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【第3回】学生限定イベント!恵比寿で昼飲みしながらお酒の「モッタイナイ」を語り合う

    SDGsやサステナビリティといった概念はすっかり社会に浸透し、地球環境や社会問題と向き合い、「持続可能な社会」を目指す流れは世界的な潮流として定着しています。サッポログループでもさまざまなサステナビリティの取り組みを行っていますが、「もっと気軽に皆さんとサステナビリティについて考えたい。」そう考え、学生向けのイベントを定期的に開催しています。※20歳以上の学生が対象です。

    今回は、お酒にまつわる「モッタイナイ」を、学生の皆さんと昼飲みしながら話し合ったイベントの様子をレポートしていきます!

    恵比寿の緑地で昼飲みをしながら
    「モッタイナイ会議」がスタート

    SAPPORO STAR COMPANY(スターカンパニー/愛称:スタカン)の学生限定イベントは今年で3回目の開催を迎えました。本イベントは、「サステナビリティの実現のために、私たちに何ができるのだろうか?」というテーマを、学生の皆さんと肩肘張らず、自由に考える場としています。

    このイベントは毎回、SUKIMA DESIGN LAB(スキマデザインラボ)代表の岡部祥司さんにご協力いただき、実現しています。

    SUKIMA DESIGN LAB代表の岡部祥司さん。スキマデザインラボは「世の中のスキマに眠る「モッタイナイ」データを収集し、新たな価値へとデザイン」する会社です。世の中の「モッタイナイ」という声を集めるワークショップ「モッタイナイ会議」を開いていて、今回のイベントもその活動の一環となります。

    会場は、恵比寿ガーデンプレイス内、サッポロビール本社のすぐ隣にある「サッポロ広場」。ここは、周辺緑地と一体となって生態系サービスの機能を担う、都会の貴重な緑地を目指しています。環境省の「自然共生サイト」の認定も受けています。
    サステナビリティをテーマとしたイベントのため、今回用意したアルコール・ノンアルコール製品には、余剰製品などを活用。ペットボトルのほうじ茶はラベルレスのものを準備しました。

    今回のイベントには、24名の大学生の皆さんにご参加いただきました。中には、関西から夜行バスに乗って来てくれた人も!会場では5つのグループに分かれ、サッポロビールの社員がファシリテーターとして一人ずつ着席するスタイルで進行します。

    まず、サッポロビール恒例の乾杯、「乾杯!サッポロー!」を皆さんで声高らかに響かせてイベントがスタート。簡単な自己紹介を終えた後、今回のワークショップの流れについて説明がありました。

    まずは、お酒に関わる『モッタイナイ』ことをグループで協力して出し合い、付箋に書き出していきます。時間は30分間。ブレストの方法や時間の使い方、そして切り口は自由です。

    「お酒を飲むことで、もっと面白いアイデアが出てくる可能性がありますから、ぜひ自分のペースで楽しく飲みながらワークを進めてみてください。また、これから色んなアイデアが出てきますが、そのアイデアは一度全て受け入れてみてください。内容にいちゃもんをつけるのだけはやめましょう。」(岡部さん)

    岡部さんは、グループワークを進める上での大切なルールを、関西なまりを交えた軽快なトーンで話してくれました。

    ざっくばらんに意見を交わしながら、お酒にまつわる「モッタイナイ」を次々と付箋に書き出していきます。

    大学生が掘り下げた、お酒の「モッタイナイ」

    ブレストが終わると、各グループによる発表の時間が設けられました。その視点はとてもユニークで、「たしかに!」「分かる!」と頷けるものから、会場がどっと笑いに包まれるものまで多種多様。ここでは、そのアイデアの一部をカテゴリーに分けて紹介します。

    ●ビールにまつわる「モッタイナイ」
    「泡がすぐに消えてしまうこと」
    「ビールがぬるくなってしまうこと(飲むけれど)」
    「ビールの黄金比率がなかなかできないこと」
    「ラガービールの缶が季節限定商品であること」
    「飲み残しがあること」

