CATEGORY : 食べる
ブラジルを代表するドリンク「カイピリーニャ」に使われる”カシャッサ”って何?
新しいカクテルにトライしてみたい? でしたらブラジルの「カシャッサ」はいかがでしょう!
いつの日かコパカバーナビーチを訪れてみたいと夢見るあなたに是非とも試して頂きたいのが、ブラジルの国民的な蒸留酒「カシャッサ」を使ったカクテルです。
世界各国でスパイシー&スイートなカクテルに使われるカシャッサですが、「カイピリーニャ」のベースとなる蒸留酒といえばピンとくる人も少なくないかもしれません。伝統的なカイピリーニャは、ライム、砂糖、氷、カシャッサをオールドファッションドのグラスに入れた、ブラジルの国民的カクテルなのです。
Priscila Zambotto/Getty Images
この他にも、ソーダ、パイナップルジュース、レモンジュース、グレナデンシロップで作る「バチーダローサ」など、世界最大のカクテルサイト「Difford’s Guide for Discerning Drinkers」には20種類ものカシャッサベースのカクテルが紹介されています。
さらに、ニュージーランド・オークランドにある実験的なバー「ボクサー」では、シェフを務めるエド・バーナーが、カシャッサにシャルドネ、クラブソーダ、酒石酸(ワインに多く含まれる有機化合物)、ユーカリスモークを合わせたカクテルを提供しています。
「ニュージーランドのフレーバーとテロワールを表現するために、この国の植物をふんだんに使ったカクテルを作ってきた私にとって、母国の木の樽で熟成することで変身するカシャッサは、世界でも稀な素晴らしい蒸留酒なのです」とバーナー。
新鮮なサトウキビのジュースを発酵・蒸留して作られるカシャッサの香りと味わいは、熟成に使われるブラジル産の木樽に由来しているのです。例えば、アンブラーナの木の樽だと酸味が減り、シナモンやバニラのようなほんのりと甘い香りが立ち上るようになります。ちなみに、最低1年間熟成したものを「プレミアムカシャッサ」、3年以上熟成すると「エクストラプレミアム」と呼びます。
Priscila Zambotto/Getty Images
アメリカとブラジルの政府がこの蒸留酒を「カシャッサ」と呼ぶことに合意した2013年まで、カシャッサは「ブラジリアン・ラム」と呼ばれていましたが、正確にはラムとは異なります。実はカシャッサの歴史は、ラムの誕生より100年以上も前の15世紀に遡るほど古いのです。この2つの蒸留酒の主な違いは原材料。伝統的に、ラムは濃厚なリコリスの味わいを醸し出すモラセス(廃糖蜜)、カシャッサは土っぽいニュアンスを持つしぼりたてのサトウキビジュースから作られているのです。
さらに、製法とアルコール度数も違います。カシャッサはブラジルで生産され、アルコール度数38~48%であることが法律で定められていますが、ラムの製造地に指定はなく、蒸留によってアルコール度数もずっと高くなっています。
カシャッサの味わいは、スパイシー、スイート、フルーティーで植物っぽくもあり、そして時にはファンキー(馬小屋のような獣の香り)と表現されてきました。数々の受賞歴を誇る「カシャッサ・アランビーク・ブラジル・オウロ・アンブラーナ」は、インターナショナル ワイン&スピリッツ コンペティション(IWSC)で「ノーズは、様々な植物、草、花の香りを感じさせる。クリスマスケーキとパンプキンスパイスの味わいがフィニッシュまでずっと続く」と評価されたほどです。
実際にブラジルを訪れるチャンスが来たら、ダークな木のインテリアが落ち着く「オロ」がおすすめです。ミシュラン2つ星のこのレストランは、様々なカシャッサを取り揃えているのです。また、ベルモンドホテルのプールバー「コパカバーナパレス」では、「プールカイピリーニャ」が楽しめます。シルバーカシャッサ、オレンジコーディアル、レモンに色彩が美しい花々を合わせたカクテル「カイピリーニャ・デ・ラ・フローレス」は是非ともトライして頂きたい一品です。
ちなみに、毎年9月13日は「カシャッサの日」として知られています。これは、25年続いたカシャッサ製造禁止令に対して製造者らが反乱を起こし、ポルトガル王室にブラジルでの製造を認めさせたのが1661年のこの日だったのです。あなたも自宅で「パーフェクトカイピリーニャ」を作って、新たなお気に入りのドリンクとして楽しんでみませんか。
この記事はTravel & Leisureのパトリシア・ドハーティーが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされています。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comまで。
おススメのアレンジカクテルはこちら!