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グランポレール|安曇野池田ヴィンヤードの特徴や栽培管理の方法
グランポレール 安曇野池田のワイン造りに欠かせない剪定作業
今回お伝えするのは、休眠期の作業で最も重要と考えられている、剪定作業についてです。
安曇野池田ヴィンヤ-ドは、圃場面積が広く標高差もあるため、圃場毎に気候条件に違いがあります。残雪があると休眠期の作業の効率が下がることから、剪定をする畑の優先順位は、残雪が残り易い畑から先に作業を進めて行く様にしています。
剪定作業は難しく、迷うことが多いため、時々、相談をしながら作業を進めています。
実際の剪定作業ですが、剪定前と剪定後の写真を比べてみましょう。
品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、仕立はGuyot Double(ギュイヨ・ドゥ-ブル)と言い、垣根仕立の一つで、主に、左右に結果母枝を2本残す方法です。
大胆にも昨年伸びた枝の約80%~90%は剪定により切り落とし、主に、両腕と言われる2本の枝を残します。
これら2本の枝を、矢印の様に両側に倒して針金に固定し、今年の結果母枝とします。
こうすることで、残された枝にある芽に栄養分を集中させ、今年、一気に伸びる新梢のそれぞれに品質の良いぶどうを実らせるがことができます。
結果母枝をできるだけ、左右、同じ高さ、対照に配置することで、新梢が均一に育ち、ぶどうの熟度がそろうことで、一度に収穫することが可能になります。
因みに、身近な落葉果樹には桃とリンゴがありますが、共に、2年目の枝(昨年伸びた枝)以降にしか実を結ぶことができません。
ぶどうには、この他に頑強な巻きひげがあり、他の果樹にはないたくましさを感じます。
作業中、圃場の中で、樹にぶら下がっている袋状のものを数か所で、ほぼ同じ高さの位置に発見しました。
これは、安曇野の自然の豊かさたるゆえんかもしれませんが、最近ではなかなか見られないようになってきているという蓑虫(みのむし)です。樹の粗皮で作られた袋を被っているため周囲と一体化し、一見、どこにあるかは分かりません。
蓑虫が巣をつくる位置と積雪量との関係は定かではありませんが、今年は、この高さまでの積雪量は観測されておりません。
安曇野池田ヴィンヤ-ドの大半の樹は2011年3月11日の東日本大震災以降に植栽しておりますので、丸8年が経過し、年々品種特性が増し、香味のバランスが高まってきています。
これまでの経験を重ねて、今後も、新たな栽培方法を取り入れ進めて行きたいと思いますので、今後も安曇野池田ヴィンヤ-ドの製品にご期待下さい。
安曇野池田ヴィンヤード
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グランポレール 安曇野池田ヴィンヤードの特徴
グランポレールシリーズのぶどうは、国内各地の厳選した土地に作られた畑で丁寧に育まれています。ここでは、安曇野池田ヴィンヤードの魅力や特徴をご紹介します。
安曇野池田ヴィンヤードはどんなところ?
安曇野池田ヴィンヤードは、長野県・安曇野池田の自社畑です。長野県は自治体が「信州ワインバレー」構想のもとさまざまな取り組みを行っており、今やワインの一大生産地のひとつにまで成長しています。
そんな長野県の中央よりやや北西に位置する北安曇郡池田町に、安曇野池田ヴィンヤードがあります。北アルプスをはるかに望む地の標高は560mから630mで、信州ワインバレーの「日本アルプスワインバレー」に属する地です。
降雨量が少なく夜は気温が下がりやすいため、ぶどうの栽培に適した気候です。保水性があり、水はけが良く、フランス系品種のぶどうとの相性が良い気候条件が揃っています。北アルプスを源流とする高瀬川と東側の山地に挟まれており、南北方向の風向きが特徴的です。
安曇野池田ヴィンヤードで栽培しているぶどう
安曇野池田ヴィンヤードでは、品種ごとに畑を分けて下記6種類のぶどうを栽培しています。
品種 |
主な特長 |
カベルネ・ソーヴィニヨン |
赤ワイン用ぶどう品種の代表格。凝縮感のある力強さが特長のタンニンと、豊かな香りがあり、深い後味を楽しめる。 |
メルロー |
もうひとつの赤ワイン用ぶどう品種の代表格。やや朱色をおびた液色が特長で、芳醇なアロマとまろやかな味わいが魅力。 |
シラー |
力強いアロマを楽しめるぶどう品種。安曇野池田のシラーは、スパイシーな香りと調和のとれたタンニンが特長。 |
ピノ・ノワール |
フランスを代表する高級品種で、「ブルゴーニュの王様」と呼ばれるぶどう。イチゴやチェリーの香りに繊細かつ上品な味わいが魅力。 |
ソーヴィニヨン・ブラン |
白ワイン用ぶどうの代表格。柑橘やハーブを思わせるすっきりとした清々しい香りを楽しめる。 |
シャルドネ |
もうひとつの白ワイン用ぶどうの代表格。安曇野池田では夜温の低さに影響して、酸がよく残っているのが特長。 |
土地の性質に合わせて畑を分けるため、必ずしも赤ワイン用・白ワイン用で整列していないのがワイン用ぶどう畑に共通した特徴です。例えば安曇野池田の場合、シャルドネはピノ・ノワールとメルローの赤ワイン用ぶどう2品種に挟まれた畑で育てられています。
グランポレール 安曇野池田ヴィンヤードが大切にしていること
上質なワインを多くの方に楽しんでいただくために、グランポレール 安曇野池田ヴィンヤードが特に大切にしていることを2つご紹介します。
グランポレールはぶどうの力を100%引き出したワイン
グランポレールは、各産地の個性、ぶどうの品種ゆらいの個性をどちらも大切にしています。例えばぶどうは、収穫の年ごとに異なる特長をもっています。その特長を活かして醸造を行うのがグランポレールのこだわりです。
そもそもワイン用ぶどうは、苗を植えてから一人前に成長し、収穫できる状態になるまで約5年かかります。ぶどう本来の力が出てくるまでにはさらに5年かかり、より上質な実をつけるまでに合計10年以上の長い年月を要します。安曇野池田ヴィンヤードの畑は2009年に開かれました。当時植えられたぶどうの木が、今ようやく真価を発揮しはじめています。
安曇野池田ヴィンヤードの栽培管理
高品質なぶどうを栽培するためには、適切な栽培管理が欠かせません。安曇野池田ヴィンヤードでは、土地やぶどうの個性を理解し、生育状況を適切に管理しています。
こだわりの強さは気候予測や土壌分析にも表れています。気温の変化や土地の性質は、ぶどうの個性に大きな影響を与える大切な要素です。可能な限り気候予測や土壌分析を正確に行うことで、ぶどうの育成環境を守っています。
また、サッポロは全国の契約農家との信頼関係にも重きを置いています。信頼関係がしっかりと醸成された中で互いに想いや知識、技術を共有することで、より良いぶどう栽培につながるためです。
日々、関係者が畑をまわりながらぶどうの生育状況を観察し、質の向上に取り組んでいます。
グランポレール 安曇野池田の商品ラインナップ
安曇野池田ヴィンヤ-ドでは複数の品種が栽培されています。丁寧に育てられた安曇野池田ヴィンヤ-ドのぶどうを100%使用使用した、グランポレールシリーズ6本をご紹介します。