    ●お酒の飲み方にまつわる「モッタイナイ」
    「飲む人、飲まない人で飲み会のテーブルが分かれてしまうこと」
    「同じお酒しか頼まないこと」
    「仕事中に飲めないこと」
    「乾杯の前の話が長すぎること」
    「企業努力でおいしい酒を作っていただいてるのに、私たちは酔うためだけに消費している時があること」

    ●おつまみにまつわる「モッタイナイ」
    「お通しが高いお店があること」
    「ペアリングが詳しくないこと」
    「おつまみを作る時間自体」

    ●お酒を飲むことによるマイナス面の「モッタイナイ」
    「二日酔いで次の日が潰れてしまうこと」
    「お腹がすぐ膨れてしまうこと」
    「太ってしまうこと」
    「帰りの電車で気持ち悪くなることがあること」

    ●その他の「モッタイナイ」
    「お酒が弱いこと」
    「ライブやイベントのお酒が高いこと」
    「缶を開けた時の音が全部一緒であること」
    「ワインは格式や値段が高いこと」
    「ペットボトルタイプのお酒がないこと」
    「金欠で飲みにいけないこと」

    グループごとの発表方法にも個性が光ります。

    各グループの発表が終了したところで、ワークショップは次のステップへ。

    「次は、今出してもらった『モッタイナイ』の中から、解決したいテーマを一つ選んでください。そして、そのテーマを解決するアイデアを考えてみてください。話し合っている間に『やっぱりこれにしよう』とテーマが変わっても全く構いません」(岡部さん)

    各グループは、楽しく、真剣に、そして活発にアイデアを出し合いながら、発表内容を詰めていきました。そうしてアイデアがまとまり、いよいよ各グループの発表の時間です。

    酔うためだけのお酒はモッタイナイ。
    酔い度を可視化するアプリを開発

    挙手制で最初に発表したのは5班。発表が始まるやいなや即興の演技が始まりました。

    「サークルの飲み会のワンシーンです。『全然飲んでねぇじゃん、飲もうぜ〜!』」この寸劇に続いてテーマを発表します。

    「はい。私たちは、『酔うためだけのお酒はモッタイナイ』をテーマにしました」

    酔うことで人との距離が近づいたり、普段言えないことが言えるようになったり、色んな人と仲良くなれるといったメリットもあります。一方で、人によってお酒の強さが違うので、お酒を勧める側は「まだ飲める」と思っていても、飲まされる側はすでに「酒量超えている」可能性があり、そこに「モッタイナイ」があると着目したそうです。

    「そこで、『酔っている度を可視化できるアプリ』を提案します。アプリの機能として、飲んだお酒の種類と杯数を記録できるようにします。さらに、アプリ内のミニゲーム(判断力や思考力のテスト)で現在の『酔い度』を数値化・可視化していきます。これにより自分のキャパシティを知ると共に、周囲にも酔い度が見える化され、無理な飲酒を避けることができます。結果的に、ただ酔うだけではなく、ビールのおいしさや場の楽しさを味わえる環境を目指せるはずです」

    寸劇で笑いを誘い、その面白いアイデアに会場が「なるほど!」と感心した発表でした。

    ワインを飲む機会が少ないのがモッタイナイ。
    若者の心を掴む様々なアイデアを披露

    次に発表を行ったのは1班です。彼らが選んだテーマは、「若者がワインを飲む機会が少ないのがモッタイナイ」という課題でした。たしかに、ビールやチューハイと比べると、ワインは「値段が高い」「知識が必要そう」「格式が高い」といったハードルの高さを感じやすいですよね。

    そこで1班は、若者がワインを飲みたくなるようなアイデアを、さまざまな角度で展開してくれました。

    「1つ目は、『推し活カラー』のワイン開発です。アイドルやキャラクターの推し色に合わせた色のワインを製造して、ラベルを可愛くしたりボトルをキラキラさせたりして、SNS映えを狙います。

    次に、プロモーションでは、「アニメとのコラボも検討していきます」

    他にも、「小さいサイズのボトルを普及する」「低アルコールのワインを作る」「風味が落ちず、持ち運びやすいグラスを開発」など、製造から飲用シーンまで、さまざまな方向性からアイデアを提案してくれました。

    お酒と居酒屋にまつわるモッタイナイを
    ターゲット別に解消

    4班は、「もうお酒で悩まない居酒屋の新常識」をテーマに、3つのターゲット別に提案してくれました。

    1つ目は、飲みすぎて記憶を飛ばす「こじらせ男女」向けを提案。このターゲット設定もとてもユニークですよね。

    「このターゲット向けに、『しじみビール』『ウコンビール』といった商品を開発します。さらに、『私酔ってますよ、ビール』のような、酔っている人向けの低アルコールのビールも販売します」

    「2つ目は、飲み会に消極的なお酒の弱い層向けに、薄いお酒をこっそり選べるようなスマホオーダーの仕組みを取り入れます。また、カクテルなら飲める人も多いと思うので、芸能人を起用した『カクテル男子』のPRをして男性もカクテルを楽しめる環境を作ります」

    「最後は、いつも同じお酒を頼んでしまう人に向けて、マンネリ打破のアイデアです。ビールのお試しパックを販売して、普段飲まない種類や季節限定品、あえてノンアルコールやカクテルを入れることで、新しい味との出会いを作ります。また、『甘口が好き』『辛口が好き』といった条件からお酒をおすすめするアプリなども提案します」

    グループの中に居酒屋でアルバイトをしている人がいたこともあり、具体的なアイデアがたくさん飛び出しました。

    缶タイプだけはモッタイナイ。
    ペットボトルタイプのビール開発

    3班が注目したのは、ペットボトルタイプのお酒がないという「モッタイナイ」です。ビールといえば缶タイプですが、短時間で飲みきる必要があるので飲むシーンが限られてしまうことや、結露で滑りやすく酔いが回ると落としてしまう不便さがあると指摘していました。

    「そこでペットボトルタイプのビールを開発したいです。蓋を開けた瞬間にクリーミーな泡が発生する仕組みを開発し、付加価値を付けていきます。また、缶と違い透明なペットボトルはデザインの幅が広がるため、ボトルに柄を描くなどしてSNS映えを意識。拡散を狙っていきます」

    大容量の焼酎などにはペットボトルタイプも見られますが、手軽に買えるビール類は缶がほとんどです。既存商品には無い斬新なアイデアを発表してくれました。

    みんなでお酒を楽しめないのはモッタイナイ。
    夢の「乾杯パーク」を計画

    最後に発表した2班は、「飲み方に自由を」という点に着目。「みんなで一緒にお酒を楽しめないのはモッタイナイ」を軸に、「飲めない人や炭酸が苦手な人でも楽しめるように」アイデアを練りました。そこで出た案が、お酒が飲めない人も行きたくなるテーマパーク「乾杯パーク」です。

    「パーク内には、誰もが楽しめる様々なコーナーを作ります。星マークの入口から入ると、低アルコールから高アルコールまで楽しめる『アルコールロード』へ。『試飲コーナー』では、飲んだことのないお酒を少量ずつ試せます。また、お酒を使ったスイーツやカクテルが並ぶ『映えエリア』や、ペアリング体験ができる『おつまみ・お菓子コーナー』など、お酒初心者でも楽しめるコンテンツをたくさん用意します」

    さらに目玉となるのが「乾杯万博」です。

    「お酒が進むと英語が苦手でも外国人と交流してしまうという経験から着想を得て、様々な言語の『乾杯』が飛び交う場を作ります。パブリックビューイングを行いながら国際交流を深め、インバウンドにも対応していきます」

    他にも、「休憩コーナー」「大喜利や漫才を見られるイベントコーナー」など大充実。退場時にはウコンを使用したドリンクがもらえるという至れり尽くせりなサービスまで設計されていました。飲めない人への配慮から、酔いすぎた人へのケアまで、いろんな人の気持ちに寄り添った設計に感心。もし「乾杯パーク」ができたら、ぜひ行ってみたいと夢が膨らみました。

    自分の思いを
    口にして伝えることの大切さ

    各グループの発表が終わったあとは、サッポロビール社員からのフィードバックや感想が続きました。その一部をご紹介します。

    まずは5班の[ようちゃん]から。「この班は、お酒が強い人も強くない人も、様々な立場に立って物事を考えられていた自慢の班です。出た意見に対し、あえて真逆を考えてみる様子が見られて、多角的な視点でブレストをしていました」とチームの洞察力に感心していました。

