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宮城のホヤを沖縄でアピール!! サッポロビールの新規開拓事業「宮城県産ホヤ知名度アップイベント」とは!?

宮城県はホヤの内需拡大を目的に、知名度アップを狙ったイベントを実施。サッポロビールは公募によってその事業を受託。沖縄県で施策を展開しています。ビールを中心としたお酒をつくり、売るのだけがサッポロビールの仕事ではありません。ここをご覧になる皆さまにはあまり知られていないサッポロビールのお仕事について、新規事業拓部マネージャーの平野武樹と丸山 創の2人に話を聞きました。

サッポロビールが手がける生産者支援と地域貢献

――サッポロビールと聞くと、ビールを中心にお酒をつくったり売ったりする会社、というのが世間一般のイメージだと思います。そんな会社が宮城県産のホヤについて、知名度を上げるイベントに参画すると聞いて、少し驚きました。どういった経緯でこのような流れが生まれたのでしょうか?

平野武樹(以下、平野):弊社にはお酒をつくる以外にもいろんな部署があります。そのなかのひとつには、フードビジネスサポートチームという、飲食店様に向けたビールだけに留まらないサポートを行う部署も含まれているんです。私はもともとその部署にいて、そのサポートの一環として、全国の生産者や食材を取り扱う会社に人たち会いに行き、魅力的な食材を飲食店様にご紹介をしておりました。

そのときに、一次生産者、農業や漁業で働く方々がいい商品をつくっていても、その販路に苦戦している実態を目の当たりにし、サッポロビールとして、こうした一次生産者のお役に立つことができないかと思ったんです。

――こうした影響は飲食業界だけでなく、私たちの生活にも直撃してくる問題ですね。

平野:そうなんですよ。でも、たとえば生産者のかたを支援すると言っても、ボランティア的なものではどこかに負担がかかりますし、持続性がありません。事業として、関わる人たちがきちんと続けていけることが大事だと考えました。

そこで少し調べてみると、いろんな自治体が予算を組んで公募という形で企業の協力を取り付けて生産者の支援事業を行っていたんですね。これに応募してみた、というのが活動の発端です。

ホヤの販路拡大施策を沖縄で実施

――なるほど。そうした自治体が進める支援事業に参加する流れのなかで、今回の宮城県の取り組みにも協力することになったんですね。

平野:宮城県の公募に応募した理由としては、弊社は2011年から震災復興支援を続けていて、東北の自治体とはもともとご縁があったことも大きく影響していますね。

――震災の復興支援がひとつのきっかけになっていたんですね。今回の事業では宮城県産ホヤの知名度アップを狙うということなのですが、「販売促進」でなく、「知名度アップ」というところが少し変わっているな、と感じました。宮城県産の海産物がいろいろあるなかで、なぜホヤなのかも気になります。

丸山 創(以下、丸山):ホヤは「海のパイナップル」とも呼ばれる海産物。よく貝に間違えられるのですが、「尾索動物亜門ホヤ綱」に属する、貝とはまったく違う生物なんです。実はホヤは生産量の7割近くが韓国へ輸出されていたのですが、福島第一原子力発電所の事故の影響受けて、これが完全にストップしてしまいました。そこで国内の販路を拡大しようと、この施策が実施されることになりました。

ただ、ホヤという食材は宮城県では定着しているものの、県外においてはそもそもあまり知られていません。そこで、消費拡大という以前に、「ホヤとはなにか?」を広めるところからスタートしているというわけです。

サッポロビールでは宮城県の別のホヤ販路拡大事業も受託していて、北関東のスーパーマーケットチェーンですとか、東海地方の飲食店ですとか、いろんな地域を舞台に展開してきました。宮城県は今回の施策では沖縄県での販路拡大を狙っています。

――ホヤって東京の飲食店でもあまり見かけないですよね。西日本での知名度を上げるにしても、いきなり沖縄とはスゴい飛躍ですね(笑)。

丸山:宮城県はこれまで5年くらいをかけて、県内外でホヤの販路開拓や消費拡大に向けた取組を行われてきたようです。今回の施策では対象を沖縄県在住の方とともに、外国人を含む県外からの来訪者が多い沖縄県が選ばれました。

 

沖縄県にある複数の飲食店でホヤのフェアを実施

――ホヤは貝に勘違いされるけど貝ではない、とのことですが、どんな味で、どんな料理に使われるのでしょうか? よく「クセのある食材」なんて言われますよね。

平野:ホヤは甘味、酸味、塩味、苦味、うま味の五味がそろった食材と言われていて、鮮度の良いものは、確かに甘味・酸味を感じ、最後にほんのり苦味が抜けてこのバランスが最高に美味しいんですね。

ただ鮮度が落ちてくると、磯臭さと言われるような、独特の香りが強くなってきます。そこが「クセが強い」と言われるいちばんのポイントでしょうか。近年は技術の発達により、旬のホヤを鮮度そのままの状態で冷凍することができるようになりました。つまり1年中おいしいホヤが食べられるようになったんですね。生だとポン酢で食べたり、から揚げにしてマヨネーズをつけて食べると最高ですよ。天ぷらもおいしいですね。

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丸山:この仕事で宮城県仙台市に行ったときにはじめてホヤを食べました。私も「クセがある」とは聞いていたのですが、とても新鮮な状態のものをいただいたこともあって、ぜんぜんそうは感じなかったですね。むしろ食材としてはそこまで主張は強くありませんし、加熱すると食感が変わってまた別の味わいが生まれます。

ピザの具材にしたり、土鍋ご飯にしたり、生はもちろん、蒸す、焼く、揚げると、調理法によっていろいろ表情を変えるところが気に入りました。

――沖縄でホヤの知名度を上げるとのことですが、具体的にはどんな施策を考えられていますか?

丸山:大きく2つあります。まずひとつめが、飲食店でフェアを実施し、沖縄の人々にホヤを食べていただくことです。ホヤを食べたことはもちろん、見たこともない人がたくさんいらっしゃる沖縄という土地で、ホヤのおいしさを体験していただくわけです。

どんな食べ物でもそうですが、初めての体験でいわゆる外れに当たってしまうと嫌いになって「二度と食べない!」なんてことになってしまいがちですよね。この施策に参加していただく飲食店では、宮城県の計らいで確保された新鮮なホヤが提供されますので、そのおいしさが存分に味わえるはずです。

もうひとつが飲食店フェアにあわせたプロモーション活動ですね。特設サイトを設置したり、インフルエンサーにご協力いただき、より多くのかたにホヤのおいしさや、私たちの取り組みを広めてもらう予定です。

知名度アップとは謳っていますが、最終的に目指すところは沖縄のかたにホヤのおいしさを知っていただき、1回だけでなく、2回、3回と継続して食べてもらうこと。沖縄にひろくホヤという食材を根付かせたいですね。

――ホヤを提供する飲食店はどういったところが予定されているのでしょうか?

丸山:沖縄県内を中心に10店舗以上ものチェーンを展開されているリーズナブルな居酒屋さんもあれば、食材のよさをしっかりと語っていただけるような個人店もあったりと、幅広くご協力いただけることになっています。ファミリー層に強いお店もあれば、サラリーマン御用達の店もあり、いろんなお客様にホヤの魅力をお伝えできるよう幅広いタイプの飲食店さんにご協力を依頼しています。那覇の市街地のお店もありますから、インバウンドのかたへのアピールもしっかりできると考えています。

刺身を中心にさまざまなメニューでホヤを提供

――フェアへの参加を各飲食店さんに打診したり、実際にご参加いただけることになった際に、宮城県やサッポロビールからホヤを使ったメニューの提案などはしているんですか?

丸山:フェアへの参加を検討されている飲食店さんで実際に様々な調理を実施頂き、試食会を開催しました。

――その試食会では沖縄の飲食店さんからはどんな反応が得られましたか?

丸山:試食会では、フリットや刺身、アーリオオーリオなど、いろいろな料理を提供頂きました。ホヤは熱を通すと生とはまた違った食感や味わいが得られるうえ、ニンニクのような香りの強い食材といっしょにしても、その味が埋もれずにしっかり出てくる、かなり柔軟性の高い食材なんです。

平野:やはり飲食店のみなさんは食べたことはなくても「クセがある」といった評判だけはご存じで、その印象がある意味、マイナスからスタートしているようなところがありました。

そういう事情も少しは影響していると思うのですが、どの料理も非常に好評で「ホヤっておいしいんだね」と非常に好評で会場はとても盛り上がっていましたね。

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――実際にフェアに参加される飲食店さんからもいくつか決まっていると思います。そういったお店から、「こういった料理を出す」といった報告はもう上がって来ているんですか?

