小エビのマリネのサラダ」、「静岡県産富士サーモンのカルパッチョ」、「モルタデッラハム」や「フィノキオーナ」(シェフが修業していたトスカーナのサラミ)、「コッパ」(イタリア郷土料理のハム)、「カポナータ」と、本場の香りが漂う逸品ばかりが並ぶ。

ここで厨房から登場してくれたのは、シェフの丸山さん。
彼は、イタリアで3年間修業を積み、帰国後も有名店で研鑽を重ねてきた職人だ。
「前菜は、お店の“ご挨拶”のようなものだと思っています。だからこそ、イタリア現地での経験や技術、そのエッセンスをすべてこの一皿に取り入れるようにしているんです。何より、僕がイタリアで実際に食べて『本当においしい!』と感動したものを、そのままお客様にお届けしたいですね」と丸山さんは真剣な眼差しで語る。
ここでヒャダインさんがあることに気づく。
「もう、何から食べようか迷っちゃいますね。ん? このカポナータ、色がすごく濃くて、他のお店のものと全然違いますね」
「うちのカポナータは、作ってから少し熟成させているんです。なすの色や赤ワインの深みも加わって、こういう風に黒みがかった濃い色になっていくタイミングが一番おいしいんですよ」と丸山さん。

「おいしい……。熟成されたカポナータのコク、そしてサラミなどのお肉の旨味がヱビスビールの深い味わいと調和しておいしいですね。いやぁ、これは最高の昼飲みです」
次はどの前菜とヱビスを組み合わせようかと、自分だけの小さなストーリーを考えながら愉しむ、大人な贅沢時間が続いていく。
フィレンツェを感じるトリッパ、そして自家製パン

次に運ばれてきたのは、「トリッパと2種類の豆のトマト煮込み フィレンツェ風」だ。
このトリッパとヱビスビールの相性が良く、お店でも大人気の組み合わせとのこと。
ヒャダインさんは言う。「僕、内臓系が大好きなんですよ。メニューにあったら絶対に頼んじゃうんですよね。このトリッパは他ではなかなかないビジュアル。見るからにおいしそう!」
実はこの一皿、シェフの丸山さんにとって思い入れが深い、“十八番料理”なのだという。
「僕、本当はボロネーゼのパスタを学びにイタリアへ行ったんです。だけど現地で出会ったトリッパがおいしすぎて、感動のあまりその地域から出られなくなってしまったんですよ(笑)。それくらい衝撃を受けて、いろんなお店の味を食べて研究しました」
「うちのこだわりは、2種類の豆を入れ、ハチノスを3回ほど茹でこぼしていることです。余計な臭みや香りは一切ないのに、ハチノスならではの食感と風味がしっかり活きるように作っています。アツアツですので、お気をつけてお召し上がりください」
料理を冷ましながら口に運ぶ。その瞬間、ヒャダインさんの目が見開かれた。

「うんまーー! ……そして、すごく優しい。ハチノスのおいしさはもちろん、まるで濃厚な豆のスープを食べているかのような贅沢感がありますね」
間髪入れずにグラスを持ち上げ、ヱビスビールを喉へと流し込む。
「あぁ、ヱビスビールと完璧に合います。ヱビスの持つ力強いコクと、トリッパの優しい味わいがびっくりするほどマッチします!」
さらに、付け合わせのパンにソースをたっぷりと絡めてパクリ。
「このパンともばっちり合いますね! ソースを最後の一滴まで余すことなく味わうことができて最高過ぎます」

「小さなお店だからこそ、なるべく手作りをして手間をかけたいなと思っているんです。ワインバーですから極端な話、ハムとチーズとパンがおいしければ、お酒はいくらでも進むもの。だからこそ、パンも自家製で、毎日欠かさずお店で焼いています」と代田さん。
「このパンは全国のコンビニに置いてほしいくらい!」とヒャダインさんからのお墨付きだ。
ビールと合う、4種のチーズのパイピッツァ

続いてチーズの芳醇な香りとともにテーブルへやってきたのが「パイピッツァ クアトロフォルマッジ」だ。使われているのは、パルミジャーノ・レッジャーノ、モッツァレラ、タレッジョ、そしてゴルゴンゾーラの4種類。
この一皿にも、イル ジェンティーレならではの心遣いが宿っていた。
「2軒目や3軒目で来られるお客様から『軽くつまめるものが欲しい』というリクエストをいただき、重くならずにサクサクいけるパイ生地のピッツァを作りました」と丸山シェフ。

