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ファンと共にSORACHI 1984は次のステージへ。「けやきひろば 春のビール祭り」でSORACHI 1984ブリューイングデザイナー 新井健司にインタビュー!

さいたま新都心で毎年春と秋に開催されている日本最大級のビールイベント「けやきひろば ビール祭り」。その活気あふれる会場で、SORACHI 1984のブリューイングデザイナーである新井健司にインタビューを行いました。
2019年の発売から8年目を迎え、これまでの着実な歩みを経て今まさに次のステージへ進むタイミングを迎えているSORACHI 1984。2026年のリニューアルで実現した東北産ソラチエースの一部使用開始をはじめとするさまざまな挑戦から、ファンと共に目指す未来のビジョンまで、たっぷりとお話を伺いました。
土台作りから次のフェーズへ。
「SORACHI 1984」の現在地
――発売から8年目を迎え、存在感を増しているSORACHI 1984ですが、これまでの道のりを振り返って、今どのように感じていますか。
新井:2019年の発売当初は、それこそコロナ禍の真っ只中でしたのでかなり厳しいスタートでした。本来であれば、まずはレストランや居酒屋で飲んでいただいて、そこで好きになってもらい、その後にスーパーなどで見かけた時に買ってもらう……という流れを考えていました。しかし、コロナ禍によってそもそも飲食店の営業自体が難しくなってしまったので、最初の3、4年間は試行錯誤の連続でしたね。

――その後、少しずつ風向きが変わってきたのでしょうか。
新井:そうですね。飲食店で飲める場所を地道に増やした結果、2023年以降は飲んだことがある人はもちろん「ソラチが大好き」というファンの声が増えてきて、毎年2桁成長を続けるブランドに育ってきました。
特に去年あたりからは潮目が変わりましたね。SNSでの発話量が増えていますし、「置いているお店が増えましたよね」と、周りからも言われるようになりました。今こうして立っている「けやきひろば 春のビール祭り」の会場でも、「あ、ソラチあるじゃん!」「これおいしいんだよね」「去年も来て飲んだよ」といった声が毎年増えていますね。
――認知が広がった背景には、どのような理由があるのでしょうか。
新井:お取り扱いいただく飲食店様が増えたことはもちろんですが、北海道のJR札幌駅と新千歳空港で展開しているコンセプトバー「BEER STAND SORACHI」の効果も大きいと感じています。
今、7年間のさまざまな取り組みを通じて「SORACHI 1984」の土台がしっかりできたのだと実感しています。そしてこれからは、いよいよ次のフェーズへと進むタイミングに入ってきました。
――次のフェーズとは、具体的にどのような状態を指すのでしょうか。
新井:これまでは、お客様に「知ってもらい、飲んでもらい、買ってもらう」というプロセスを私たちが地道にアプローチしていました。それがこれからは、自然と拡大していくな、という確かな手応えがあります。
――そのような段階になったのは、ファンの存在も大きいのではないでしょうか。SORACHI 1984は、他のビールブランドに比べてファンの熱量が高いように思います。
新井:一般的に「このビールブランドのファンです」という言葉って、実はそんなに聞かないなと思っていて。「好きです」はよく耳にしますが、「ファンです」と言っていただける機会がSORACHI 1984は圧倒的に多いです。そういう言葉を聞くたびに、他のビールとは違う目線で見てくれているとポジティブな感覚になります。
――なぜそこまでの関係性にたどり着けたのでしょうか。
新井:「けやきひろば ビール祭り」をはじめ、ファン向けのイベントや日頃の感謝を込めて毎年開催している誕生祭や忘年会で、さまざまな方と直接お話しする機会を作っているのは大きいですね。
また、「SORACHI MEMBERS」というファンコミュニティがあるのですが、そのメンバーの方々とは年に5~6回ほどオンラインミーティングを行っています。場合によってはまだ世の中にリリースしていないようなアイデアを伝えて壁打ちをさせてもらうこともあります。そのため、お客様との距離はかなり近いと自分でも思っていますし、なによりファンの人たちが「いいな」と思うものを、ダイレクトに次の施策へ落とし込めているのもプラスになっていると思います。

