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カラフルなスイカ味グミがベースのビールが登場
ペンシルベニア州アルトゥーナに拠点を置くコンビニチェーン「シーツ」の新商品は、お菓子の“グミ”にインスパイアされたビールです。
何世代にも渡ってアルコールの販売が厳しく規制されてきたペンシルベニア州では、コンビニでビールを販売することも違法でした。しかし、ここ10年ほどで規制が徐々に緩和され、同州を代表する大規模コンビニチェーン「シーツ」と「ワワ」がビールを販売するようになっただけでなく(シーツは100店舗以上、ワワは2~3店舗のみ)、オリジナル・ビールの製造・販売まで始めたというから驚きです。
2018年に同社初となるオリジナル・ビールを発売したワワは、2019年にさらに3種類のフレーバーを追加しています。ワワに続けとシーツも2019年5月にオリジナルのコーヒー・ビールを発売。8月にはブルーベリー・マフィン・ビール、2020年初めには奇抜な話題作りを明らかに狙ったホットドッグ・ビールをリリースしています。
スイカ味のグミから着想して作られたシーツのビールと実際のグミ
そしてこの夏、ペンシルベニア州におけるコンビニビールの戦いでワワに追いつくべく、シーツが再び過激なフレーバーのビールを打ち出してきました。シーツの人気商品であるスイカ味のグミから着想を得たウィートエール(小麦を使ったエールタイプのビール)です。しかし、ペンシルベニア州在住の人には残念なことですが、この新しいビールはペンシルベニア州外で販売され、今後も同州内での販売予定はないということです。
シーツがこれまで開発した3つのビールは全てペンシルベニア州のブルワリーで醸造されたものでしたが、最新作である4番目のビールを作るにあたっては州外に目を向け、なかでも評判の高いヴァージニア州のブルーワリー「ハーディーウッド・パーク」に白羽の矢を立てました。(さらに興味深いことに、ハーディーウッド・パークはワワのオリジナル・ビールを醸造した経験のあるブルワリーでもあります。しかし、この選択は両者のライバル関係とは無縁でしょう。)
スイカ味のグミから作られた新作ビール「シーツ・プロジェクト・ワット・アハ・メロン・リング」は、ヴァージニア州とノースカロライナ州の一部のシーツ店舗で2020年9月に期間限定で販売されました。(この新しいビールの購入を求める消費者に対してシーツは、アメリカ疾病予防管理センターが出したガイドラインに従い、ソーシャルディスタンスを確保し、マスクを着用するよう要請しました。)
アルコール度数5.3%のこのビールは、「100ポンド(約45キロ)以上のグミを使って醸造したライトで爽やかな酸味が特徴で、暑い夏にぴったりのメロン風味のウィートエール」という触れ込みで、16オンス(500㎖弱)缶4本パックの小売価格は7.99ドル(約800円)です。
「ヴァージニア州の真ん中に位置し、州内外で愛されているハーディーウッド・パーク・クラフト・ブルーワリーとパートナーシップを結んで、この限定版クラフトビールを作ることになり、とてもワクワクしています」とシーツのアシスタント・バイスプレジデント、ライアン・シーツ氏はプレスリリースで語ってします。「弊社がヴァージニア州とノースカロライナ州で発売する初めてのクラフトビールは、夏の締めくくりに最適の一品といえるでしょう」
ハーディーウッドの醸造マスターで、共同創業者でもあるパトリック・マーター氏は、スイカ味のお菓子からビールを作るというアイデアについて次のように述べています。「シーツが、自分たちの看板商品であるスイカ味のグミにオマージュを捧げるだけでなく、実際にビールの原材料として使うという話を持ちかけてきたとき、私たちは躊躇することなく二つ返事で賛同しました。ビール作りの限界にチャンレンジし、ファンの皆様にとって忘れられない体験となるような、大胆で複雑なフレーバーとアロマを持つビールを作り出すことは、ハーディーウッドの最も得意とするところです」
この記事はFood & Wineのマーク・ポメランツが執筆、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまで。