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北千住で目の当たりにする大衆酒場のあるべき姿。<100軒マラソン 第43給水ポイント >

隅田川を渡って南千住から北千住へ入ると、街の空気が少し変わった気がします。日光街道の最初の宿場として栄えた街だからか、それとも、千住の魚河岸と呼ばれる中央卸売市場があるからか。どこか、すかっとした、明るい雰囲気に包まれるような気がするのです。

駅前から旧日光街道沿いにかけては、老舗の酒場も多く、一度の訪問で、目当ての何軒かを回り切るのが困難なほどに、酒場好きにとって充実した街です。今回、向かう店は、旧日光街道を渡り、新しい日光街道も渡った、その先にあるという。私にとっては、初めてのエリアになります。

北千住は、乗り入れる鉄道の本数も多く、また、都心にきわめて近いことから人気が高い。そのため、駅周辺はちょっとしたビッグタウンだ。けれど、ほんの少し駅を離れていくと、すぐに住宅街に入る。道を一本入ると、細い路地になっていたり、通り沿いにも古い商店が昔のままの風情で、残っていたりする。

大竹聡 (おおたけ・さとし)
1963年東京都生まれ。 早稲田大学第二文学部卒業後、出版社、広告会社、編集プロダクション勤務を経てフリー。伝説のミニコミ誌『酒とつまみ』創刊編集長。著書に『中央線で行く 東京横断ホッピーマラソン』『下町酒場ぶらりぶらり』『大竹聡の酔人伝』『愛と追憶のレモンサワー』など。最新刊『新幹線各駅停車 こだま酒場紀行』が好評発売中!

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