2026年もリニューアル。
東北産を使用し、国産100%の夢に大きな一歩
――SORACHI 1984は毎年リニューアルをしていますが、2026年は具体的にどのようなアップデートが行われたのでしょうか。
新井:一般的なリニューアルだと「味がおいしくなりました」というものが多いですが、SORACHI 1984の場合はそうではありません。国産ソラチエースの使用量100%を目指して、国産ソラチエースの使用量を上げていく“変わらないリニューアル”を行っています。
その中で、今年が昨年までと大きく違うのは、産地が増えた点です。これまでは北海道の上富良野産のソラチエースを増やしていましたが、今年からは青森県田子産、岩手県軽米産のホップも一部使用できるようになりました。
――東北産のソラチエースを使うようになった理由や背景を教えてください。
新井:実は、日本産ホップの7〜8割は東北で生産されています。そのため、国産100%を目指すには東北産のソラチエースを使用することは必須条件と言えました。そこで、SORACHI 1984が発売された2019年頃からほぼ毎年東北へ通い、ホップ生産者の方々と対話を重ねてきたのです。
――発売当初から、東北産ホップの使用を意識されていたのですね。
新井:はい。サッポロビールと契約しているホップ生産者さんのもとへ伺い、ソラチエースの栽培交渉を始めました。ただ、生産者の方々にとって新しい品種の栽培はすごく負荷がかかることですし、当時はSORACHI 1984自体の認知度が低かったので、なかなか前向きに考えてはくれませんでした。それでも、サッポロビールが言うならやってみるという声もいただき、2023年に東北でのソラチエース栽培が始まりました。
変化が見えたのは、ブランドがしっかり伸びてきた2023年以降です。SORACHI 1984はソラチエースを全面に押し出しているビールなので、想いを伝えていく中で「自分たちのホップが主役になれる」と、粋に感じてくださる方が増えてきました。
そうして、一昨年ごろからはさらに取り組みに共感してくださるようになってきたように思っています。ある生産者の方は、「自分でも魅力を広めたい」と地域のお祭りにSORACHI 1984を用意してくれたことも。そのくらい積極的になってくれて本当に嬉しかったですね。
――新井さん自身も、大きな取り組みを一つやり遂げたという思いがあるのではないでしょうか。
新井:確かに、重要なマイルストーンをようやく実現できたなという想いはあります。ただ、やり遂げたというよりは「ようやくスタートラインに立てた」という感覚ですね。これができて初めて、国産100%という目標が夢物語ではなくなるので。
ありがたいことにSORACHI 1984の販売量自体も増えているので、ホップの生産量をどこまで増やしても、国産100%にするのはなかなか難しいという現実もあります。昔は「2030年に100%になることが目標」と言っていたのですが、今は聞かれたときには「2050年ですかね」と答えています。多分、もうちょっとしたら「2070年くらいじゃないですか」と言うかもしれません(笑)。
国産100%という目標は簡単にはたどり着けないかもしれませんが、愛してくれるファンが増えながらも、確実にその方向へ進んでいる今の状態が、もしかしたら理想的な形なのかもしれませんね。

――他にも、国産ホップの生産者を応援するために行っている取り組みがあると伺いました。
新井:昨年からスーパーなどの小売店さまと一緒に、「ビールの未来を、ホップ生産者とともに。」をテーマにした「SORACHI 1984ホップ生産者応援企画」というキャンペーンを行っています。期間中にSORACHI 1984を1缶購入いただくと、そのうち5円をホップ生産者の方々に還元しています。
その背景には、日本のホップ産業が直面している厳しい現状があります。さまざまな問題で生産者数が減少傾向にあるので、そうした現状に少しでもプラスになる支援をしたいと考えました。共感してくださる方が非常に多いので、毎年継続する価値のある施策になりつつあると感じています。
おいしい缶の注ぎ方から注ぎ手の育成まで。
SORACHI 1984のさらなる挑戦
――直近、新しい取り組みがホームページでも発表されていますね。
新井:「缶からのおいしい注ぎ方」をホームページで公開しました。SORACHI 1984は、他のビールと比べて注ぎ方によって味や香りの違いが出やすい特徴を持っています。「サーバーから注ぐ樽生と缶では味が変わる」「缶でおいしく飲む方法を教えてほしい」という声を多くいただいていたので、麦酒大学の学長である山本祥三さんに監修に入っていただき、缶のおいしい注ぎ方を開発しました。
それが、香りをより楽しめる「雲龍」と、味わいを引き出す「のぼり雲」という2つの注ぎ方です。アニメをオマージュした動画も作ったので、楽しく試していただきたいですね。
また、今後は山本さんからリアルにレクチャーを受けられるようなイベントも考えています。この取り組みをきっかけに、ビールをよりおいしく、楽しいと思ってくれる人たちが増えていくといいなと思っています。

SORACHI 1984がもっとおいしくのめる缶の注ぎ方はここからチェック
――他にも、ファンや飲食店との繋がりを深めていくための新しい挑戦を行っていると伺いました。
新井:SORACHI 1984は、人や場所との繋がりによってファンを増やしていくことを基本としています。「場所」の観点では、2023年から公式認定店である「SORACHI BASE」を展開してきました。これは、SORACHI 1984を愛する店主がいる、ファンの皆さんにぜひ訪れてほしいお店です。
それに加えて、「人」という切り口も重要であると考え、2025年に社内で「SORACHI 1984 マスターエバンジェリスト」制度をスタート。SORACHI 1984の物語や個性を世の中に届ける伝道者として4名を認定しました。