グランポレール 安曇野池田ヴィンヤード メリタージュ
カベルネ・ソーヴィニヨンとメルローをブレンドしたワインです。主体を担うカベルネ・ソーヴィニヨンの骨格がしっかりと感じられる、タンニンの強さが特長です。一方でメルローの豊かな果実味も存在感を出しており、バランスのとれた味わいに仕上がっています。
凝縮感がありつつも、調和のとれたタンニンならではのきめこまやかな甘みも楽しめるワインです。和牛ステーキや焼き肉といった素材そのものの味わいを楽しむ料理のほか、じっくり火を通したラムのスパイス煮込みにもよく合います。
グランポレール 安曇野池田カベルネ・ソーヴィニヨン
カベルネ・ソーヴィニヨン100%のワインです。小粒で凝縮感のある、色の良いぶどうの中からさらに選果した、高品質な原料のみを使用しています。ぶどうの凝縮感はワインにもしっかりと反映されており、熟成したタンニンの甘さと力強さが感じられる味わいです。
液色は深みのあるルビーレッドで、果実由来のカシスに樽熟成によるバニラのニュアンスが加わった、調和のとれた香りに仕上がっています。ラムのグリルやシェパードパイといった肉感が楽しめる料理のほか、熟成したチーズと合わせるのもおすすめです。
グランポレール 安曇野池田ピノ・ノワール
ピノ・ノワール100%で造られた、繊細なタンニンが魅力のワインです。発酵の過程で浮かび上がる果皮などを押し込むピジャージュ(パンチダウン)を主体とし、手作業で繊細なタンニンや色素を丁寧に抽出しました。
液色は淡いガーネットで、グラスに注いだときのオレンジを帯びたエッジが特長です。チェリーやラズベリーを思わせる甘い香りの後、空気に触れて徐々に開いたことを知らせるプラムのニュアンスが漂います。滑らかなタンニンが舌に心地良く、エレガントな余韻を残してくれます。
繊細なタンニンを味わうなら、おすすめはマグロ料理です。マグロはカツレツのほか、漬けで楽しむのもワインとよく合います。
グランポレール 安曇野池田ヴィンヤード シラー
小粒で色付きの良いシラーを100%使用したワインです。凝縮感のあるぶどうの中からさらに選果を行い、高品質な原料のみを使用しています。
シラー種といえば、白胡椒のようなスパイシーな香りが魅力です。安曇野池田ヴィンヤード シラーには、さらにベリー系の香りやきめ細やかさ、甘味のあるタンニンが感じられます。濃厚で凝縮感のある味わいでありつつも、滑らかな味わいです。
スパイシーなニュアンスを生かせるカモのスモークやジビエ、スペアリブとのマリアージュがおすすめです。
グランポレール 安曇野池田メルロー
メルロー100%で造られた、柔らかなタンニンが特長のワインです。果実由来の完熟したチェリーやベリーを思わせる香りに樽香が加わって、バニラのニュアンスを楽しめます。
濃厚で緻密なメルロー種ならではのタンニンは、淡泊な味の料理とよく合います。熟成肉の塩ステーキやうなぎの白焼きなど、素材本来の味を楽しめる料理と合わせるのがおすすめです。
グランポレール 安曇野池田ヴィンヤード シャルドネ
シャルドネ種の魅力は、栽培された土地ごとに特長が大きく変わることです。安曇野池田ヴィンヤードのシャルドネは、冷涼な気候によって豊かな酸味をもっています。
マロラクティック発酵(MLF)を行わず、発酵後の澱引きもしないシュール・リーで樽熟成を行ったワインです。味わいに複雑さが生まれるので、柔らかくもしっかりとした酸味が楽しめます。
洋梨や白桃を思わせるアロマに、樽熟成によるバニラのニュアンスが含まれた香りは、魚料理との相性が抜群です。寿司やふぐの水炊き、きんきの炭焼きがよく合います。
まとめ
安曇野池田ヴィンヤ-ドで丹精込めて育んだぶどうを使用したワインは、サッポロが誇るグランポレールシリーズのフラッグシップとなる存在です。気候の多様性を生かしてさまざまな品種を栽培しており、ワインからもさまざまな表情や香りを楽しんでいただけます。
特別な日やちょっとしたご褒美に、グランポレール 安曇野池田シリーズの各種ワインをぜひお試しください。