丸山:はい。現在は11店舗でのフェア開催が決定しています。まだあまり詳しくは言えないのですが、カルパッチョのようなものですとか、我々ではあまり思いつかなかったようなものなど、それぞれのお店で工夫を凝らしたメニューをいろいろ考えられているようです。

平野:もともとホヤの旬は夏で、水揚げの最盛期も6月から7月なんです。でも瞬間冷凍によって、1年中臭みのないものが食べられます。水揚げしてから殻付きで少し時間の経過したものよりも、解凍直後のもののほうがはるかにおいしいくらいなんです。

試食会は旬を過ぎたタイミングで行ったんですが、みなさん生で食べるホヤのおいしさにまず驚かれてました。私たちも、参加される飲食店さんには「ぜひ刺身でご提供頂けると嬉しい」とお薦めをしています。

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――現状でのプロジェクトの手応えや、飲食店さんの反応はどんな感じでしょうか?

平野:弊社が受託してはいませんでしたが、宮城県は去年も沖縄でホヤのPR施策を実施していました。昨年参加された飲食店さんも「ぜひ今年も」と参加してくださっていますし、さらにいくつか新規の飲食店さんも加わってくださいました。

もちろん飲食店さんはみなさん震災の影響もご存じで、禁輸措置や風評被害によって海産物の売り上げが落ちていることに対して「力になりたい」とおっしゃってくださるところもあります。そういう意味でも現段階では飲食店さんからの反応はとてもよいですね。

丸山:食のプロである飲食店さんの場合、食材としてのホヤに興味があるのはある意味、自然なことだと思うんです。でも、もっとも大事なのは、お客様のリアクション。ホヤを使ったいろんな料理をどこまで楽しんでいただけるかと、さらに今後のホヤの消費にどれだけつながるかですね。

今後もさまざまな生産者支援や地域貢献事業を推進

――お客様の反応は未知数とはいえ、今のところ、ホヤ知名度アップイベントは順調に準備が進んでいるようですね。

丸山:沖縄県に駐在している弊社の営業担当者の協力があってこそ、ですね。弊社は47都道府県に営業担当者がいるんです。現地の事情に精通した営業担当と連動しながらこうした事業に取り組めるのは、サッポロビールの大きな強み。たぶんこれはほかの会社にはなかなかできないことじゃないかと思います。

今回ご協力いただいている飲食店さんは、弊社のビールを入れてくださっているところが多いのですが、もちろんそうでないお店も含まれています。「ビール以外のご提案を積極的に貰えるのはありがたい」とおっしゃってくださるお店もあって、そこはうれしかったですね。

――宮城県側の反応はどうですか?

平野:沖縄の前に愛知県・静岡県で実施したホヤの振興策では、売り上げもよく、ものすごく喜んでいただけました。沖縄に関しても、飲食店さんの選定などについてかなり評価していただけていますね。

――新規事業開拓部としては、今後もこういった自治体との取り組みは行っていく予定ですか?

平野:もともとが「全国の生産者の力になりたい」とスタートしていますから、農作物や海産物の販路拡大やブランディングといったことは継続的に行っていきたいですし、実際にいろいろと手がけてもいます。

自治体が主導する従来のこうした事業って、どれも基本的には短期契約となることもあって、言ってみれば打ち上げ花火のような一過性に終わってしまうものも少なくありませんでした。税金を使う事業としてこれは大きな課題ではないかと個人的に感じていたんです。

でも、弊社の場合、飲食店さんが対象となるような事業であれば、全国に現場感覚を持った外食営業部がいることや、その営業部と飲食店さんの結びつきの強さを活かすことで、ビジネスとして事業や取引に継続性を持たせることが可能だと思っています。

これからは自治体とだけでなく、百貨店やスーパーマーケットに向けたプロモーションも仕掛けていきたいですね。サッポロビールとしての強みを活かしつつ、いろんな形での地域貢献を新規事業として行っていければと思っています。

ホヤフェア参加店舗はこちらから

平野さん.jpg

サッポロビール株式会社

新規事業開拓部

マネージャー 平野武樹

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新規事業開拓部

丸山 創

(文・写真 稲垣宗彦)

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