    3班の[ほーりーさん]は「最初はしっかりした意見が多かったものの、お酒のお陰か途中からぶっ飛んだアイデアが次々と飛び出し、意見が活発になっていきました」と振り返りました。

    最後に、2班の[あみさん]は、チームの共感力にフォーカス。「誰かの発言に対し、『それいいね』『わかる』といった共感力が非常に高いところが、チームの素敵な点だと感じました」と話してくれました。

    社員からのフィードバックの後、岡部さんから、大学生たちにメッセージが贈られました。

    「皆さんのおかげで、私も楽しくやらせていただきました。今日の議論に『正解』があるわけではありません。皆さんがこれから生きていく中でも、正解っぽいものもあれば、そうではないものもあるでしょうし、きっと本当の正解って無いと思うんですよね。だからこそ、自分が思うこと、自分が信じることを、きちんと口にして伝えられることが大事になってきます。今日のような場を少しずつ踏んでいければ、きっと皆さん素敵な社会人になるはずです。引き続き頑張ってください」

    最後に、サッポログループの
    サステナビリティへの取り組みも紹介

    イベントの締めくくりには、サステナビリティグループ所属の[くぼれな]さんから、サッポログループのサステナビリティへの取り組みが紹介されました。

    資料を見ながら説明を聞きます。

    サッポログループにとって、気候変動や環境破壊をはじめとする環境変化は、大麦やホップ、ブドウといった原料調達に直結する大きな課題です。そのため、サステナビリティへの対応は不可欠であり、経営戦略として、より一層取り組みを強化していきます。サステナビリティの重点課題は「環境との調和」「社会との共栄」「人材の活躍」の3つの柱を掲げ、具体的に9つの重点課題を設定しています。

    今回のイベントでは、大学生の皆さんが「責任ある飲酒の推進」について議論している場面が多くありましたが、それはサッポログループが掲げるサステナビリティの重点課題の一つでもあるのです。

    また、気候変動に対応した「Dual-S大麦」という次世代大麦の開発の他、生産者とともに畑から原料を一緒につくる「協働契約栽培」の取り組みに加え、環境変化への対応を一層強化し、サステナビリティ課題の解決を目指した 「フィールドマネジメント」 の活動も始動しています。

    大学生とサッポロビール社員の
    交流が深まるイベントに

    こうしてプログラムは全て終わり、締めに乾杯をしてお開きとなりました。

    撤収までは自由な歓談の時間に。この日参加したサッポロビールの社員は、商品開発、消費者のデータ分析、人事、サステナビリティ、SNS担当など、多岐にわたる部署から集まり、大学生たちが気になる部署の社員に質問しているシーンが多く見られました。

    ワークショップの終わりには、すっかり参加者同士打ち解けており、「この後、YEBISU BREWERY TOKYOで二次会に行く人〜!」と呼びかけ、二次会に向かっていく様子も印象的でした。

    参加した大学生からは、このような感想をいただきました。

    「好きなお酒のことをこれほど深く考える機会はなかったので、幸せで楽しかったです」

    「お酒を飲みながらの話し合いはなかなかないけれど、面白いアイデアが出て良かったです」

    「インターンのような評価を気にする場ではなく、お酒を飲みながら自分の思いを素直に出せてブレストできたのが良かったです」

    「普段自分から発言するタイプではないのですが、皆が『いいね』と返してくれるので、いつもより意見を出しやすかったです」

    社員達も、普段会社の中にいるだけでは得られないリアルな機会をいただき、とても有意義な時間を過ごせました。

    今回ご協力いただいたスキマデザインラボ、そしてサッポログループが取り組んでいるサステナビリティについて、詳しく知りたい方は以下のリンクをぜひご覧になってください。

    【SUKIMA DESIGN LAB(スキマデザインラボ)】

    【サッポロホールディングスのサステナビリティの取り組みを見る】

    (文・写真=田原奈奈)

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