この「社内の人」の取り組みの次に考えたのが「社外の人」です。どうアプローチするか考える中で、麦酒大学の山本さんのように注ぎ手を起点にして「この人が注ぐソラチが好きだからお店に通う」というような流れを作りたいと考えました。
そこで、今年から新たに「TAP MAESTRO(タップマエストロ)」の認定制度を始めています。これは、SORACHI BASE店に一定期間勤めていて、注ぎ手の経験がある方を対象としています。数段階に渡る厳しい試験に合格した人をタップマエストロとして任命し、魅力を広めてもらうことを目指しています。
――かなり厳しい試験ですね。
新井:この試験は受からせるための試験ではなく、基準に満たない場合は落とす厳しいものです。しかし、そうして真剣に取り組んで合格した方は、間違いなくSORACHI 1984の注ぎ方をしっかりと実践し、その魅力も語ってくれるはずです。
「けやきひろば 春のビール祭り」で展開した
SORACHIカクテルにも注目
――「けやきひろば 春のビール祭り」についても伺いたいです。今回はSORACHI 1984と3種のSORACHIカクテルを提供しましたが、その味わいについて教えてください。
新井:SORACHI 1984は特徴的なビールですが、このイベントにはものすごい種類のビールが集まるため、1種類だけで勝負するのはなかなか難しい。そこで、個性を活かしたSORACHIカクテルを昨年から提供し始めました。


1つ目は、レモン果汁をブレンドした「パナシェ」。すっきりと飲みやすい1杯で、昨年から好評でした。残りの2種類は、今回も運営を手伝っていただいている銀座ライオンさんと試作を重ねてマンゴーとトマトの「HAZY SORACHI」(HAZYは「濁った」という意味)を選びました。
実は、生のマンゴーを食べながらソラチを飲むと、マンゴーのグリーンなニュアンスがマッチしてとてもおいしいのです。その相性の良さが液体同士でもしっかり再現できています。トマトも特有の酸味やグリーンな香りがマッチしていて、どちらも自信を持っておすすめしています。
このように、「けやきひろば ビール祭り」では実験的な試みを行っているので今後もたくさんの方に来ていただきたいですね。
次のステージに降り立ったSORACHI 1984。
9月5日にホテル椿山荘東京でソラチエース誕生祭を開催
――これまでの歩みを踏まえ、今後のビジョンや新たに仕掛ける取り組みについて教えてください。
新井:昨年の「ソラチエース誕生祭」でも、「何年後かには武道館を目指す」というお話をしました。これまではじわじわと成長してきましたが、今年からはぐんと角度を変えてさらに伸ばしていくフェーズ。ですので、これまで以上にさまざまなことを仕掛けていきます。
その最初の一手として、今年の誕生祭は場所を「ホテル椿山荘東京」へと変え、規模もこれまでの約100人から3倍となる300人クラスを狙っていきます。6月15日から予約がスタートします。さまざまなコンテンツを用意していますので楽しみにしていてください。

――ホテル椿山荘東京という場所を選ばれたのには、何か理由があるのでしょうか。
新井:ホテル椿山荘東京は日本庭園という貴重な文化を未来へ継承するため、「文化発信と地域連携」「人材育成」「研究」の3つの柱に取り組まれており、この取り組みが、2025年度グッドデザイン賞を受賞されています。SORACHI 1984も、日本で生まれたソラチエースや国産ホップ産業を未来へと繋いでいく取り組みを行っているという共通点がありました。そしてご縁が繋がって、今回、コラボレーションをさせていただくことになりました。
――今年の誕生祭は今まで以上に盛り上がりそうですね!最後に、ファンの皆さまへメッセージをお願いします。
新井:SORACHI 1984を応援してくださっている皆さまのおかげで、強い手応えを感じられるところまできました。SORACHI 1984の根底にある“らしさ”は変えずに、さらに大きく成長しながら、ファンをどんどん増やしていきたいと考えています。ぜひ、皆さまの周りの方にもSORACHI 1984の魅力を広めていただけたら嬉しいです。
その新たなステージの幕開けとなるのが、2026年9月5日(土)にホテル椿山荘東京で行われる「ソラチエース誕生祭」です。ぜひ、みんなで一緒にお祝いしましょう! これからもどうぞよろしくお願いします。

2026年9月5日(土)に行われる「ソラチエース誕生祭」の詳細はこちら
(写真・文=田原奈奈)