ヒャダインさんがさっそく一切れ口に運ぶと、みるみる顔がほころんでいく。
「生地が香ばしくて良いですね。そして何よりチーズがめちゃくちゃ芳醇で、とにかく美味い。ヱビスビールが欲しくなる!」
ここで丸山シェフから面白いお話が飛び出した。
「実はイタリア人って、ピザを食べるときはワインじゃなくてビールを合わせるんですよ」
「僕もイタリアのナポリに住んでいたときがあって。ナポリには何百軒ものピザ屋がひしめき合っていますが、現地では『ピザには絶対にビール』が鉄則だったんですよ」と代田さんも続ける。
本場のリアルな食文化を聞きながら、ヒャダインさんの手は自然とヱビスビールに。
「確かに。なんかビールの吸い付きがさっきまでと全然違いました! チーズとビールの相性、抜群にいいですね。そして口の中に残るピザの余韻だけでもビールが飲めちゃいますね」
ヱビスと一緒に食べて完成する、ポルペッティーネ

ここで「ヱビスビールに合う逸品グランプリ」で2連覇に導いた、話題の料理の登場。
その名も、「ポルペッティーネ〜イタリア風鶏つくね〜」。
「ポルペッティーネとは、イタリア語で『小さな肉団子』を意味する伝統的な家庭料理で、それを僕なりの解釈で再構築しました。日本のつくねのように卵黄を絡めて食べることも検討しましたが、ビールとの相性を追求していく中で、生の卵黄よりも少し火を入れた方が合うと気づきました。そこで、フレンチで使われる卵黄のソース(オランデーズソース)からインスピレーションを得て、特製のソースを作りました」と丸山シェフは話してくれた。
「また、お肉の中には大きめに切った軟骨やフェンネルを混ぜ込み、ベースは本場流にトマトソースで煮込んでいます。つくねの上には食感のアクセントとしてレンコンを添えました。何度も試作を重ねてこだわった逸品です」

ひと口噛み締めた瞬間、またヒャダインさんの表情が一変した。

「これは凄い。おいしすぎる。間違いなく優勝作品ですね。口の中にお肉の旨味とフェンネルの香りが、ぶわぁっと広がりました」
「そして何よりヱビスとの合い方が尋常じゃなくて、『相乗効果』が凄い。ビールが料理の旨味を持ち上げて、その料理がまたビールのおいしさを引き上げて、幸福のループが止まりません!」
「嬉しいです! 鶏って穀物を食べて育つので、そもそもビール(麦)とは相性が良いと感じていて、僕はこれを『DNAで繋がる』と言っています。また、ヱビスは比較的苦味がしっかりしているので、つくねの中に忍ばせた新玉ねぎの自然な甘みでバランスを取ったのもポイント。一緒に飲んだときに、初めて口の中で1つの料理として完成するイメージです」と丸山シェフ。
「なるほど。漠然と合うよねっていうレベルじゃなくて、もの凄く緻密に計算されて合っているんですね。グルメな人でも、これは初めての経験になるんじゃないかな」とヒャダインさんは深く肯いた。
実はこのメニュー、イベントの期間限定で提供していたもので、グランドメニューには載せていないそうだ。代田さんいわく「これは『逸品グランプリ』という特別な舞台のために、僕らがビールに対して最大の敬意と感謝を込めて作った一品」だそうで、今のところ定番化は検討中とのこと。

心地よいほろ酔い気分と、至福のマリアージュの余韻に包まれながら、最後にヒャダインさんが語ってくれた。
「ナンバーワンを獲るすべてのものには、やはり必然的な理由があるんだと改めて分かりました。そしてヱビスビールは、単なるお酒ではなくて、人と街、そしてお店を温かく繋いでくれる役割を果たしていると感じました」
「恵比寿って、誰もが憧れる大人気の街だし、山手線の主要な駅じゃないですか。でも、新宿や渋谷、池袋に比べたら、圧倒的に人の『温もり』がある街なんだなと。このお店の食事を通して、改めてしみじみと感じました」

最後に、オーナー代田さんに恵比寿とヱビスビールへの想いを伺った。
「『イル ジェンティーレ』はイタリア語で『紳士』を意味する言葉ですが、うちの店においては『思いやり』という意味を特に大切にしています。お店で関わる人との繋がりにおいて、思いやりを循環させていきたいという想いが込められているんです」
「恵比寿は飲食店同士の繋がりも多く、人と人が自然とリンクしていく魅力的な街です。気がつけば13年目を迎えますが、お客様をはじめ、当店に関わってくださるすべての方々には感謝しかありません」
「そして、ヱビスビールにも感謝しています。この街の象徴と言えるヱビスビールには、他のビールとは一線を画す別格の存在感があると感じています。これからも恵比寿で、特別なヱビスビールと料理をお届けしていきます」

さて、次回はどんなお店で“ちょうどいい贅沢”に出会えるでしょうか。お楽しみに。
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プロフィール
「IL GENTILE(イル ジェンティーレ)」
[住所]東京都渋谷区恵比寿南2-1-5 ES215ビル 2F
[TEL]03-6451-0808
[営業時間]月・金・土18:00〜00:00(L.O. 料理22:00)火・水・木11:30〜15:00(L.O. 14:30)
定休日:日曜
クレジット:
Photograph_Takeshi Sasaki
Text_Nana Tabara
Edit_Nana Tabara,Tenji Muto(amana)








