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ビール好きに朗報!?
1日1杯のビールで腸内環境がアップ
人の体内に共生する微生物(マイクロバイオーム)に関する新たな研究によると、ラガービールが腸内の細菌の働きを助け、特定の病気にかかりにくくしてくれることがわかりました。またその他の研究でも、ノンアルコールビールなどのドリンクを適度に摂取することで健康効果が期待できるといわれています。
この最新の実験では、被験者の男性がラガービールを毎日1杯飲んだ場合、病気のリスクを下げてくれる腸内細菌の多様性が実験前よりも増加したという結果が出ています。またこの効果は、アルコールの有無には関係がないことも明らかになっています。
多くの種類があるビールの中でも、この実験ではラガービールに注目しています。ラガーは、低温環境で醸造・熟成を行うタイプのドリンクで、ビールといえばラガーがエールビールを指すという認識が主流となっています。この2種の違いは、使用する酵母によって生まれます。
参考記事:ラガー酵母の進化を解明
健康を左右する腸内細菌のバランスは重要であり、このバランスが崩れると様々な代謝性疾患が引き起こされる可能性があります。逆に善玉菌が多いほど、慢性疾患にかかる可能性が減少するともいわれています。
ビールを飲むと善玉菌を増やすことができる?
ビールには、ホップに含まれる植物性化合物のポリフェーノールと発酵由来の微生物が含まれています。ビールを飲むと腸内細菌の多様性が増すことから、この2つが腸内フローラのバランスを整えてくれると考えられています。
この仮説を実証するため、19名の健康な男性を、アルコール入りのラガーを飲むグループとノンアルのラガーを飲むグループの2つに分けて比較対照実験が行われました。どちらも4週間にわたって夕食時に1杯(約325ml)飲むことが義務付けられました。
この結果、実験期間中に体重、BMI、血清マーカー(健康と代謝の指標となる)に変化は見られませんでしたが、どちらのグループも腸内フローラの多様性に加え、腸内環境の改善を示すアルカリホリスタファーゼ(ALP)値が向上していました。
つまりアルコールの有無にかかわらず、1日1杯のビールが腸内フローラの改善と健康増進に役立つという結論を導き出したのです。
健康面からいうとアルコールを全く摂取しないことが最善なので、飲むのであればノンアルビールの方がより健康的だといえます。
この研究結果は、「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に「Impact of Beer and Nonalcoholic Beer Consumption on the Gut Microbiota: A Randomized, Double-Blind, Controlled Trial」(ビールとノンアルコールビール摂取の腸内フローラへの影響:ランダム化二重盲検比較試験)のタイトルで掲載されました。
この記事は、最初にDigital Journalに掲載されました。
この記事はDigital Journalのティム・サンドル博士が執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまで。