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【グランポレール勝沼ワイナリー】5人しかいないワイナリーの秘密
勝沼にサッポロワイン勝沼ワイナリーが創業したのは、1976年のこと。2012年、ワイナリーはその姿を大きく変えることになりました。
サッポロビールが誇る日本ワインのブランド、「グランポレール」シリーズの品質をより極めるため、情報発信ができるプレミアムワイナリーとしてリニューアルオープンしたのです。
甲州市勝沼町は日本のワイン発祥地です。南アルプスの山々に囲まれたこのワイナリーから見える富士山は、山梨県にありながら頂上付近のほんの先っぽだけ。例年ならすっかり消えるころですが、この日はその先っぽも雪に覆われていました。
ワイナリーの裏手にあるぶどう畑には、「キジ」が飛来します。勝沼の自然はとにかく、豊かなのです。写真だと少し分かりにくいですが・・・。
「グランポレール」シリーズは国産ぶどうを100%使って、ヨーロッパのワイン先進国の商品をもしのぐ香りと味を追求するために、2003年に誕生しました。
日本にしか存在し得ないワインブランドを目指し、努力を続けています。ブランド名の「グランポレール」はフランス語で特級を意味するグランと、サッポログループの起源、北海道開拓使のシンボル北極星を意味するポレールを合わせた造語で、サッポロのフラッグシップワインであることを表しています。
リニューアルしたグランポレール勝沼ワイナリーの大きな特徴は、高いレベルでのぶどうの品質管理と、生育状況に合わせてきめ細かく工夫された生産体制です。大量生産を廃し、ぶどうと生産スタッフがとことん向き合いながら、手間ひまをかけられる生産体制を貫いています。
ところが、グランポレール勝沼ワイナリーの生産スタッフは、何とわずか5人だけ!
長年経験を積んだワイン醸造の専門家4名と、昨年入社したばかりの女性スタッフ1名。経験と新しい感性が上手く合わさり、プレミアムワイン「グランポレール」が生産されています。
そのうちのひとり、品質管理全般と資材調達などを担当するマネージャーの相沢浩二は、
「このワイナリーの一番の特徴は、ヨーロッパのワイナリーを思わせる小ロット向けの設備なんです。そうやってここで生産するワインは年間5000ケースですから、6万本です。リニューアル前の100分の1の生産量です。」
小ロット向け設備というのは、例えば容量の少ない小さな熟成タンクなど。一度に多くの熟成はできませんが、中身の出し入れがしやすく小回りがきくので、ぶどうに合わせた繊細な作業ができるようになります。ぶどうと真剣に向き合って、すべての工程に携わりながら生産するには、ちょうどいい人数です。
それでも新人で女性の青山晴菜は、なかなか大変です。
「日々学べることがあってそれは大きな喜びですが、力仕事も多いので私の力ではどうしようもない作業があります。タンクを混ぜる作業などでは、あまりにぶどうが重たくて、『だめです、びくとも動きません』って、助けを呼んだりしたこともあります(笑)。学生時代の友人に、たった5人で体を張ってワインを手作りしているんだよって言うと、『サッポロに入ったのに?』って、まず信じてもらえないですけどね。」
ワイナリーのもうひとつの重要な役割は、情報発信です。
週末や祝日に行われている有料のワイナリー見学ツアーでは5人の作り手が交代で、見学されるお客様をワイナリーへご案内します。
詳しくはこちらからご確認下さい!
グランポレール勝沼ワイナリーの醸造責任者、チーフワインメーカーの工藤雅義は、
「作り手の説明を聞きながら、これほど詳しく実地のワインづくりを確かめられるツアーは、あまり例がないのではないかと自負しています。また、ワイナリー内のゲストルームではワイナリー限定商品をはじめ『グランポレール』シリーズの商品を販売していますが、ツアー参加者でなくてもテイスティングしてお買い上げいただけます。また有料ですがテイスティングできるアイテムが充実していますし、うちの販売スタッフはスキルが高いのでワイン選びのガイドとして、ぜひご利用ください!」
今回はそんなワイナリーでの最高級ブランド「グランポレール長野古里ぶどう園貴腐 2007」をご紹介します。
収穫をぎりぎりまで遅らせて平均43度という非常に高い糖度のぶどうから生まれた、グランポレール最高峰の貴腐ワインです。
当社が国産ワインコンクールで最も多く金賞を獲得しているのは貴腐ぶどうを使ったワインで、昨年もこの2007年産ワインが金賞を受賞しました。貴腐ぶどうは、ぶどうにボトリティス・シネレア菌が繁殖して果皮のワックス層が溶け、果汁の水分が蒸発することで生まれます。
良質の貴腐ぶどうを収穫するには、最適な天候はもちろん、弱ったぶどうを守る栽培管理が必須条件です。皮がもろく果汁が凝縮されているため、品質を落とさず果汁を搾るのにも高い技術が求められます。収穫するのも醸造するのも、非常に難しいワインなのです。国内では数社しか、貴腐ワインの生産に成功していません。経験と技術を持つグランポレール勝沼ワイナリーでも、3万円を超えるワインに仕上がるのはだいたい数年に1度です。
黄金色の美しい液体を口に含むと、はちみつのような香りが鼻に抜けます。
すぐに甘みが広がりますが、すっきりとして甘すぎず後味もさわやかです。
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