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知る人ぞ知るあの「地味ハロウィン」に、サッポロビールがドリンクを提供!ついでに担当者も仮装してきました!!

デイリーポータルZの恒例イベント「地味ハロウィン」に、サッポロビールがドリンクを提供。それだけではつまらない、と、なんと担当者の2人が地味な仮装で参加してきました。当日の模様をご紹介します。

■地味に続けて10周年の「地味ハロウィン」

 面白いコンテンツを量産しつづけるデイリーポータルZの恒例イベント、「地味ハロウィン」をご存じでしょうか?

 ハロウィンというと、ちょっと怖いお化けなどの仮装をするイベントとして日本でも広く知られるようになってきました。しかし、「地味ハロウィン」はその名の通り、身近な職業の人だったり、特定の状況に陥っている人だったりと、とても日常的で地味な仮装を披露しあうハロウィンパーティーです。

 その「地味ハロウィン」が今年も東京カルチャーカルチャーを会場に開催されました。調べてみると、この「地味ハロウィン」が始まったのは2014年。なんと今年は10周年にあたるんですね。だから、というわけではないのですが、今回はご縁があってサッポロビールがドリンクを提供する運びに。ものはついで、とばかりに担当者の2人も地味な仮装を披露してきました。

会場となったのは東京カルチャーカルチャー。飲食の提供も可能なイベントスペースで、音楽ライブやパーティーなどさまざまな催しに利用されています。

本番前。中央は、デイリーポータルZの編集長である林雄司さん。
黒ラベルを中心に、さまざまなドリンクを提供させていただきました。
来場者は2枚の紙に「自分が何の仮装をしているか」を書き込み、1枚は運営スタッフに、もう1枚は名札代わりに首から提げておきます。テンガロンハットをかぶっているのはデイリーポータルZではおなじみのイラストレーター、べつやくれいさん。「何らかのテーマパークのキャスト」の仮装をされてます。

林さんの仮装は、コンビニエンスストアの人気レジ横商品。コンビニエンスストアに関連した仮装をしている人は結構いて、それだけ身近な存在であることを実感しました。

 当日の流れは非常にシンプル。このイベントは基本的に来場者全員が「地味な仮装を披露する人」でもあります。全員が次々にステージへと登壇し、その仮装を披露していき、それをみんなで見守るという、言ってみれば「ただそれだけ」のイベントです。

 コンテストではないので、順位をつけたりといったことも特にありません。ただ単にみんなでお互いの仮装を楽しむだけなのですが……。これが本当に面白いんです!各登壇者の仮装が何であるかアナウンスされたその瞬間、会場からは「おー」というどよめきがあがったり、どっと笑い声が爆発したり。皆さんの発想の豊かさ、衣装の“それっぽさ”、自作してきた小道具の精巧さなどなど、感心させられることの連続。

いよいよ地味ハロウィンの開幕です。司会は林さん、パートナーを務めるのは、技術力の低い人たちが作品を持ち寄って競うロボット相撲大会「ヘボコン」を企画したことで知られるヘボコンマスターの石川大樹さんです。
「元力士のちゃんこ屋の店主」。店名は「ちゃんこ屋 峰樽(ぽーたる)」。細部まで作り込まれたメニューが本当によくできてるんです。「今日のおすすめは、さんまの刺し身」だとのこと。
ドラマや映画で丸い形で黒く画面が閉じられていくエフェクトを「アイリスアウト」というのですが、それを黒いパネルで表現したお二人。まったくの偶然で同じ題材を選んでしまったそうです。今回唯一のネタ被りでした。

 なかには「それ、地味?」ってつい思ってしまうような凝りに凝った仮装も混じってはいますが、でもその振れ幅がまた楽しいんです。

 たとえばスマートフォンを耳に当てる「カラオケで次の曲をこっそり練習する人」なんかは小道具といえば手にしたスマートフォンだけですし、衣装も普段着そのまま。まさにアイデアで勝負、という感じです。

「カラオケでこっそり次の曲を練習する人」。サビ以外はよく知らない曲を入れてしまったんでしょうか?何の仮装か分かった瞬間、思わず「あーっ」と声をあげてしまう。そんな仮装ばかりでした。

 一方、飲酒運転根絶を目指したハンドルキーパー運動のマスコットキャラクター「ハンドルキーパーくん」の場合、写真撮影に使う円形のレフ板を加工して顔を作り、本人は黄色い手袋をはめ、白いタイツと黄色い室内履き、と、全身でハンドルキーパーくんになりきっています。

飲酒運転の根絶を願うマスコット「ハンドルキーパーくん」。自動車に乗って複数のメンバーで飲食店へ行く際には運転役の「お酒を飲まない人」を明確に決め、飲酒した人にハンドルを決して握らせないという運動ですね。

 ちょっと興味深かったのは、実体験に基づいた仮装をしている人が少なからずいるなか、「~のアルバイトをしている人」みたいな仮装をしている人の場合、かなりの割合が「そのアルバイトをやったことがない」と答えていた点です。体験したことがないからこそ、地味ハロウィンで仮想体験してみたい、ということなのでしょうか。仮装だけに。

一目で分かる完成度。「結婚式場のカメラマン」です。趣味のカメラを活かせる仮装を考えてこれを選んだだけで、本業ではないそうです。
主役は立っている2人ではなく、手前にかがんでいる人。「ライブの最前列にある柵を支えるアルバイト」の仮装です。この柵の材料は全て100円ショップでそろえたそうです。小道具をどのように準備したかの話も人それぞれで、とても興味深いものがありました。

 さて、担当者の2人の仮装も紹介していきましょう。

 一人目は「乾杯まで間が長く生ビールの泡が消えている人」。持参したマイジョッキ。本当はジョッキにビールをいれたかったのですが、お茶を入れて泡立ててビールを再現していました。

自分の出番を待ちながらステージを見守ります。ビジネススーツ姿でいるのにまったく浮かない仮装大会って、地味ハロウィンくらいかもしれません。

「乾杯前のあいさつはなくてもいいくらい。ビールをなるべくおいしい状態で飲んでほしい」とステージから啓蒙。「乾杯をもっとおいしく。」とサッポロビールのコーポレートメッセージも紹介し、場を沸かせました。

 もうひとりの仮装は、「お風呂上がりの一杯がガマンできない人」です。七分袖の赤星シャツ、裾はスウェットパンツにイン。アップにした髪をヘアバンドでまとめ、さらにはすっぴんの顔を紙のパックで覆っての登壇です。もうこれはまさに“風呂上がり”。あまりの自然体に、特に会場内の女性参加者から称賛の声が上がりました。

デイリーポータルZの編集長、林雄司さんから「ちょっとドキドキしますね、家っぽすぎて」とのコメントも引き出した仮装。スウェットパンツもヘアバンドも、全て家で使っているものだそうです。

■仮装を披露したあとの交流会こそがイベントの本番!?

 ステージに登壇した延べ人数は約150人。一応は1人につき内容を紹介する時間は1分と定められていたのですが、皆さん1分では説明しきれないほど情報量の多い仮装ばかり。10分程度の休憩を挟み、全員が仮装を披露し終わるまでに、なんと4時間以上もかかりました。

 驚いたのは、それだけの長丁場にもかかわらず、中だるみのような雰囲気がまったくなかったこと。「次はどんな仮装が出てくるのだろう?」とわくわくしっぱなしで、ダレるひまなんてありません。

「テープカット」。「会場でハサミを持ち歩くのは危ないので」と、面ファスナーでテープが外れる工夫に優しさが感じられました。ステージで仮装を披露した際の「テープカットが終わった後ってどういう表情でいたらいいか分からないですね」というつぶやきにも人柄が表れていました。
「上野駅にある天井の低いところ」。JR上野駅を利用したことがある人なら「あぁ、あそこね!」と思わずつぶやいてしまうこと間違いナシ。この“天井”、手で支えている部分にはちゃんとグリップが取り付けてあったりと、結構工夫してつくってあるんです。
「これから家宅捜査」。目つきの鋭さにリアリティを感じますが、被っている紺色の帽子は「ツバの小さい帽子がなかなか見つからず、体育の授業で使う紅白帽を染料で染めた」と聞くと、ちょっと和んでしまいますね。

 そして全員の披露が終わった後は、交流会の始まりです。

 実はこの「地味ハロウィン」には毎回参加されているかたも多く、参加するためのチケットも発売当日に完売してしまうほどの人気イベント。これまでの「地味ハロウィン」を通してすでに顔見知りになっている方々もいて、会場の雰囲気はとっても和やかでした。

仮装をたたえ合って間近でお互いに撮影したりと、交流会では皆さんが文字通りに交流を深めていました。

 見ていると、皆さん同じ組み合わせで会話を続けるのではなく、会場内を移動しながら、広く親睦を深めている様子。お互いの仮装をたたえ合いつつ、とても会話が弾んでいました。ひとつのイベントを通してしっかりとファンコミュニティが形成されていることが強く伝わってきます。

 参加者同士の仲のよさに驚いたことを伝えると、「『地味ハロウィン』を通じて知り合って結婚したカップルもいるんですよ」と編集長の林さんが教えてくれました。これも「地味婚」って言うんでしょうか?

地味ハロウィンを自分たちがいかに楽しんだかを林さんに報告する担当者の二人。

交流会の最後はみんなで乾杯!交流会まで含めると約6時間に及ぶ長いイベントだったにも関わらず、実感としては「あっという間」でした。

 参加した担当者も、この「地味ハロウィン」の面白さにすっかり感激。

「地味ハロウィンのスゴさを分かっていなかった。それと、本業を意識しすぎた。来年はどんな仮装にするかをもっとよく考えて準備もしっかりやって、リベンジする!」

 帰り道ではそんな担当者の宣言も聞くことができました。

 なお、当日の模様はYouTubeの「デイリーポータルZ編集部」チャンネルにて動画として公開されています。

地味ハロウィン2024 会場から生中継

これをお読みの皆さんも、ぜひ来年は「地味ハロウィン」に参加してみませんか?

地味ハロウィン2024 開催レポート・前編 (1/2) :: デイリーポータルZ

(文・写真=稲垣宗彦)

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